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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(4/14) : 卒業式「君が代」不起立処分第2弾を強行
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●根津公子の都教委傍聴記(2016.4.14)

卒業式「君が代」不起立処分第2弾を強行

 公開議題は 屐愿豕都教育ビジョン(第3次)』の一部改正について」の議案と◆嵳菁度使用都立高校用教科書の採択について」の報告のみ。

 懲戒処分は非公開議題の報告にはあがっていたが、議案にはなかった。3人の卒業式処分が決められた前回定例会の3月24日に卒業式があり、「君が代」不起立を貫いた石神井特別支援学校教員のTさんに対する処分は、次回以降の議案にするということか、と思っていたところ、15日に処分発令がなされた。不起立連続10回目で、4回目以降、そして今回も減給1ヵ月処分だった。間違った指示には従わない、子どもたちを戦場に送ることには加担しない。「君が代」不起立は、そうした思いからの行動である。

 「君が代」処分について最高裁は2012年、「(起立・伴奏を求める)職務命令は憲法19条に違反するとはいえない」としつつも「戒告を超えるより重い処分は違法」とし、都教委から減給1ヵ月以上の重い処分を受け、処分取り消し訴訟をした人たちのうち、私一人を除いて、処分が取り消されてきた経過がある。それなのに、Tさんに対して都教委は減給処分を7回出し続けてきたのだ。私たちは都教委の処分に強く抗議する。

 崚豕都教育ビジョン(第3次)」の一部改正について

 昨年4月、首長が教育に口を出す教育委員会制度に変えたのを受け、舛添都知事は3回(と思う)の総合教育会議を開催し、昨年11月に「東京都教育施策大綱」を策定した。その大綱は、「東京都教育ビジョン(第3次)」(2013年4月策定)が柱とした「知」「徳」「体」「「学校」「家庭」「地域・社会」の6つの柱に、知事の意向で「オリンピック・パラリンピック教育」を加えたというもの。オリンピック・パラリンピック教育を入れた「大綱」と整合させるために、「東京都教育ビジョン(第3次)」にオリンピック・パラリンピック教育を入れるというのが、一部改正という今回の議案であった。知事がオリンピック・パラリンピック教育を打ち出すや、都教委がその実施に向けて疾走してきたことは、昨年度の都教委定例会の議題となり、傍聴報告に記してきたとおりである。それを網羅して1冊の「東京都教育ビジョン(第3次)」にまとめたのだ。次期「東京都教育施策大綱」の策定が2年後なので、「ビジョン(第3次)」の計画期間は2年間という提案であった。 そして、今年度は小学校から高校まで東京のすべての公立学校で、オリンピック・パラリンピック学習読本やDVD教材、英語教材「Welcome to Tokyo」を使った授業や全員参加のボランティア活動等の取り組みが年間35時間も課せられた。学習読本等を3月末までに学校に送り、4月から取り組めという施策はあまりにも拙速だ。意見の違い以前の問題である。

 通常、学年や全校で新たな取り組みをする場合には、教職員間で学習・議論を重ねるものだ。しかし、都教委はその時間を学校に与えなかった。それは、学校・教職員は都教委の指示通りに動けばいいのだという都教委の意思・ずさんさによるものと思われるが、都教委の中に、拙速ではないかという危惧は起きなかったのだろうか。都教委自体が上(知事)の指示に従うことがすべてであるという、その思考停止が怖い。組織として機能していない。

 「オリンピック・パラリンピック教育重点校」(100校)はさらに多くの取り組み(負担)が課せられ、すでに走り出させられ、子どもたちが動員させられている。

 「一部改正」案の提案説明者は冒頭、「オリンピック・パラリンピック教育が目指すことは、教育が目指すことと同じです」と切り出し、以下、オリンピック・パラリンピック教育を新たに加えた意義や都教委の教育施策――私から見れば、これまでの、エリート育成・ノンエリート切り捨ての施策、個の人格的成長ではなく、指示命令に従う人材育成(「社会の一員としての自覚と行動力」)の施策――を云々した。

 説明を受け、5人の教育委員のうち4人がコメントなのか感想なのかを一言ずつ述べたが、いつもながら、およそ議案を検討し議決するという発言ではなかった。

 ただ一人、木村教育委員は「2年で成果が出るのだろうか」と発言したが、それで終わり。そう懸念したのならば、きっちり議論を提起すべきであったろう。それが、教育委員の仕事であろうに、それはしない。そして、この議案は可決された。

 オリンピック・パラリンピック及びその教育にかける税金は、子どもの貧困や福島原発被災など、今深刻な状態に置かれている人たちの救済に回すべきものだ。そう思いながら、私は傍聴した。

 乙武氏が杉並区の教員であった当時も教育委員であった当時も、例の「不倫」問題は起こっていたということだ。ならば発覚した今、当時にさかのぼって都教委は懲戒処分を審議する必要がある。任命権者としての責任を問う必要もあるのではないか。都教委は教職員の懲戒処分については、発覚した時にさかのぼって処分しているのに、教育委員である特別公務員はその対象外という理解なのか。


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