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避難指示解除に不安の声が集中〜南相馬市避難指示解除にむけた市民説明会湯本雅典
政府の原子力災害現地対策本部は今月13日、南相馬市の小高区、原町区の帰還困難区域を除く地域(居住制限区域と避難指示解除準備区域)に出されている避難指示について、早ければ7月1日に解除したいとの考えを市議会の全員協議会で示した。そして、桜井南相馬市長は22日、今月25日の市議会との意見交換を経て27日にも国に対して避難指示解除に関する協議入りの申し入れを行う考えを示した。 市長がこの考えを示したのは、5月15日から22日の間で4日間にわたって開かれた「避難指示区域解除に向けた避難指示区域内市民説明会」終了後の記者会見の場である。私は3回めと最終日の2回参加したが、積極的に避難指示解除を望む意見は一つもなかった。市長の判断が市民説明会を反映したものかどうかは、甚だ疑問である。
私が参加したのは5月21日と22日の市民説明会だ。両日とも会場は満杯となった。そして両日とも終了時刻を2時間近く越える会となった。これだけみても、市民がいかに真剣なのかがわかる。説明会で市長に「アンケート調査をしてください」と力強く発言した女性に「説明会」の後話を聞いてみると、涙を流しながら「とても苦しいんです」と語った。 この説明会の報道は、東京新聞と一部マスコミが福島版で流れたのみである。南相馬市に限らず、来月から来年3月にかけて集中している避難指示解除の動き、葛尾村(6月12日解除)、川内村(6月14日解除)、川俣町山木屋地区(8月解除の方向)、飯舘村(来年3月解除方針)の情報も県外にほとんど発信されていない。しかし、現実には当該の避難者は相当の不安をかかえているのだ。 「説明会」の後、避難指示解除予定のJR小高駅(現在休止中)周辺を歩いた。私が昨年6月に来た時より驚くほど整備され、フレコンバックもどこかに運び去られていた。一時帰宅の人にも出会った。しかし、山林やため池の線量はどうなのか、子どもたちを戻せる環境なのかは疑問腑がついても仕方がない状況であることは間違いない。(取材:5月21日、22日) Created by staff01. Last modified on 2016-05-24 23:58:18 Copyright: Default |