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「壊れている日本の現実」映したレイバー映画祭

    堀切さとみ

 レイバー映画祭2019が終わった。はたらく当事者が主人公。カメラを回すのも労働者。「日本は壊れている」とれいわ新撰組の山本太郎は言うが、映像をみるとそのことがよくわかる。

 労働のシーンがたくさん出てくるのがいい。ユニクロ製品の縫製工場、自動販売機で働く人の一日、外国人労働者による解体作業。それらの行為に対し、とことん無慈悲で冷酷な社会に成り下がっているのを感じる。家族のために頑張って働く若者たちが、数百時間の残業を強いられる。大好きな仕事を誇りと責任をもって続けてきたのに突然解雇される。

 でも、自販機ユニオンの若者たちは、ストライキで人員増を勝ち取った。フツウの若者が勇気を出している。ユナイテッド航空の客室乗務員も「自分たちは間違っていない」と声をあげる(写真)。これは遠いヨーロッパや韓国でなく、日本の話なのだ。

 大手引越会社の非情さを伝える『アリ地獄天国』。主人公の西村さんは理不尽な会社に対して、本当に頑張ったが、作り手の土屋トカチさんも本当に長い間闘ったと思う。映画公開を妨害しようとする会社に抗するのは並大抵なことではなかっただろう。過酷な労働現場で鬱病になり、三人の子どもを残して自死した親友に報いたかったという。労働映画の中に友情という伏線がある、あたたかな記録だった。

 入管の実態を伝える『外国人収容所の闇』もよかった。日本は世界で一番難民申請を認めない国だ。軽い気持ちで支援をはじめた大学生が言う。同世代のクルド人から「私とあなたとどこが違うの? 私は国を追われ、あなたは何不自由なく生きている」と言われハッとしたのだと。好きで難民になる人などいない。クルド人とフクシマの避難者が重なった。

 会場は満席。朝10時から夕方5時の長丁場であるにもかかわらず、ほとんどの人が席から離れなかった。映画の途中で手拍子や拍手、かけ声があがったりするのもレイバー映画祭の魅力。今後もひとつひとつの作品をみることは出来るだろうが、映画祭を丸ごと体験できたことを幸せに思う。


Created by staff01. Last modified on 2019-08-04 13:07:43 Copyright: Default

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