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【女たちの平和 6.20国会ヒューマンチェーン】

1万5000人の赤く燃えた願い〜「戦争法案 今すぐ廃案」議事堂に響く

                     笠原眞弓

 地下鉄を出ると、真っ青な空。三角の白い議事堂、赤い服の女性たち。美しい。長年の活動仲間の顔が見え、なんとなく嬉しい。スピーカーからは、正門前から横湯園子さんの開会の挨拶がクリアに流れてくる。なかなかの装備だ。チラホラと、男性参加者も見られ、彼らも赤いものを身につけている。

 戦争は、人権侵害だと第一声。父親が戦争に行き、27歳で戦死したと話し始め、ご自身の経験から、「いい戦争はない」と締めくくった。wamの渡辺美奈さんは、集団的自衛権は、認められない。安倍政権がこれまでやったり、言ったりしてきたことは、すべて受け入れられないと力強く述べ、慰安婦だった方たちが「再び私たちのような被害者をつくってはいけない」と伝言した。そして、今日の6月20日をどのように歴史に刻みたいか、と投げかけた。

 女性の労働問題に取り組んでいる伊藤みどりさんは、安倍政権は「女性の活用」などと言っている同じ口で、一生派遣の危険のある法案を昨日、審議不十分のまま衆議院を通した。参議院も通ったら、これまで勝ち取ってきた女性の権利などが無になると、悔しさをにじませた。

 民主党の辻元清美議員は、切羽詰まった思いは、みなさんと同じ。今審議している委員会に女性は、2人。戦前は女性が居なかったから、あゝこういう風に、戦争に突き進んだんだなぁと、実感している。党派を超えて、女性の力で止めたい。このまま行くと、「徴兵制」は、憲法に書いていないから、できるといいだしそうで怖い。なにしろ、全力投球で阻むと約束した。他にも、民主党、共産党の女性議員の挨拶が続いた。

 明日の自由を守る若手弁護士の会の黒沢いつきさんは、再軍備を誰が望んでいるのか、殺されていい命はないという。小さなお子さんのお母さんは、この子たちをただ守りたいだけだと訴えたし、作家の渡辺一枝さんは、私の戦争はまだ終わっていないと戦死した父親を待っている。そして、澤地久枝さんの伝言として、全国で同じ言葉を掲げようと、提案があった。言葉は、「安倍政治を許さない」。横田基地問題に取り組んでいる高橋玲子さんは、関東地域の基地問題、オスプレイの訓練状況などの話があった。

 湯川れい子さん(写真上)は、「知り合いの報道関係者がいらっしゃる。前回、ほとんどのところが報道しなかったから、今度はちゃんと報道してね」と投げかけたあと、戦争になったら逃げられない。54基の原爆(原発は原爆だと)が破裂してもいいのか? 九条は、腕に鎖をかけても守りたいと述べた。学者の5000人の署名を集めている青井未帆さんは、自民党のパンフレットに現れた女性差別に自民党議員が気づかないことが問題という。選挙権のない朴慶南さんは、ヘイトスピーチが跋扈するなかで、これは、選挙への布石ではないか、と危惧した。

 弁護士の角田由紀子さんは、軍部や政府が戦争をしようとしても、国民が踊らされなけばいい。戦争に協力しなければいい。女性が参政権を持って70年、賢く使えば戦争をさせないことができると力強く述べ、励まされた。

 次々立つ人々の、戦争拒否に対する思いのなんと強いことか。それは、単なる理論ではなく、生活に根差した生きた言葉なのだ。それらの言葉は、樺美智子さんの死因の捏造や、33万人の人々を国会前に集め580万人ものストライキ参加者をもってしても実現しなかった60年安保の映像に、鬱々としていた気分を吹き飛ばすには十分だった。

 4回のヒューマンチェーンのコールを務めたのは、先のレイバーネットTVに、ゲスト出演をしてくださった菱山南帆子さん(写真上)。赤い和服に真っ赤なマニキュアが、よく似合う。その彼女のリードで、「女たちは、戦争法案に反対します」「戦争法案今すぐ廃案」など、1万5000人の女性が青空に声を上げた。


Created by staff01. Last modified on 2015-06-21 14:12:06 Copyright: Default

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