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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(7.9) : 請願権は事実上、都民にはない?
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●根津公子の都教委傍聴記(2015.7.9)

請願権は事実上、都民にはない?

 公開議題は議案が特別支援学校の新設について、報告が都立中学校(中高一貫校の中等教育学校、特別支援学校中学部を含む)教科用図書選定審議会の答申について。非公開議題はいつもながら議案・報告ともに懲戒処分。ここでは、教科用図書選定審議会の答申について報告する。

 中学校教科書採択の手続きの1つとして、都教委が検定を通ったすべての教科書についてその記述を調べるよう審議会に諮問していた「教科書調査研究資料」の答申が、前回の定例会で報告された。今日は、それをもとに、各中学校の特色を考慮して作成したという各学校ごとの「教科書調査研究資料」及び「教科書採択資料」について、審議会で「適切」と答申されたとの報告で、その資料が示された。

 資料は都教委の教育目標及び各学校の基本方針を考慮して作っているというものの、各学校の基本方針は都教委に縛られているから、独自性など見えず、どの記述も各学校ほとんど変わらない。これを作る意味が感じられなかった。

 この報告の中で、都立中学校の教科書採択に関する25件・2170名の請願があったことが報告された。請願の趣旨は、≪ア.教科書の採択に当たっては、当該校の意向を尊重すること イ.当該校の意向尊重のための制度的保障を検討すること ウ.憲法を軽視し、過去の戦争を肯定するような教科書を学校に押し付けないこと エ.採択に当たっては、それぞれの教科書を選んだ理由を明らかにすること≫。2001年度から都教委が扶桑社、自由社、育鵬社の社会科(歴史分野・公民分野)教科書を都立中学校の生徒たちに使わせてきたことから、それを改めよという請願であった。

 この報告に対し、遠藤委員が「請願の取り扱いについて、法的位置づけはどうなっているのか」と質問した。対して、事務方の回答は、「請願の内容が初めての場合は教育委員(会)で検討するが、過去に同趣旨の請願があったものについては検討せず、教育長等が回答する」。したがって、この25本の請願は全く検討されずに、受領印だけが押されただけ。かたちだけの請願権。都教委は都民の請願を握りつぶし続けてきたのだ。

 昨年の定例会で実教出版高校日本史教科書について出されていた請願が検討されずに「否」とされたときにおかしいとは思ったが、こんな取り決めがあったとは知らなかった。

 都教委が扶桑社版社会・歴史分野を採択したのは2000年、これを採択した時の教育委員は全員退任したというのに、それ以降の同趣旨の請願について検討しない(しなかった)というのは、都教委は亡霊の支配するところか。それを、「都教委の責任と権限」と声高に言うのか。現教育委員は、どうしてそれに異議を唱えないのか。各教育委員の存在を否定されているというのに。

 事務方の回答に続けて中井教育長は、「資料を参考にして採択する。請願については事務局対応で」とまとめたが、質問した遠藤委員も他の委員も沈黙で通した。不文律があるかのように。

 今日の欠席は山口委員。Fさんは今日も傍聴を認められず。


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