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LNJ Logo 「新潟県知事に公約守らせよう」「福島第2原発廃炉を歓迎」北海道庁前反原発金曜行動レポート
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黒鉄好@北海道です。

6月15日も、通算294回目の北海道庁前反原発金曜行動が行われ、約30人が集まりました。

新潟県知事選は、脱原発を訴えた野党統一候補、池田千賀子候補が与党支持の花角英世候補に惜敗。柏崎刈羽原発「即時廃炉」を訴えた安中聡候補と合わせれば、与党候補を上回る票を得ており、「票が割れたことによる惜敗」という野党候補の典型的負けパターンです。しかし、市町村ごとの開票結果で見ると、原発地元の柏崎市で池田候補が競り勝つなど、新たな変化も見えた知事選でした。

この選挙結果について、市内から参加した女性は「花角候補も将来の脱原発を公約している。きちんと公約を守らせよう」との訴え。常連メンバーのOさん(女性)からは、東海第2原発の地元で、今年3月、県庁所在地の水戸市含む6市町村が、事実上の「事前同意権」を含む安全協定を日本原子力発電との間で結んだことについて「地元の東海村だけでなく、6市町村から事前同意を引き出さなければならないのは日本原電にとって大きなハードルにつながる画期的内容」と評価する発言がありました。

常連メンバーの畠山和也・前衆院議員(共産)は「知事選の応援に新潟に行った。北海道も女性知事だから、自分たちも女性を選んでいいですよね、と聞かれたので『北海道の女性知事は元経産官僚で自民党に担がれている。福島原発事故から7年経った今なお泊原発への態度を明らかにしない。男性か女性かではなく、首相官邸と国民のどちらを向いている人かが問われるべきです』と答えた」との報告がありました。

準常連メンバーのインド人、ラトリさんは、「イスラエル人の友人が、外国人と会うたび『イスラエルはドイツにひどいことをされたのに、なぜ今、あんなにひどいことをするのか』と、そればかり聞かれてうんざりしていると言っていました。昔いじめられたから今度はいじめてやるというのは国家の病気であり、国家の病気は国民にしか治すことはできません。インドが独立を回復したのは1947年ですが、インドの初代首相は『国民の心はずっと昔に独立していた』と宣言しました。日本の皆さんも、弱いものいじめをする勢力から心の独立を果たしましょう」と訴えました。

最後に、私、黒鉄のスピーチ内容全文をご紹介します。

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 みなさんこんにちは。

 福島で久しぶりに大きな動きがありました。東京電力の小早川社長が、昨日、突然、福島第2原発の廃炉の検討を表明したというニュースが流れたことです。今日はこのことについてお話しします。
事故当時福島県内に住み、あの未曾有の大混乱を経験した者のひとりとして、事故を起こした電力会社が、事故を起こした県内で別の原発を再開するなど言語道断です。廃炉表明は遅すぎるくらいであり、当たり前のことを決めるのに7年3ヶ月もかかったのかという憤りはありますが、まずは福島県内の原発全基廃炉という県民の願いがようやくかなう見通しになったことを喜びたいと思います。

 福島第2原発は、楢葉町と富岡町にまたがって存在しています。津波被害こそ免れましたが、福島第1原発と同じ状況に陥らなかったのは奇跡というほかありません。楢葉町と富岡町の中で帰還困難区域でなかった場所は避難指示が解除となり、富岡町には1kg当たり8000bqを超え10万bqまでの「指定廃棄物」を処理する施設の稼働が始まっています。処理といっても単なる埋立であり、土の汚染度を下げる技術が開発されたわけではありません。今後も汚染廃棄物との長い闘いが続きます。そもそも、富岡町のすぐ北に人の住めない帰還困難区域があるのに、わざわざ人の住んでいる場所にこのような施設を建てた理由は、もともとそこに民間の産廃処理場があり、用地取得が楽だったというだけです。

 富岡町は、福島県の浜通りと呼ばれる太平洋側の、福島第1原発の南側にあります。大量の放射性物質は主に北西の方向に流れたため、南側にある2つの町は大きく汚染はされませんでした。しかし、少なくても汚染は汚染です。その上、富岡町はすぐ北に福島第1原発、南に最終処分場があり、この2つに挟まれて暮らさなければなりません。楢葉町では、避難指示が解除されて1年半経った2017年3月の時点でも、帰還した住民は町の全人口の1割、818人でした。一方で、町には1500人の除染作業員がいて、帰還した住民の数より除染作業員が2倍も多い状況です。「処分場が建つならもう帰らない」という人も大勢いる。こんな状況で果たして復興などうまくいくのでしょうか。

 内堀福島県知事を初め、県民がこぞって要求してきた全基廃炉の願いに、決してこれまで言質を取られないように振る舞ってきた東電が、なぜこの時期になって急に廃炉を言い出したのでしょうか。新潟県知事選で与党系候補が勝った直後というタイミングにその答えが隠されているように思います。「福島県民の皆さん、長い間お世話になりました。もう柏崎刈羽原発が動かせますので、福島第2は動かせなくても結構です」が東電の本心ではないでしょうか。もし本当にそうであるならば、私たちは手放しでこの廃炉表明を喜ぶことはできないと思います。東電に原発を扱う資格があるのかどうか、答えはいうまでもありません。

 与党系候補が勝ったからといって、今日明日にも柏崎刈羽原発が動くかというと、事はそう単純ではありません。なぜなら柏崎刈羽原発は2007年の新潟県中越地震でも止まっていて、その後、制御棒が変形して引き抜けなくなるなどトラブルもたくさん起きているからです。そもそも福島第1原発事故の検証をきちんとやるまで柏崎刈羽原発を動かさないでおこうと最初に言い出した泉田元知事も自民党です。自民党だから全員が全員原発推進、今すぐ再稼働派でないということは知っておいて損はないと思います。

 福島県内で原発を再稼働せよという人は自民党でもほぼいません。福島県議会議長まで務めた県議会議員の斎藤健治さんも自民党ですが、震災直後の大熊町を視察して脱原発宣言をしました。避難指示区域となり、農家が避難したため、牛が何十頭も牛舎につながれたまま餌も与えられずに死に、腐敗しているのを見て「地獄」だと悟ったからです。福島県内全基廃炉を求める決議が、県議会で自民党を含めて全会一致で採択されたという事実は計り知れないほど重いものです。おまけに、同様の決議は福島県内59の市町村すべてで採択されています。脱原発は200万福島県民の総意なのです。斎藤さんのような自民党県議が率先して仲間の国会議員を現場に連れて行き、脱原発に考えを変えさせることが必要であり、私からそのことを提案したいと思います。

 新潟県知事選の結果を見てわかったのは、原発を止めるには、自民党を脱原発に変えさせる闘いも必要であることです。自民党内にも河野太郎外務大臣、秋本真利(まさとし)国土交通政務官など、少なからず脱原発の考えを持つ議員がいます。そうした議員を私たちが励まし、党内で仲間を増やすよう働きかけることもひとつのアイデアだと思います。小泉元首相のやった規制緩和やイラク戦争支持は許せませんが、脱原発の活動を続けていることには注目すべきだと思います。そして、自民党内で最も悪辣な原発推進派は「電力安定供給推進議員連盟」所属の議員ですが、彼らは市民の批判が怖いのか、事務所の場所も電話番号も、所属メンバーさえも公表していません。ここに所属する自民党議員を割り出して、全員に斎藤さんの案内で福島の現場を見せるべきだと思います。函館市が起こしている大間原発建設差し止め訴訟も、市議会で自民党含む全会派の賛成を得ています。自民党が強いからとあきらめるのではなく、自民党を変える闘いをしましょう。まずはできるところから始めたらいいと思います。

 今日は以上で終わります。ありがとうございました。


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