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「労契法20条」で闘う人たち一堂に会す〜6.1最高裁判決が焦点

動画(宮里発言・12分)

 正社員と非正規労働者の不合理な待遇格差を禁じる「労働契約法20条」。この法律に基づいて闘われている裁判で、画期的な出来事が相次いだ。4月20日長澤運輸事件について、4月23日ハマキョウレックス事件について、最高裁で口頭弁論が開かれたのだ。口頭弁論は、その前の判決を変更するときに通常開かれる。判決日は両事件とも6月1日に指定された。労契法20条裁判に対する初めての最高裁判決は、大きな注目を集めている。4月23日、「すべての労契法20条裁判の勝利をめざす4・23集会」が東京神田の連合会館で開かれ、120名が参加した。主催は全日建運輸連帯労組。

 長澤運輸事件は、定年後嘱託職員となったトラック運転手が、業務内容にまったく変化がないのに賃金が3割引き下げられたと提訴。一審の地裁判決では原告が全面勝利したが、二審の高裁では逆転敗訴。「定年後の賃下げは、社会的に容認されている」というのが、高裁の言い分だ。弁論を経た最高裁判決がどうなるかが焦点だ。長澤運輸原告の山口修さん(写真)は、「弁論を開くようにと、10万を超える署名を集めた。それが実った」と語った。ハマキョウレックス事件では、有期契約の労働者が、正社員に払われている各種手当が支払われていないと提訴。一審では、通勤手当が認められ、二審では、その他の四つの手当が認められている。中島弁護士は、最高裁判決では「請求した六つの手当すべてが認められる可能性がある」と語った。

 集会には、長澤運輸、ハマキョウレックス以外に、20条裁判を闘う4組合が参加した。賃金、手当など全面的なの是正を求めて提訴した東京東部労組メトロコマース支部の地裁判決(2017年)は、残業代の割り増し分差額3609円を認めただけだった。原告の瀬沼京子さん(写真)は、「闘いのDVDやガイドブックを作って、普通のおばさんがどう立ち上がったかを訴えている。何も知らない人たちに知らせたい」と力をこめた。郵政産業労働者ユニオンの原告浅川喜義さんは、「郵政の職場の東と西で裁判を闘い、両方とも地裁で複数の手当を勝ち取っている。ただ、会社は正社員の手当を失くす攻撃を始めた」と報告。なのはなユニオンの鴨桃代委員長は千葉内陸バス事件の報告をし、「20条裁判で労使関係を改善できたのが大きな成果」と語った。全自交総連の名古屋自動車学校からも報告があった。

 最後に宮里邦雄弁護士が、「20条はあいまいな規定であり、そのために下級審の判断が分かれている。これに統一的な基準を打ち立てるのが今回の最高裁判決のねらいだ。20条が出来て5年たつが、まだまだ生かされていない。裁判をもっと起こすことが必要だし、職場でもっともっと活用されるべきだ」と締めくくった。今回の集会は、「労契法20条」で闘う人たちが一堂に会し、社会に打って出る起点となる集まりになった。〔佐々木有美〕

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