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動かぬ証拠、真実は隠せない!〜有罪判決求めて「東電刑事裁判」判決直前大集会

 世界中を震撼させた福島第一原発事故。多くの人を不幸のどん底に突き落としながら、誰も刑事責任を問われないのはおかしいではないか。「東電刑事裁判」の判決が、いよいよ9月19日に迫っている。それに先駆けて、判決直前の大集会が9月8日、東京・文京区民センターで開催された。台風目前だったが会場は満席だった。

 はじめに、河合弘之弁護士と海渡雄一弁護士による映画『動かぬ証拠と原発事故』を上映。(*YouTubeはこちら

 「津波は予見できなかった」と被告の三人(勝俣恒久、武黒一郎、武藤栄)は口をそろえるが、原子力安全保安院は2011年のずっと前から、津波対策をとるよう東電に働きかけてきた。東電内部からも、15.7メートルの津波に備える対策を強く要請したという証言もある。しかし、対策費用が膨大になるとわかると、武藤副社長ら幹部はそれを握りつぶした。映画は2010年に津波対策を終えていた日本原電・東海第二原発が3・11で全電源喪失を免れたことにもふれている。東電幹部の非は明らかだ。

 原発はあまりにも巨大な壁に阻まれ、真実は闇に隠されてしまう。海渡弁護士(写真上)は「刑事裁判に持ち込めたのは奇跡だった。映画に出てくる事実は、僕たちが告訴場や検察審査会の申立書を書いているときはわからなかった」という。河合弁護士も「武藤類子さんたちから刑事裁判を持ちかけられたとき、証拠がないから無理だと断った。今できることは、被害の実態を調査することしかないと思っていた」と振り返った。しかし、市民からなる検察審査会、公判の中で、山下調書をはじめ次々と隠された資料がみつかり、事実が明らかにされていった。このことが、この裁判の最大の意義であることは間違いない。

 隠蔽・捏造体質に耐えられなくなっている東電社員は多いのではないか。「福島第一原発は津波の前に壊れた」という、元東電原子炉設計管理担当の証言も紹介された。(「文芸春秋」9月号に手記が掲載されている)

 『原発と大津波 警告を葬った人々』(岩波新書)の著者、添田孝史さん(写真右)が、37回にわたる公判傍聴を振り返った。

 福島からのリレートークの中には、衝撃的な話もあった。塙町に住む北村孝至さん(写真上)は「除染費用3兆円といわれるが、その中には汚染された間伐材を燃やす費用が含まれている。今、再生可能エネルギーの固定買い取り制度が進んでいて、間伐材を使ったバイオマス発電が一番高い買取価格に設定されている」という。「塙町は住民の反対運動でバイオマス発電を阻止したが、放射性物質を燃やすことで全国に被害が拡散することを知ってほしい」と力をこめた。

 みんなで『真実は隠せない』を歌って、集会は締めくくられた。

 事故から8年半。腰を据えて粘り強く頑張ってきた、一つの通過点がやってくる。判決は9月19日(木)13時15分。東京地裁前に集まろう!(堀切さとみ)


Created by staff01. Last modified on 2019-09-09 22:00:06 Copyright: Default

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