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LNJ Logo 「高橋知事、あなたは何かのために命を懸けたことがありますか」〜8.10道庁前行動レポート
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8月10日(金)、通算302回目となった道庁前行動が行われた。

筆者は都合で3週間ぶりの参加となったが、この間、道庁前行動は300回を超えた。2012年7月に始められた行動は同時に丸6年を過ぎ7年目に入っている。

この日は広島、長崎の原爆忌を過ぎ、核兵器に関するスピーチ、また急逝した翁長雄志・沖縄県知事を悼むとともに、県民のために命懸けで闘った翁長知事と、重要な決断から逃げ続け「置物」と揶揄される高橋はるみ・北海道知事の姿勢を嘆くスピーチが多かったことが特徴だ。「高橋知事、あなたは何かのために命を懸けたことがありますか?」という問いかけもあった。基地のない沖縄のために命の最後の瞬間まで闘い続けた翁長知事、道内の原発にもJRの路線をどうするかについても決断せず逃げ回る高橋知事。その落差はあまりに大きい。

広島での平和行進に参加した常連メンバーのうち2人の方から報告があった。常連メンバーの女性、Oさんは「安倍政権の下で被爆者がないがしろにされ見捨てられている。命より尊い価値観はあってはならないはずなのに、この国では人間が取り換えの利く部品のような扱われ方だ」と憤った。同じく平和行進に参加した常連メンバーの男性Kさんも「広島で、”原爆投下直後に降った黒い雨にも危険でない雨もあった”として、今まで認められていた原爆被害さえ切り縮めようとする動きがある」と告発。「それもこれも福島で健康被害もみ消しが進行していることと歩調を合わせる動きだ。この国がどんなにひどい国か引き続き訴えていきたい」と述べた。

常連メンバーのインド人・ラトリさんは「インドでは女性が結婚するとたくさんのネックレスやブレスレットを付けて祝う。花嫁さんが村に来ると、たくさんのネックレスやブレスレットが触れ合う音が響き、どこそこの奥さんだ、とわかる。その女性が亡くなっても、ネックレスやブレスレットが触れ合う音は長く人々の記憶に残る。日本では、まだ被爆者の方の発する様々な音が聞こえてくる。聞こえてくるということは、彼らがまだ生きている証だ。被爆者が生きているのに、日本政府は原発を再稼働し、原爆さえ持ちたがっている。軍備で儲ける一部の人々のために原爆を持とうとする日本政府を許さない。皆さん、反対しましょう」と訴えた。

最後に私、黒鉄のスピーチ全文をご紹介する。

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 みなさんこんにちは。

 2週間、この道庁前行動をお休みさせていただき、今日は3週間ぶりの参加です。しかしこの間、何もしていなかったわけではなく、先々週の金曜、27日には大阪で関西電力本社前行動に参加してきました。いま日本で、原発を4基も動かしているのは九州電力と関西電力だけです。仲間とともに「再稼働やめろ」と叫ぶと、ただでさえ35度近い大阪の夏が余計に暑くなった気がしました。

 わざわざ北海道から来たということで、発言を求められたので、2つのことを話しました。ひとつは私の仲間が集めている「放射能健康診断を求める署名」が北海道内でついに1000筆を超えたということ、もうひとつは道庁前行動が今日で300回だということです。高橋はるみ知事が泊原発をやめるというまで1000回でも2000回でも行動を続けると発言すると拍手が起きました。でも本当は高橋知事が泊原発をやめて、北海道を原発のない地域にすると言ってくれさえすれば、こんなめんどくさい行動はせずに済むんです。35度近い猛暑の中、市民がこの社会と子どもたちの未来を思い、汗を流しながら原発廃止を訴えているのに、まだあなたのところに私たちのこの声は届きませんか?

 大阪には3日間滞在しました。韓国で反原発の闘いをしている慶州(キョンジュ)環境運動連合のイ・サンホン事務局長が来ていて興味深い話を聞きました。韓国では現在23基の原発が稼働しています。2030年までに28基へと拡大する方針だったのが、文在寅政権の下で現在、建設は止まっています。韓国でも原発なしで電気は足りています。イさんは「原発は東海岸に集中していて、もし事故が起きれば日本にいちばん影響する。中国も原発は東側に多く、事故では韓国が被害を受ける。だから反原発運動は国際連帯が必要だ」と問題意識を語りました。

 反原発の運動は、放射性廃棄物処分場反対の運動とともに進みました。「2003年に扶安(プアン)郡蝟島(ウィド)が処分場に選定されると、怒りが頂点に達し、扶安住民は108日間の抵抗闘争を行い全国から支援が寄せられました。住民投票委員会を組織し、約72%が投票に参加し、うち91%以上が反対でした。政府は不法投票だとして住民投票を認めませんでしたが、高濃度の廃棄物処理はやめさせました。しかし慶州の住民投票では、地域の経済発展ばかり強調されて約9割が賛成し、中濃度の廃棄物処理場が決まってしまいました。ショックで反対市民は出て行った、とのことでした。

 福島の原発事故は、韓国にも衝撃をもたらしました。その年の選挙では、すべての候補者が原発縮小を公約しました。住民投票や署名運動、裁判闘争も前進し、ロウソク革命の流れの中で、2017年には裁判で勝訴して月城(ウォルソン)原発1号機の再稼働を止めました。放射能の健康被害も問題にされるようになり、2014年には古里(コリ)原発から6kmに住むイ・ジンソプさんが甲状腺がんで訴え、因果関係が認められました。それを機に、韓国では最大規模の618名が原告となって共同訴訟を闘っています。原発から半径10km内に5年以上住み、甲状腺がんになった人たちが原告になっています。

 この話を聞いて、私が素晴らしいと思ったことがいくつかあります。日本では、選挙で与党系の候補が争点隠しのために自分も基地や原発に反対だというと、みんな政府の「経済対策」に期待してすぐに自民党に投票してしまいます。しかし韓国では地方選挙でも文在寅大統領系の政党が連戦連勝であり、保守系の野党は敗北を続けています。原発推進の保守政党の見え透いた嘘に市民が騙されない。まずここが日本の市民と決定的に違います。自民党に投票するなとは言いませんが、それなら死ぬ気で自民党を脱原発に変える闘いも並行してするのでなければならないと思います。

 もうひとつは、古里原発近くに住む住民の甲状腺がんについて、原発との因果関係を認めた裁判所のすごさです。日本では福島原発が事故を起こしてもなお、福島県民の甲状腺がんさえ事故との因果関係が認められていないのに、韓国では事故も起こしていない普通の原発の近くに住んでいる人が病気との因果関係を認められたわけです。韓国のゲストの皆さんは、日本、福島の闘いに学びたくて来日したとのことですが、どうやら学ばなければならないのは私たちのようです。

 しかし韓国もいいことばかりではないようです。慶州の原発がある村の住民の100%つまり全員の尿中からトリチウムが検出されました。原発から離れた市ではもちろんほとんど出ていません。原因は報告されませんでしたが、現地では雨水にトリチウムが含まれているのではないかと言われているそうです。住民は抗議行動を起こしていて、福島の原発事故以降、韓国市民も原発周辺を避けるようになりました。原発に近い住民が2016年に移住を要求するようになりましたが、認められていません。法案を提出しても、この2年間議論にもなっていないのです。韓国の憲法では犁鐔察Π椽擦亮由瓩あり、8月に法案を再提案して、被ばく問題というより権利の問題として議論していきたい。慶州(キョンジュ)環境運動連合のイ・サンホン事務局長からはこんな報告がありました。

 北海道でも、市町村別がん死亡率1位が泊村、2位が岩内町(いずれも泊原発の地元)であることはよく知られていますし、居住・移転の権利を行使していくため、積極的な意味で福島からの避難をされている方も多くいることも私は知っています。むしろ話を聞けば聞くほど、日韓で抱えている課題は同じだということが見えてきた有意義な3日間だったと思います。これ以外のことは、また何かの機会にお話しできればと思います。

 今日は以上で終わります。ありがとうございました。

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