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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(11/26)〜「SNS家庭ルール」に乙武委員が異論!
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●根津公子の都教委傍聴記(2015年11月26日)

「SNS家庭ルール」に乙武委員が異論!

 公開議題に議案はなく、報告が5点。 SNS東京ルール」の策定について ◆崚堽高校改革推進計画・新実施計画(案)」の骨子について E堽小中高一貫教育校基本構想検討委員会の最終報告について ぁ崚豕都発達障害教育推進計画(案)」の骨子について ノ川学園特別支援学校(仮称)の開校予定年度の変更について であった。´い廊△納茲蠑紊欧討い襪海箸任發△辰拭なお、今日の定例会に先立ち、都知事が昨日の定例記者会見で2017年度までに優先的に取り組む「教育施策大綱」を発表した。その内容は 銑い判鼎覆襪發里世辰拭「最終的には私(知事)の判断で…まとめ」たという。名実ともに、教育の政治からの独立がなくなったことを印象付ける。

 前回の報告で、「都教委の教育政策がますます、差別選別・弱肉強食・自己責任の新自由主義教育になっている」と記したが、今回も、それを増殖させる報告ばかり。本当に恐ろしい。

 SNS東京ルール」の策定について

 都知事は記者会見で「SNSを使う時間が長ければ長いほど学力が低下する…いじめの温床にもなっている」から「ルール作りをしたい」のだと述べた。定例会で指導部はアンケート調査結果をもとに、「1日1時間以上利用しない」などの「SNS学校ルール」「SNS家庭ルール」を決める取り組みをすると報告。

 それに対して乙武教育委員が、「家庭での過ごし方にルールを作っていいのか、マナーではなく。この手法、いまさらの感がある」。頷けた。

 他の教育委員は「ルールは必要」と発言した。4人の教育委員・教育長は、ルールで意識変革がされるとでも思っているのだろうか。卒業・入学式での「日の丸・君が代」の刷り込みに象徴されるように、考えさせず、指示に従わせることを教育と言ってはばからない教育委員には、「ルールは必要」となるのだろう。

 ところで、木村教育委員の姿は、定例会が始まった時点ではなかった。同教育委員がかばんを持って現れたのは10時13分。遅れたことに一言も詫びをしないのは、教育委員のルールなのだろうか。

↓について

 「都立高校改革推進計画・新実施計画(案)」はこれまでよりも一層税金を投入し、「エリート校」をさらに推進するというものだ。例えば理数イノベーション校の充実、中高一貫校のうちの1校を理数アカデミー校に指定(大学や研究機関と連携して最先端の実験・講義を受講)、進学重点校のうちの1校に医学部等に進学希望の生徒を集めて3年間一貫した育成プログラムを実施、今年度指定した「東京グローバル10」指定校に加え、進学指導重点校や中高一貫校等から英語教育推進校を指定、するなどだ。

 また小中高一貫校を新たに設置し、「世界を舞台に活躍できる人材の育成」を目指すという(2022年開校)。ほとんどの委員が中高一貫校を肯定しながらも「中高一貫校から育った生徒は非常にひ弱である。競争原理になじめず、ドロップアウトする生徒が生まれている。このカテゴリーからなじめなければ他に自由に移ることができるシステムを作ることが必要」と発言した。乙武委員は「大学進学率を度外視すべきだ」とまで発言した。中高一貫校の弊害を暗に認めていると言えるのではないか。この弊害をさらに低年齢層(小学生)まで下げるというのだ。中高一貫校で崩れた義務教育学校が、小中高一貫校になって完全に崩れることになる。

 一方、「底辺校」では、夜間定時制高校を閉課程にしてチャレンジスクール、昼夜間定時制高校を拡大する、工業高校をデュアルシステム科(企業の求める人材育成)、エンカレッジスクールに改編するなど。こちらには金をかけてはいない。

 教育委員は定例会で「日本の子どもは自己肯定感を持つ子が少ない」と言うが、これほどの序列化をしていたら、子どもたちが自己肯定感を持ち得るはずがないだろう。

ぁ崚豕都発達障害教育推進計画(案)」について

 特別支援学級をすべての小中学校に設置していく方向を打ち出している。「発達障害」の子どもの在籍率は小学校6.1%、中学校5.0%、高校全日制1.2%、高校定時制11.4%という。この数字について、「(高校で)減少しているのはなぜか」と乙武教育委員が質問したことに対し、担当者は「子どもに適応力がついていくから」。考えの違い以前の、なにも理解していない答弁だった。乙武教育委員は「学力がついていないので淘汰されたか、はじき出されたと考えるのが普通でしょう。知的に問題がないのに学力がつかないのは、持てる能力を伸ばすことができないということ。通常学級の在り方を考えることも大事」と締めくくった。

 乙武教育委員の考えと同じかどうかはわからないが、通常級の在り方を考えることこそ、大事だと私も思う。いろんな違いを互いに認め合って生きることができる社会にならなければ、差別がなくなることはないだろう。特別な支援をすることと、特別な支援を要する子どもだけを集めて隔離することはまったく異なること。混同してはならない。特別な支援ができるように、1クラスの定数を下げるとか、複数指導体制をとるとか、子どもと向き合う時間を教員に与えることが必要なのだ。同じ空間・社会の中で、ともに生活する・育つことで、はじめて差別意識の解消につながる。そうでなければ、ともに生きる、豊かな人間関係を築くことはできない。  隔離・差別と同じ地平に競争主義・弱肉強食があるからこそ、競争主義・弱肉強食が正当化されるのだ。だから、権力を持つ者は美辞麗句を使って隔離・差別政策を手放そうとはしないのだ。

 今日の定例会では、報告に対し随所で異論が出された。異論があることの表明がなされたのは一歩前進か? しかし、一言発言で済まさずに、違いをしっかり論議してほしい。違いを擦り合わせることによって問題点が浮き彫りにされ、教育行政のあるべき姿が見えてくる。それが、教育委員の仕事のはずだ。


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