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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(4月25日) : 解決策は都教委が学校に対する支配介入をやめること
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●根津公子の都教委傍聴記(2019年4月25日)

解決策は都教委が学校に対する支配介入をやめること

 2件の報告、 屐悖咤裡單豕ルール』の改訂について」 ◆嶌鯒度指導力不足等教員の指導の改善の程度に関する認定等及び昨年度条件付採用教員の任用について」、以下報告します。今日も、教育委員の1人が欠席。

 屐SNS東京ルール』の改訂について」

 15年11月に策定した「SNS東京ルール」から3年半が経った。「1日の利用時間」などルールを決めている家庭が増加した(14年度は37%→18年度は62%)、トラブルや嫌な思いをする児童・生徒が減少した(22%→6%)などの成果があった一方で、2時間程度以上の利用が増加した(51%→58%)、自画撮り被害に遭った児童・生徒が増加した(289人→541人)などの課題があるので、改定するのだという。

 都教委は今後、「改定後のルールの周知」(5月)、「親子情報モラル教室」(小学校150校)等による家庭への啓発(7月~2月)、「情報モラル推進校」による先進的な指導法の開発(今年度中)等に取り組むとのこと。でも、これらは、これまでもしてきたこと。 教育委員からは、「ルールを決めている家庭が6割というけれど、残り4割は野放し、問題は4割から起きているのではないか」「フィルタリングということばがわからない保護者もいるのだから、保護者に対する啓発・サポートをしてほしい」などの意見が出された。しかし、「SNS東京ルール」それ自体を疑問視する発言はなかった。 セクハラ、体罰、窃盗など、刑法に触れるような教員の懲戒処分を減らすために、都教委は毎年、服務遵守の校内研修(=校長による指導)を校長に課してきたが、その成果があったとは到底思えない。

 それと同じく、この「ルール」も何度改訂してもいい方向に行くことはないだろう。これらの行為は、誤ったかたちでの自己表現であるからだ。解決策は、大人も子どもも、自分の頭で考え判断し、行動することが日常生活において保障されること。石原都政以降、都教委が奪ってきたその機会を、学校に戻すこと。生活を通して自尊感情が高まれば、人は自身を律するはずである。

◆嶌鯒度指導力不足等教員の指導の改善の程度に関する認定等及び昨年度条件付採用教員の任用について」

 「昨年度指導力不足等教員の指導の改善の程度に関する認定等」では、「A 指導が不適切である教員」に認定され、週4回研修センターで受講させられた者が3名、「B 指導に課題がある教員」に認定され、週1回研修センターで受講させられた教員が2名。Bの1人は認定を解除されて職場復帰となったが、残り4名のうち、Aの1人は年度末に退職し、3名は今年度も研修センターで受講させられる。

 「昨年度条件付採用教員の任用」(条件付採用期間は、教員は1年、養護教員と実習助手は6月)は、
 条件付採用教員数が2809人、正式採用者数は2720人。正式採用とならなかった者が89人、うち、年度途中の自主退職者等が77人(病気29人、他県での採用や転職30人、家庭事情13人)、懲戒免職1人、正式採用「不可」の者11人(11人とも、年度末で自主退職した)。正式採用とならなかった者の割合は3、2%。正式採用「不可」の理由は、「授業計画が立てられない、授業が上手くできない、子どもに対応できない、教員間のコミュニケ―ションに問題があるなど」とのこと。
 指導力不足等教員の申請も条件付採用教員の正式採用も、校長の判断・評価による。

 希望をもって教員の仕事に就いた人たちを励まし育てるのが校長の仕事なのに、ひどい校長に当たったがために正式採用「不可」や自主退職に追い込まれた人がかなりの数いるのではないかと思う。実際に、正式採用「不可」を2年続けて都教委にあげた校長がいた事例を私は知っている。そうした校長によって人生を狂わされ、現在裁判をしている人もいるし、勝訴し職場帰を果たした人もいる。校長の判断・評価に主観が入ることは否めないということだろう。

 「年度途中の自主退職者等」のうち、29人の病気は精神疾患であろう。10年近く前に条件付採用教員から私の友人が直接聞かされた(相談された)ことだが、その教員は校長から「(仕事ができないのだから)線路に飛び込んだら」と言われたという。そのような校長に当たってしまったら、病気になって当たり前。「家庭事情」を理由にした人たちは、「自主退職しなければ免職にする。免職となれば、経歴に傷がつき再就職が難しくなる」と校長から脅されてのことだろう。この話は、教員で知らない人はまず、いない。そして、「他県での採用や転職」が30人。東京の学校で働くことに魅力を感じなかったということだ。

 この報告に対して、ある教育委員は次のように言った。「条件付採用の1年の間に(指導力不足を)見つけられないと、その後に指導力不足等教員に認定されるのだから、この1年の間にしっかり(「不可」を)見つけてほしい」。なんと冷酷な人物なのか、こうした人が教育委員であってほしくないと思った。

 教員たちが切り捨て、切り捨てられる中では、教員は子どもたちに対しても同じような扱いを、自覚せずにしてしまうだろう。助け合える関係性の中で、人は力を発揮できるのだ。教員たちが助け合える関係にあれば、条件付採用教員も育つはず。

 都教委が学校に対する支配介入を止めることこそが解決策である。

 蛇足だが、昨年度4月6日時点での東京の教員不足数は小学校208人(うち学級担任78人)、中学校77人(うち学級担任6人)だった。地元の採用試験に合格して退職していく若い教員が毎年かなりの数いる(=中井教育長の言)など、退職者の予測が都教委にできなかった結果だ。今年度は、充足されているのだろうか。


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