本文の先頭へ
山本清太弁護士講演会「ちゃぶ台返し」をしたのは安倍政権
Home 検索
 市民運動団体「アジア共同行動(AWC)日本連」九州山口委
員会発の『AWC九山ニュース』第27号に、韓国人徴用工問題問題について、安倍首
相やマスコミ、ウヨが嘘とデマを並べ立てているかを明らかにした山本晴太弁護
士の講演会報告が掲載されました。「ちゃぶ台返し」をしたのは安倍首相の方である、と山本弁護士が明らかに
した講演の報告記事を、筆者の了解を得て転載します。拡散歓迎とのことです。(S)

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー  太平洋戦争末期に日本で労働をさせられた韓国人徴用工に対する賠償を命じた 韓国大法院(最高裁)判決は日韓請求権協定(1965年)違反なのか、この協定で 本当に「全てが解決した」のか、を考える講演会が9月4日に福岡市で開催されま した。  日本の植民地支配によって被害を受けた韓国人の賠償請求裁判を20年以上行っ てきた山本清太弁護士が講演しました。  山本弁護士は、請求権協定に対する日韓両政府の一貫性がない解釈・対応が被 害者の正当な権利救済を妨げた、と指摘した日本弁護士連合会と大韓弁護士協会 の共同宣言(2010年)から解説を始めました。  「周知の通り、安倍政権は『日韓請求権協定によって賠償問題は完全かつ最終 的に解決した。だから三菱重工、日本製鉄などに対して賠償を命じた大法院判決 は不当だ』と叫んでいます。  ところが日本政府は、日韓請求権協定で両国が破棄したのは外交保護権である。 個人の請求権は放棄していない、との解釈を締結当時から現在まで保持していま す。  その解釈は、サンフランシスコ講和条約(1951年」と日ソ共同宣言(1956年) にも適用しています。原爆の被爆者やシベリア抑留者が日本政府を相手に損害賠 償を求める裁判を起こしました。両方とも、サンフランシスコ講和条約、日ソ共 同宣言は個人の請求権を日本は放棄したのではないから、原告はアメリカ、ソビ エト政府に対して裁判を起こして賠償を請求せよ、との判決が下されました。 ですから、1991年8月27日の参議院予算委員の「柳井答弁」、1993年5月26日の 衆議院予算委員会での丹波外務省条約局長答弁は『日韓請求権は個人の請求を放 棄したのでない』と明言しました。1994年発行の『外務省調査月報』も同じ事を 書きました。  それで関釜裁判(2000年)、浮島丸訴訟(2001年)、西松建設事件(2007年) では、韓国政府が外交保護権を放棄したため、韓国人原告は賠償を請求する裁判 を日本で起こす権利はない、との判決が下されました。(ただし、和解により救 済せよとの意見つき)  一方、日韓請求権協定締結当時の韓国の軍事政権は、個人の請求権も放棄した と解釈しました。朴正煕大統領たちは、個人の賠償請求に無関心だったからです。  それが民主化により大きく変わりました。日韓基本条約、請求権協定の交渉の 経過が公開されました。日本政府は個人の請求権放棄をしたのではないとの解釈 をしている事が、知られるようになりました。  それを受けて2012年、韓国大法院は旧新日鉄に対する未払い賃金支払いと損害 賠償を求めた元徴用工の請求を棄却したソウル高等法院の判決を破棄し、差し戻 させました。そして2018年、大法院は日本政府の解釈を基にして、元徴用工に対 する賠償の支払いを命じる判決を下しました。  それに対して安倍政権は、請求権協定違反だと騒ぎ立てました。しかし今でも、 請求権協定において個人の請求権放棄はしていないとの解釈は保持しています。」    「ちゃぶ台返し」をしたのは安倍政権であることを理解しました。   

Created by staff01. Last modified on 2019-11-25 09:02:26 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について