「客室乗務員は私の人生そのもの」/ユナイテッド闘争団・吉良紀子さんが証言 | |||||||
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「客室乗務員は私の人生そのもの」〜ユナイテッド闘争団・吉良紀子さんが証言*証人尋問を終えて報告集会に臨む吉良紀子さん →動画(7分) 1月29日は寒い日だった。しかし「ユナイテッド闘争団」第4回控訴審(東京高裁・大竹昭彦裁判長)には、23の傍聴席に75人が抽選に並んだ。この日は、控訴人・吉良紀子さんの本人尋問があり、裁判は最大の山場を迎えていた。吉良さんはスカーフを巻いた姿で、証言台に立った。「私の子どものころからの夢は客室乗務員だった。私は帰国子女ではなく、そのため一生懸命に英語の勉強をした。機内通訳を経て客室乗務員になった。客室乗務員は私の人生そのもの。それをユナイテッド航空は、成田ベース閉鎖の理由も示さず仕事を奪った。不当なことは認められない」。吉良さんは裁判長の顔をしっかり見つめて、透る声で語った。 この事件は、会社合併に伴い2016年に行われたユナイテッド航空(UA)の整理解雇事件。解雇されたのは子会社コンチネンタルミクロネシア航空(CMI)で働く日本人客室乗務員だった。経営は順調で整理解雇の理由はなく、日本の組合を嫌った「組合差別の解雇」だとして、当該は「ユナイテッド闘争団」をつくり裁判に立ち上がった。しかし、2019年3月の東京地裁判決は、会社の主張を丸のみにした「不当判決」だった。 控訴審は2019年10月、指宿昭一弁護士ら新たな弁護団を編成して始まった。争点の一つは、「解雇しなくてはならないほど会社の経営が悪化していたか」だった。証人尋問で会社側は「バブル崩壊後、グアム便の旅行客は減ったのではないですか? あなたのフライトがない月もあったでしょう?」とCMIの仕事が減ったことを認めさせようと誘導する質問が続いた。吉良さんは「それは事実と違う。グアムは日本から3時間、安い、近いということでいつも混んでいた。減った感覚はない。あるとすれば会社が減便をしたことが原因・・」と言いかけると、会社側弁護士は手を上げて「そんなことは聞いていない」と遮った。
原告側の主尋問では、親会社・ユナイテッド航空との合併の過程が詳しく明らかにされた。乗務員マニュアルが統一化され同じ訓練をやることになったり、事務所が統合されたり、UAとCMIなどユナイテッド関連グループが一体となっていることを立証していった。グループ全体は巨大な利益を上げており、一体化が証明されればCMIの客室乗務員を解雇したり成田ベースを閉鎖する理由がなくなってしまうのである。 主尋問の最後に吉良さんはこう結んだ。「一番私を支えてくれた母(85歳)に昨年がんが見つかった。一日も早く解決して母を安心させたい。不当なことは認めない、まっすぐに生きていきたい、あきらめない。裁判長の公平な判決を望みます」と。
この日は労働法学者の意見書も証拠として提出した。解雇の背景として組合間差別があるとした場合、これが日本の法律で判断されるのか、アメリカの法律で判断されるのかについて、裁判所に迷いがある可能性があるが、意見書では日本の法律で判断すべきであることを明確に述べている。指宿昭一弁護士は、「高裁で証人尋問は異例。手応えは感じている。逆転勝訴を勝ち取りたい」と笑顔を見せた。 いま、コロナ禍でユナイテッドを含め世界の航空会社は「非正規乗務員の雇い止め」を拡大させている。弱い層が直撃されている。この点について千田正信さんに聞いた。千田さんは「雇い止めを言われても泣き寝入りしてはいけない。生活がかかっている。しっかりと声を上げ闘ってほしい」とエールを送った。なお次回は5月31日午後4時、825号法廷で「結審」の予定だ。(M) Created by staff01. Last modified on 2021-01-30 13:21:30 Copyright: Default |