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LNJ Logo 「アジア記者クラブ通信」271号発行〜特集:新たなファシズムと迎合するメディア
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★「アジア記者クラブ通信」271(4月)号・目次&リードセンテンス
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★特集:新たなファシズムと迎合するメディア
 本邦初訳の文章ばかりです。

■定例会リポート(2015年1月21日)
原子力ムラの復活にどう立ち向かうのか
映画『日本と原発』の監督に聞く
河合弘之(弁護士)

 昨年11月に公開された映画「日本と原発」の反響が静かに広がっている。商業作品
ではないため大手の上映館にはかからないが、有料上映会が各地で開催され、2月10
日には法廷に登場するという画期的な事態もみた。愛媛・伊方原発の差し止め訴訟で証
拠として提出され、30分の短縮版に裁判官らが見入った。本編は2時間15分にもな
る長大なドキュメンタリー・フィルムを監督したのが弁護士であることも例を見ないだ
ろう。東電株主代表訴訟の弁護団長、脱原発弁護団の全国連絡会議の共同代表を務める
など、脱原発に法律面から関わっている河合弘之弁護士。司法の第一線に立つ傍ら、映
画製作の難事業に取り組んだ河合さんに、日本の原発を取り巻く状況とフィルムメーカ
ーとしての仕事についてうかがった。(編集部)


■2月定例会リポート(2015年2月18日)
東京新聞は総選挙をどう報じたのか 
論点明示報道と新聞の可能性
瀬口晴義さん(社会部長)
吉田昌平さん(政治部デスク)

 2015年度予算案が衆院で“粛々と”可決され参院へ送られる(4月上旬成立予定
)など、安倍“一強”体制の下、通常国会の前半は政治とカネの問題を除いて波乱もな
く進行している。「大義なき」解散総選挙は安倍政権への信任というお墨付きを得るた
めに行われ、15年度予算の成立遅れをもたらした。与党・自民党によるテレビ各局へ
の圧力的要請も発覚した選挙報道にあって、「論点明示報道」として注目されたのが、
原発報道で市民の支持が広がっている東京新聞(中日新聞東京本社発行)だった。「こ
の道しかない」と叫んで突っ走った安倍政権が断行した国政選挙を、東京新聞はどう報
じたのか。瀬口晴義社会部長と政治部の吉田昌平デスクをお招きし、「論点明示報道と
新聞の可能性」について、舞台裏もまじえて語っていただいた。(編集部)


■米国はなぜ「悪」を必要とするのか                
新たなファシズムの台頭(2)
ジョン・ピルジャー(ジャーナリスト)

 プーチン露大統領に「悪の象徴(symbol of evil)」の紋章を貼った米英は主流メデ
ィアから欧州の極右・ネオナチまでを総動員し、新たな「スターリングラードの戦い」
をエスカレートしている。筆者は本稿でベトナム戦争での従軍記者時代に既に台頭して
いたワシントン主導の新ファシズムをさまざまな事例を挙げて解説しているが、特に直
近のウクライナ情勢を重視する。西側と一括される欧米諸国は、英国の欧州連合(EU
)離脱の動きに見られるようにドイツが盟主となったユーロ圏諸国と非ユーロ圏・米英
の利害は水面下で対立を深める。対ロシア政策でも亀裂が生じている。こんな中、3月
22日に露サンクトペテルブルクで英国国民党、仏国民戦線、独国家民主党をはじめ欧
州の主要な極右政党・団体がロシアの非主流派民族主義者団体と交流し、プーチンとロ
シアを礼賛した。米英の一部有力紙はこれを大きく報道し、その資金源はクレムリンだ
と示唆した。筆者ピルジャーの言葉をもじれば「悪魔プーチンを陥れようとする狂気と
メディア」の悪臭が漂っている。(編集部)


■世論調査結果も「クリミア併合は妥当」              
ロシア非難の異常さ浮き彫りに
コンスタンチン・コサレツキー(ジャーナリスト、ウクライナ)

 沖縄の米軍普天間基地の県外移設を口にしてパージされた鳩山由紀夫元首相はクリミ
ア現地を訪ねて「2014年3月の住民投票とロシアへの再編入」を妥当として高く評
価した。日米両政府とメディアは即座に鳩山氏を「狂人扱い」し、一斉攻撃を加えた。
住民投票による分離・独立は国際法上も「民族自決の原則に照らせば合法」との見解が
有力で、実際、プーチンを巨悪に仕立て上げ対露制裁を重ねた米国とその“同盟”諸国
はソ連崩壊直前の当のウクライナ、そして(セルビアからの)コソボ、(グルジアから
の)南オセチアとアブハジアの独立を同じ法理に基づき承認している。かつて「戦後民
主主義の旗手」を自称して化けの皮がはげて久しい日本のメディアはまたしても右傾化
の時流にここぞとおもね、米英主導のプーチン非難の大合唱の輪に入っている。本稿は
ドイツの社会調査機関のウクライナ支部が2015年1月に実施したクリミア住民への
世論調査結果が住民投票結果と完全に一致していることを論証した貴重なデータである
。筆者は新ファシズムの狂気とそれを煽るメディアの頭上に冷水を浴びせている。(編
集部)


■「マレーシア航空機はウクライナ空軍機が撃墜した」
化学兵器使用も内部告発で明らかに
コムソモーリスカヤ・プラウダ紙のインタビュー(ウラジミール・スゴルキン、ドゥミ
トリー・ステーシン、ニコライ・ヴァルセゴフ)

 「マレーシア航空機は不適切な時刻に不適切な空域を飛行していた」。ウクライナ空
軍関係者と推察される人物がロシア紙編集部を訪ねて、昨年7月に起きたマレーシア航
空機撃墜事件の核心部分をこう証言した。撃墜したパイロットの名前は、ウクライナ空
軍のウラディスラフ・ヴォローシン大尉。「秘密の目撃者」は、撃墜事件の現場に立ち
会った生々しい証言に加え、ロシアへの責任転嫁を含めた政府の偽装工作を告発し、ロ
シア系住民の多い東部地域への空爆で白リン弾などの化学兵器を使用していたという衝
撃的事実を暴露する。軍内には緘口令が敷かれ、違反すれば抹殺されるという。内部告
発者は、ウクライナ政府が引き起こした戦争を同胞合い撃つ誤った戦争だと批判する。
(編集部)


■ウクライナ市民が米国大使館に抗議行動             
警察国家・米国は情報遮断に躍起
エリック?ズエス(歴史調査専門家)

 問い「なぜ米国ではクーデターが起きないのか」。答え「米国大使館がないから」。
解放の神学者リヴァージュ・イェスル神父の言葉だ。クーデターで合法政権が倒されて
から1年が経過したウクライナで、首都キエフの厳重に警備された米国大使館を包囲す
る形で市民数千人が抗議行動に訴えた。政変の司令塔が米国大使館だからだ。ウクライ
ナでは右翼以外の集会・結社の自由はない。米国は、インターネットの遮断など情報が
外部に漏れないように躍起である。西側メディアも沈黙したままだ。勇気をもって立ち
上がった市民の姿を独立メディアが伝えた。(編集部)


■メルケル首相に日本を諭す資格なし               
歴史修正しネオナチ支える独政権
フィニアン・カニンガム(ジャーナリスト)

 1985年のヴァイツゼッカー西独大統領(当時)のあまりに有名な演説に象徴され
る戦後ドイツのナチズムという過去に向き合う“真摯な姿勢”は敗戦を終戦と頑なに言
い換え続けてきた戦後日本の歴代政権の不誠実さと対比的に語られてきた。だが、筆者
は3月上旬に来日したメルケル首相が日本に「過去と向き合え」と諭したのは偽善だと
痛烈に批判する。ドイツ現政権が米主導のウクライナでの政権転覆と対ロシア制裁に加
担したこと、メルケル首相が5月9日のモスクワでの対ナチスドイツ戦勝70周年記念
式典への出席を事実上ボイコットしたのをその根拠として挙げる。本稿は戦勝国の盟主
である米国との「同盟」という鎖に繋がれ、新ファシズムの輪に組み込まれたドイツ現
政権の歴史修正への動きを告発。同時に、第2次大戦での自らの戦争犯罪を省みない覇
権国・米国の姿勢を断罪する。(編集部)


■中国は米国主導の戦後体制を崩せるのか             
議論沸騰のAIIBへの視点
シャノン・ティエッツィ(中国ウォッチャー)

 2013年の習近平体制発足直後に中国が満を持して公表したアジアインフラ投資銀
行(AIIB)構想を巡る論議が沸騰している。英国が3月初め、欧米諸国、とりわけ
G7の中で初めて参加表明して堰を切ったように親米国から中国主導の国際金融機関へ
の参加表明が相次ぎ、3月末に締め切られた「創設メンバー国」は50カ国近くを数え
た。正式発足予定の2015年末までには日米主導とされながらも、実質は米国が取り
仕切るアジア開発銀行(ADB、本部マニラ)の規模に迫るのは必至の勢いだ。論議の
的は「AIIBが米国主導の戦後国際金融体制を本格的に揺るがすか否か」にある。本
稿では「親米国ができるだけ参加することが中国にAIIBを独占支配させないための
最善の方法」と提案されている。アヘン戦争を仕掛け中国に「屈辱の100年」をもた
らした元凶・英国の参加は徹底警戒するが、表向きは歓迎を装う。これが習政権の本音
であろう。筆者が指摘するように「AIIBは1つの地域の国際金融機関設立を超えた
大きな問題」なのである。(編集部)


■中国共産党統治は本当に黄昏を迎えたのか?           
シャンボー論考への反論(1)
ピーター?リー(中国ウォッチャー)

 本稿は米ジョージワシントン大学のシャンボー教授が2015年3月6日付米ウオー
ル・ストリート・ジャーナル紙(WSJ)オピニオン欄に寄稿した論考「迫りくる中国
の崩壊」への反論である。話題沸騰の感がある中国主導のアジアインフラ投資銀行(A
IIB)への不参加が象徴するように米国は孤立し、台頭した中国の力の前にその覇権
をさらに衰退させているとの見方が広まる中、シャンボー氏の「中国共産党統治が黄昏
を迎えた」との主張は親米・反中陣営を大いに鼓舞している。筆者リー氏は独特の難解
な表現を駆使しながら、「中国の習政権の立場から米国主導の世界の動きはどう見えて
いるか」との問題意識に依拠しつつ、米国支援の「アラブの春」、「ウクライナ政変」
、「イスラム国台頭」はいずれも中国のユーラシア大陸とその周縁地帯の防衛戦略でも
ある新シルクロード経済圏(一帯一路)構想を阻止しようとする米国の策略の産物と断
じる。特に、昨年2月のウクライナ政変が中国の南シナ海領有の既成事実化を一層促進
させたとみる。(編集部)


■伊藤孝司の平壌日記

■山崎久隆の原発切抜帖

■書評:太田昌克著『日米〈核〉同盟 原爆、核の傘、フクシマ』(岩波新書)

■書評:常岡浩介著『イスラム国とは何か』(旬報社)


★★★購読方法(会員制です)
年12回発行40頁/年会費(購読料)5000円
郵便局の下記振込専用口座にお振込み願います。
加入者名:アジア記者クラブ/記号:00180-4-709267
※所属、メールアドレス、電話番号の記載もお願いします。

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