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LNJ Logo 「選挙で変える! 4区船橋市民の会」発足〜五十嵐仁さんに励まされる
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千葉4区(船橋市)では、千葉県市民連合の1月29日発足を受け、市民の会を立ち上げるべく、用意をしてきた。4月1日、桜冷えの夕方、船橋勤労市民センターで140人を集めて行われた。県内13の選挙区があるが、その中でも早い開催だった。

元気なトランペットの音色に誘われて開会あいさつ

まず、松平晃さんによる、元気のいいトランペット演奏で開幕。トランペットから、旧海軍のラッパに替えて、当時の食事、突撃、就寝ラッパを聞かせてくださる。

開会あいさつの宮腰直子さん

 ↑ 開会あいさつの宮腰直子さん

その後、開会あいさつは宮腰直子さん(弁護士・呼びかけ人)が行った。若いころは、関わり方のわからないまま、投票に行かないときもあったが、2011年の福島原子力発電所の事故を受けて、市民の手で政治を変えて行かなければならないと強く思ったという。 2013年、2015年と特定秘密保護法、安保関連法が強行採決されたとき、全国の多くの人々が抗議の声を上げた。その中で市民の力が野党議員を動かし、共闘体制が出来てきたと分析。市民が政治を変えるという実感が、市民の間で共有され、船橋でもその一歩を踏み出すことは意義深いというと賛同の拍手が上がった。

記念講演の五十嵐仁氏

 ↑ ユーモアを交えながら熱弁した五十嵐仁さん

勝利の方程式を解くのは市民  記念講演 五十嵐仁氏

続いて『アベ政治の行き詰まりと「市民連合」への期待』と題して五十嵐仁さん(法政大学名誉教授)による記念講演が行われた。 彼の講演はしばしば笑いを呼ぶ、噛み砕いたものだった。 まず、「今日は安倍晋三の日」と、4月1日にかけ、今日ぐらいはホントウのことを言ってもらいたいと続ける。

・ホップ・ステップ・ジャンプの市民力全開が決め手 安倍政権は行き詰っているから近い将来崩壊し、市民の勝利する日は近い。既にどの問題をとっても、行き詰っていると切りこむ。 過労死覚悟の異常な働きが強いられ、そんなに働いても普通の生活ができない。これ以上は、政治を変えなければならないという限界まで来ていて、転換の期は熟しつつあるといえる。市民たちが力を合わせれば勝利することを、去年の参院選の勝利、新潟の知事選で示したではないか。ホップ・ステップ・ジャンプで、市民の勝利を、と私たちを励ます。

「ホップ」は2015年の安保法制に反対する運動が盛り上がり、市民と野党の共闘が実現した。 「ステップ」は昨年の参院選挙等の市民と野党の共闘。 今年は大きく「ジャンプ」する年にしなければならない。ここに4区が立ち上がり、アベ政治を倒す。そういう成果を勝ち取ってもらいたいと声を大きくする。

・全自動“忖度”機のスイッチを入れているのは誰? 潮目が変わりつつあるのではないか。一強体制と言われて、目に余るものがある。やってほしいことを先んじてやる、つまり“忖度”。全自動“忖度”機のスイッチを入れているのは誰か。 国会が大炎上しているのは、1、南スーダン、2、文科省の天下り、3、共謀罪法案、森友学園(加計学園)の4つとそれぞれ解説をする。 中でも、共謀罪では治安維持法とつながるとする。公明党を支持する人に考えてもらいたいのは、戦前の治安維持法で創価学会創立者の牧ロ常三郎は獄死し、戸田城聖も拘束されたこと。 森友学園の問題こそ 全自動“忖度”機と断定。籠池さんは密室で100万円をもらったと言い、昭恵さんは密室にはならなかったと言っている。安倍さんは、「密室でのやり取りは他人がいなかったので、悪魔の証明だ」と言った。つまり、「密室だったからそれは証明できない」と言っちゃったと五十嵐さん。

・行き詰まりの政策からの脱却は話し合いから 話しは日米関係に移り、トランプ政権の不安定さと追従の危険。返す刀で安倍では解決されない少子化や軍拡にスイッチを入れたための、日本人を狙ったバングラディシュのテロなどと、話しは行き詰った政策の今後を問うていく。ミサイルを発射させないためにはどうするか。話し合いしかない。そこを飛ばしている安倍政権が問題であると歯切れがいい。 これらの状態を解放するには、「勝利の方程式」を解かなければならない。それは、市民と野党の共闘によって実現すると、力を込める。そのためには意見の違う人も一緒に、共通する一致点を見つけ出して力を合わせなければだめだと強い口調でいい、それしか勝利への回答はないと叫ぶ。 市民と野党が話し合い、信頼関係を作っていくこと、人間関係を作っていくことが、もっとも重要なことだと熱を込める。そして、ご自身の八王子市長選立候補の経験から、党派の違う市議同士が同じ選挙カーに乗って親しくなった経験を語る。

・衆議院選と都議会選 どっちが先? 総選挙の時期は、いつかに話が及ぶ。6月に選挙の区割りが変わる。その前に多少の議席は減らしても、解散したいと考えているとも言われている。が、早期解散は共謀罪や天皇退位など重要問題が流れてしまうので、その前の解散は難しいのではないか。となれば都議会議員選挙が先になるかもしれない。これも大事な選挙であると、半自民(反ではない)の小池都知事にも批判の矛を向けた。

・「シニア・レフト」で次世代にバトンタッチを 最後に、私たち出席者の年齢層を観察した結果か、シニア・レフト(高齢者は現在の「まともな世の中」を安倍さんに壊されないように守ろうという生き方)で行こうという。 今はまだ好きなことが言える世の中、この社会をこれからの世代に手渡していかなければならない。次世代、次々世代はストップをかけられないから、我々がストップをかけなければならないと。“運動”は体にいいから、銀座をパレードしたら6000歩。友だちもできるし、楽しいし。足腰立たなくても口は立つ。言うべきことを言って安んじてお迎えを待つのが我々の役目だと結んだ。

野党代表の5人の皆さん

 ↑ 野党代表の5人の皆さん

野党からの連帯挨拶

続いて各野党からの連帯の挨拶があった。 民進党野田佳彦幹事長からの電報が読み上げられ、そこには「本日結成した市民の会が、安倍政権の暴走にストップをかける大きなうねりとなることを期待する」とあった。共産党千葉県西部地区委員長の淀裕一さんは「安倍政権が1日長く存続すれば、それだけ国民は脅かされる。党として各分野の市民連合と力を合わせ、4区の発足宣言案に全面的に賛成する」と。 新社会党千葉県本部副委員長の小林春彦さんは「千葉県内13選挙区で結集していることは大変喜ばしく、党としても積極参加をしたい」ということだ。 緑の党グリーンズジャパン千葉県本部運営委員の三ツ橋トキ子さんは「理念が違う政党が一つになることは、パッチワークと同じ。一つ一つのピースは弱いが、集まると頑丈になる。そしてさまざまなカラーがパッチワークの中に紡ぎ出されていく。頑丈なパッチワークが出来れば、安倍政権を倒すことができる」と。 市民ネットワーク・船橋の三宅桂子さんは「国の中で弱い立場の人に思いを寄せ、声を上げられない人が声を出せるようにしていくべきなのに、安倍政権はその逆を行っている」と、そして共に頑張ろうと結んだ。

市民代表の一人、ママの会の宮本理恵さん

 ↑ 市民代表の一人、安保関連法に反対するママの会の宮本理恵さん

呼びかけ人・市民の想い

私たちは、市民と野党の共闘と言うことを踏まえ、市民からも発言を求めた。アベ政治になって危機感を持った「安保関連法に反対するママの会」の方、養護施設や障害者施設で働いてきた女性、自衛隊基地のそばに住み、長年その動向を見続けてきた方、若い母親とのつながりのある方などが、それぞれ何を今思っているかなどを語った。 中でも、政党に自分たちの要望を届けるのは、特別のことではないと子どもに教えられたこと、普段着の自分で明日からも不断の活動をしたいと話した方、ご自身身の回りで起きた、就職難やブラック労働に自殺していく若い人がいるのはおかしいと訴えた方の言葉が印象に残った。

発足宣言が採択され、行動提起も了承

次に代表世話人のまきけいこさんによって、「発足宣言」の提案と採択が行われた。 「市民と野党の共闘」をめざし、「憲法を守る」「誰の子どもも殺させない」「人間らしく働き暮らせる社会を」「貧困と格差社会を変えよう」「安保法制をなくそう」「原発をなくそう」を盛り込んだ案が提起され、承認された。 続いて、今後の行動提起は、同じく代表世話人の近藤徹さんよりおこなわれ、現在100人余りの呼びかけ人・趣旨賛同者を今後1000人にまで増やし、さまざまなプログラムを企画していくと表明した。 本日、新たな呼びかけ人への参加者を加え、100人をこえた。あと900人である。

参加者全員がプラカードを掲げる

 ↑ 参加者全員がプラカードを掲げる

さて、来るべき衆議院総選挙に向けて、しっかりと野党候補者と話し合い、政策提言を真剣に作っていきたい。あらたな一歩を、今日、私たちは踏み出した。

個人的感想だが、千葉市民連合が立ち上がってからの2ヵ月という短期間に、しかもその間知事選挙もあり、その船橋市の投票率が、たったの27.4%と悲惨な割には、たくさんの方に参加していただけたと驚いた。たぶん、私のようなこれまで政治にかかわっていなかった人までが、現政権に危機感を募らせているためではないかと強く思う。

<報告・写真 笠原眞弓>


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