本文の先頭へ
LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(3/23)〜華々しく次々に打ち上げる都教委施策に自画自賛
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 0323nezu
Status: published
View


●根津公子の都教委傍聴記(2017年3月23日)

華々しく次々に打ち上げる都教委施策に自画自賛

 公開議題は、議案が義務教育諸学校の教科用図書無償措置に関する法律が定める「教科用図書選定審議会の諮問事項について」(毎年、この時期に行っている)、報告が/傾餾盜盥察焚松痢砲寮瀉屬砲弔い董´都立白鴎高校・附属中学校の教育内容の充実に係る検討委員会報告について E堽高校の現状把握に関する調査の結果について ぁSNS東京ルール」の成果と今後の取組について ァ岷儻貘次焚松痢法彁業における事業者、施設名称及び事業概要について。

 非公開議題には議案・報告ともに教員等・教員の懲戒処分について、「いじめ防止対策推進法」28条に基づく調査について、があった。懲戒処分の中にはこの卒業式で「君が代」起立をしなかった教員に対する処分があったはず。都教委が「君が代」不起立処分を始めて14年、少数ではあるが今なお、「日の丸・君が代」の刷り込みに加担はしないと職務命令を拒否する教職員が存在することには、大きな意味がある。

 「いじめ防止対策推進法」28条に基づく調査については、2月終わりに新聞報道された、原発避難で千代田区小学校に転校してきた3人の児童がいじめを受けていたこと=「重大事態」についての調査報告か。都教委は2015年にいじめにより自殺に追い込まれた高校生の件についても未だ、定例会で公開議題にしていない。したがって、東京の公立学校に周知徹底していないだろうし、身近で起きた教材として子どもたちに提示していないだろう。今回の調査報告とともに、子どもたちが考え、受け止められるよう、資料を開示してもらいたい。以下は報告事項。

/傾餾盜盥察焚松痢砲寮瀉屬砲弔い

 国際高校の入学者選抜の応募倍率が高いことから帰国生徒や外国人生徒も特別枠で受け入れる目的でこの高校の設置を、「都立高校改革推進計画・新実施計画」(2016年2月)に決定していた。学科は理数教養系と語学教養系(=第二外国語必修)で、どちらも海外進学コースを設置する。インターナショナル・スクール等との交流や、大学・外資系企業との連携等国際色豊かな教育環境を整備できる立地条件を満たす港区白金に、できるだけ早期の開講を目指すとのこと。

都立白鴎高校・附属中学校の教育内容の充実に係る検討委員会報告について

 開校から10年が経過したこの学校も、「都立高校改革推進計画・新実施計画」において、教育内容の充実を決定していた。国際交流、英語教育の充実、帰国生徒や外国人生徒の受け入れなどを行い、国際色豊かな学習環境を実現する。そのための基本方針、教育課程の考え方、入学者決定方法について検討した結果の報告だと言い、報告のはじめは大学合格実績(東大5,東京外大3,芸大2…)と実用英語検定取得率(中3生:3級以上97.5% 準2級以上90.0%)。成果を強調する。教育の具体的取組では、伝統・文化の理解教育として学校設定教科「日本文化概論」の発展を、ダイバーシティ(多様性)教育としてオリンピック・パラリンピック教育の活用等を挙げる。入学者選抜においては、帰国子女(ママ)及び外国人の募集枠を新たに設置。これまでの特別枠については廃止も含め見直しをするとのこと。

 白鴎高校・附属中学校、新国際高校について各教育委員は「立派なビジョン」と絶賛し、「課題は、教員の教養・スキル養成」と発言。この2校とも、都教委のエリート育成施策の一環である。ダイバーシティを掲げる白鴎高校・附属中学校だが、先日の卒業式の朝、チラシまきをした人達によると、「教員も生徒も受け取りは悪かった」という。都教委公認の、底の浅いダイバーシティ教育がなされているということか。

E堽高校の現状把握に関する調査の結果について

 この調査は1996年から5年毎に行っているという。
ア.都立高校に対する印象は、着実に向上している。都民の場合、「よい・どちらかと言うとよい」が1996年度は32.0%、2011年度は37.2% 2016年度は45.9%。中学生保護者の場合、「よい・どちらかと言うとよい」が2011年度は57.6% 2016年度は69.7%(回収率は都民が38.4%、中学生保護者が53.8%)。

イ.都立高校生の評価は、都立高校が自分の期待に応えていると感じている生徒の割合が2011年度と比べ、増加。授業を理解できていないと感じる生徒の割合は、減少した(2011年度は21.2% 2016年度は16.8%)他(回収率85.5%)。

 かつて評価された都立高の“自由な校風”について、都教委は全否定から出発しているから調査項目にそれはないのだが、いまその評価をしたらどんな結果が出るだろう。

ぁSNS東京ルール」の成果と今後の取組について

 2015年11月に「SNS東京ルール」を策定し、「SNS東京ノート」を全児童生徒に配り、モラル推進校を指定して取り組んできた。その結果、「家庭等でルールを決めている」割合は、小中高・特別支援学校ともに上昇した。インターネット利用時において、トラブルや嫌な思いをした経験も減少したと、成果を強調。これからの重点的取り組みとして、主体的に学ぶ情報モラル教材の提供を、「LINEとの連携によるSNS東京ノートの改善」で、困ったときに相談しやすい環境の提供を「都教委独自のアプリ・ウェブサイトの提供」で行うとのこと。報告を聞いていて私は、ルール、モラル、道徳観のたたき売り・押し売りを感じた。これを「主体的に学ぶ」と言ってはいけないだろう。

ァ岷儻貘次焚松痢法彁業における事業者、施設名称及び事業概要について

 グローバル社会に生きる自分を発見する体験型英語学習施設「英語村(仮称)」について、以下決定。
施設名称:TOKYO GLOBAL GATEWAY
事業者:株式会社TOKYO GLOBAL GATEWAY
構成員:株式会社学研ホールディングス 株式会社市進ホールディングス 株式会社エデューレエルシーエー 一般財団法人英語教育協議会 株式会社博報堂
開設場所:タイム24ビル(江東区 ゆりかもめ「テレコムセンター」駅から徒歩2分)
都による財政支援:施設賃料全額及び、開業前の使節改修経費の2分の1を支給
開業予定:2018年9月
料金:半日コースで2400円、1日コースで4800円。小学校から高校の団体利用優先。

 <かなり大きな予算>を<特定の民間業者>に丸投げし、公然と市場を作ってやる。とんでもないことだ。2020オリンピック・パラリンピックと同様、税金の使い方としてまず、許されない。しかし、教育委員からは、この点についての発言はなかった。委員から出されたことは、「料金が高いのではないか」「いや、それ(料金が高い)だけの価値がある体験内容だ」(教育長)、「都の事業だから、都から人を出せたらよい」というものであった。

 ここに投じる税金・教育予算は、本来は各学校に配り、すべての子どもたちに使われるべきものである。すべての子どもたちに行くべき教育予算を、都教委が目玉とするこうした事業、エリート育成事業に使うのは許されることではない。しかし、その意識が都教委にも教育委員にも全くない。

 都教委が次々に打ち出す施策、その実行は十分な論議検討がなされたとは思えないものばかり。あまりに性急で暴走する。傍聴していて、そう感じる。


Created by staff01. Last modified on 2017-03-26 13:08:05 Copyright: Default

このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について