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LNJ Logo レイバーネットTV第173号放送報告 : 希望の給食〜食と農がつむぐ自治と民主主義
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レイバーネットTV・第173号放送報告      笠原眞弓

<テーマ: 希望の給食〜食と農がつむぐ自治と民主主義>

 最近あちこちから聞こえてくる学校給食の有機化と無償化。ずいぶん以前から言われてい る割には地下に潜伏していたが、千葉県のいすみ市が給食米の有機化に成功してから、情 報が表に出てくるようになった。有機+無償は、「希望」というより学校給食の基本、人 間教育の基本であると思っていた私は、この動きを心から歓迎し、今度の放送にも期待し ていた。そして、その期待に応えてくれる素晴らしい内容だったし、事前のスタジオ設営 も、持ってきていただいたカラーチラシを張っただけだが、うれしくて、ルンルン気分だ った。  さっくりとまとめ報告をするので、詳しくはアーカイブで見てほしい。 視聴アドレス:https://www.youtube.com/watch?v=NSKLRnhPXTE スタジオゲスト=大野博美(市民ネット佐倉)・司会=白石孝(PARC共同代表) 録画コメント=香月正夫(撮影・編集)・小口広太(千葉商科大学准教授) 〇学校給食4つの視点 白石孝さんは、出来立てホヤホヤの各地の学校給食を取り上げた作品『希望の給食』を持 っての登場である。 その作品には4つの視点があるという。 ゝ訖で有機食品を使うことで、 販路が確実となり近隣有機農家が増え、持続可能な地 域社会となる。そして 8共サービスの在り方として、運営はじめ調理員なども自治体の 正規職員が行う。また、子どもたちの たへの権利(給食費の完全無償化)にも触れる。 学校給食には、上記4つの視点があるという。 ´番は分かりやすいし、働く人の安定はその仕事への取り組みの結果に顕著に表れるの でも分かる。い呂匹Δ? これは、憲法26条2項に「…義務教育は、これを無償とする」に基づいている。義務教育 法第5条でも小中学校は授業料が無償になっている。ところが学校給食法第11条には、学 校給食における経費は、保護者の負担とするとあるのだ。 これら4つの視点を伝えていきたいという。
〇「学校給食にオーガニックを」の活動現場から 大野博美さんは、千葉県佐倉市で「給食の有機化と無償化を」活動している。 佐倉市はなんでも国の言いなりで、1月に国が発表した「みどりの食料システム戦略」に 則って有機農家を増やそうとしている。政策として「オーガニック宣言の自治体」を募集 したところ、県内54市町村の中でそれに応募したのは、佐倉市と木更津市の2市のみだっ たとか。木更津市は以前からそれなりに取り組んでいたが、佐倉市は全くの白紙。そこで 大野さんたちが2点「給食をオーガニックに」「食材費の値上がり分を市が負担すること」 とした要望を市に提出する署名を統一地方選のある3月まで集めることにしたという。
〇DVD作品の紹介 1954年の占領時代に学校給食法が制定され、義務教育の一環として中学にも広がり、現在 まで続いてきた。1980年代から、コスト削減が言われ、外部委託が勧められた。これから の社会の方向性を握るのが、学校給食ということで、国内3カ所(千葉県いすみ市、長野 県伊那谷の松川町、安全にこだわる歴史の古い東京都武蔵野市)の取り組みを詳しく紹介。 また、給食先進国の韓国・華城(ファソン)市を訪ねる。 〇録画でお二人のコメントがあった 香月正夫さんは、韓国では高校までが有機の無償であり、それが社会に定着していたこと をこの製作過程で初めて知ったと。 小口広太さんは「安全であれば外国産の食材でもいい」ではなくて「学校給食」というキ ーワードで、地域や自治のあり方を考えられるようにしたいというのが、この映像作品の 狙いだという。昨年、国が「みどりの食料システム戦略」を立ち上げ、現在の50倍の面積 を有機にといっている。その時、学校給食を軸にしながら広げていければいいのではない かということだった。 〇大野さんたちが開催した上映会の反応→45分に詰まった豊富な内容 佐倉市で先行上映会が行われた。そこでの感想は、よくも45分に農業の問題、学校システ ム、地方自治問題を入れたというもの(さすがに農薬の害までは、入らなかった)。その 後のトークなど盛りだくさんで、白石さんとのセットでの上映会の引き合いが数多くきて いるとか。 〇突然有機給食問題に力を入れ出した農林水産省→もちろん歓迎
白石さんは、最近の農林水産省は、本気を出して有機化を進めてきていて、各地方との連 携する「有機農業と地域振興を考える自治体ネットワーク」を立ち上げ、事務局を農水が 引き受けているという。例えば千葉県は、いすみ市、木更津市、山武市、匝瑳市、佐倉市 が入っている。その全国大会も10月26日に中野ZEROで行われるとか。 〇オーガニック給食マップを見る→有機給食の実施数は多いが実態は?
給食に有機農産物を取り入れているところは全国的に多いが、実は月に2回などが多い。 いすみ市も米は全量有機米だが、野菜はまだほんの少し。道のりは遠いい。 〇日本の農家は減っているが、有機農家は増えている
ここで、2005年と2020年の農家数が示される。それによると284万戸(内販売農家196万戸) から174万戸(102万戸)に減り、土地持ち非農家が120万戸から150万戸に増えている。 年齢分布もよく言われているように、40代以下が14.8万人に対して、昔ならそろそろリ タイヤの65歳以上が95万人と多い。 食料自給率も1961年の78%から2018年の37%に激減し、先進国の中では、ずば抜けて低い。 ただし希望は、新規就農する人が比較的スムースに有機農業を選択するとのことだ。 〇給食費の無償化推進は進まず 2017年の文科省調べでは、4.4%しかなく、その後調べていない。2022年の民調査では、 一部無償化を加えて、30%くらいまで増えている。それは、市町村がやればできるので、 市民の力にかかっているという。
〇韓国では、「学校給食」から「公共給食」へ(部分上映)
韓国では、学校給食の域をこえ、生産・流通・加工の全過程で持続可能「新環境システム」 とセットである。肝になるのは、図書館などの公共施設も巻き込むなど地域社会全体を デザインしていること。細やかなやり方で新しいコミュニティーを作りだす工夫にあふれ ている。 2000年頃までの給食は様々な問題を抱えていたが、そこから市民運動の力でここまで進め て来たという。
〇会場から
・給食調理の現場30年のスタッフからは「美味しく残さず食べましょう」から「残さず」 が消えた。現場の先生たちは大変で、そこの視点も欲しいし、先生たちに見てもらいたい との感想。 ・熱心に取り組む首長さんが交代するとどうなるのか? →いすみ市の場合、NPOが中心になって5年生の授業として取り組んでいる。縦割りをど う改革していくかと同時に「食」は人権であることを認識していきたい(白石)。 市として条例を作ることと予算処置し、丁寧に要項を作っていけば大丈夫(大野)。 ・日本で給食費が払えない人がいると聞くが、実態は? →「義務教育は無償」と憲法で行っているのに、なぜそういう状態になるのか?今後学 校給食法の変更を全国運動にしていきたい(白石) ・韓国では今学校非正規職の労働問題がクローズアップされているが、労働条件は? →労働運動と行政との綱引きで、粘り強くやっていかなければならないことだろう。(白石) ・参政党の重点政策に「子ども・教育」「環境保全」「国を守る」があるが、ここで多く の人が3番目の戦争肯定に気づかずに引っ張られているが、どうなのか? →エコであればなんでもいいというのは違う。自分たちだけよければいいわけではない。 運動として取り組んでいかなければならない。 〇最後に一言 ・大野さんは、お金がなくても飢えない社会を作りたいとはじまった韓国同様、千葉県も それを目指していきたい。それには給食の無償化と有機化はセットにするほかない。 ・白石さんは、このDVDについてはもうすぐ完成品ができるので、是非広めてほしい。 〇〈5ミニッツ〉川柳と歌 給食が紡ぐいのちの詩(うた)がある   乱鬼龍 給食から見えた政治と貧困と       ひかる ジョニーHさんの歌は「きゅうしょくのうた」の替え歌「希望の給食」 〇番組を離れて今注目のマイナンバーカード  白石さんは、内容を離れて、「私を見ると皆さん、マイナンバーカードと……」というこ とで一言。国民の100%が持たなければ、どうするの?ということ。法律改定が必要。や るならやってみろというところだ。 ・次回放送は10月26日(水)19.30「大軍拡と東アジアの平和」(仮)
 企画担当は、杉原浩司さん。

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