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戦争法案を廃案に!大阪集会に2万5千人〜創価学会員も「廃案目指す」

                黒鉄好
 8月30日、戦争法案反対の行動は大阪でも取り組まれ、会場となった扇町公園には主催者発表で2万5千人が集まった。公園内も、公園最寄りの大阪環状線・天満駅も人であふれかえった。

 午後4時から始まった集会では、主催者あいさつの後、民主、共産、社民の野党3党があいさつ。辻元清美衆院議員(民主党)は「私は、今、安倍総理に一番嫌われている国会議員だろうと思う。だが私はそのことに誇りを持っている。今日の集会後、ただ「しんどかったわ〜」で終わるのではなく、ここにいる参加者全員が、少なくとも10人に働きかけてほしい」と参加者に法案反対の働きかけを強めるよう訴えた。

 続いて、辰巳幸太郎参院議員(共産党)は、「イラク復興支援として現地に出向いたのは7割が企業関係者など民間人だった。戦争法案が成立すれば、港湾、航空、運輸など多くの民間労働者も戦地に送られ、また戦争への協力を強いられる。これこそ経済的徴兵制だ」として、政府与党が戦争法案で「徴兵制復活はあり得ない」などとしていることに対し反論。戦争法案の危険性を訴えた。

 又市征治参院議員(社民党幹事長)は、「違憲の法案をいくら審議しても合憲になるわけがない。廃案しかない」と、改めて戦争法案廃案への決意を表明した。

 ここで、おそらく予定外であったと思われる「ゲストスピーチ」。発言者が紹介されると会場からどよめきが起きた。現役創価学会員の女性2人が登壇。ひとりはマイクを握り、もうひとりは創価学会のシンボル、三色旗を高く掲げて(写真)。

 マイクを握った学会員の女性は、牧口常三郎・初代会長、戸田城聖・第二代会長が現在の平和を築くため、どれだけの努力と苦労を重ねてきたかについて述べた後、一気に法案への思いを訴えた。

 「(公明党は)法案への理解が深まっていないというが、私たちは法案をきちんと理解しているからこそ反対している。安保法案で自民党に追随することは、SGI(創価学会インターナショナル)が戦後、追い求めてきた平和の理念を覆すもの。安保法案の廃案を願っており、絶対廃案を目指す。皆さんも学会員に働きかけてほしい」。

 女性がこのように述べると、会場から大きな拍手が湧いた。辻元議員は「学会員のスピーチが一番拍手が大きかった」と述べているが、これは私も現場にいたから間違いない。

 牧口初代会長は、戦時下の1943年、伊勢神宮の神札を祭ることを拒否したため、治安維持法と不敬罪により逮捕、投獄され、翌1944年、収監先の巣鴨拘置所で獄死している。初代会長を弾圧し、奪った軍国主義、戦争と対決することは創価学会員にとって原点のはずである。与党の地位を維持するため、下駄の雪のように自民党に追随する公明党、創価学会指導部に対し、多くの心ある学会員が声を上げている。

 集会中、不思議なできごともあった。この日の大阪市は、朝から時折、小雨のぱらつく空模様だった。集会が始まるころ、ようやく雨があがったが、どんよりした空は相変わらずだった。だが、この学会員女性がスピーチをしているとき、ほんの一瞬、雲の切れ間から陽が差した。女性のスピーチが終わると、再び太陽は雲間に隠れ、以降、集会が終わるまで二度と姿を現すことはなかった。

 参加者が全員で「戦争アカン」と書いた紙をいっせいに掲げアピールした後は、落語家の笑福亭竹林さん、元大阪市小学校長会長、日蓮宗の僧侶など各界各層の人たちが次々と演壇に立った。安倍「独裁」と戦争法に反対する闘いが、あらゆる人々の間に広がっていることを改めて印象づける集会となった。

 普段であれば、集会・デモを申し訳程度に小さく報道した後で、居丈高に市民を威嚇する安倍の肉声を垂れ流すNHKニュース。だがこの日はキャスターが谷垣自民党幹事長の発言内容を読み上げるのみで安倍の肉声も流さなかった。闘いに確信を持ち、ますます意気盛んな10万人の大デモ隊に、安倍も「安倍さまの犬HK」も恐れおののいている。

 戦争法案は当初、お盆前にも成立が狙われていたが、市民の闘いで8月中の採決を阻止した。会期末まで1ヶ月を切っており、週末、「シルバーウィーク」の連休などを除くと、実質的な国会会期は約半月程度しかない。野党とその支持者だけでなく、公明党の支持母体、創価学会にまで広がった闘いは、戦争法案粉砕のゴールが見え始めるところまで安倍政権を追い詰めた。(筆者は北海道在住)

*大阪集会の写真は辻元清美議員のブログよりお借りしました。

〔追記〕 この集会の2日前、8月28日には札幌市で行われた「戦争法案反対フライデーアクション」に参加した。札幌では毎週金曜、このアクションが連続して行われている。北海道庁前でも毎週金曜日には、首相官邸前に呼応して反原発行動が行われており、この日は通算162回目の行動だった。参加者は約200人。札幌市中心部・大通公園で集会後、若者たちの「戦争させない、憲法守れ」「解釈変えるな、総理を変えろ」「安倍は辞めろ」のコールに合わせてデモ行進した。デモ隊は、自民党北海道連前で解散すると、そのまま隣接する道庁前で反原発を訴えた。


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