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LNJ Logo 石川源嗣のコラム : 日本軍「慰安婦」問題をどう考えるか
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東部労組の石川です。

東部労組機関紙2014年9月号のコラム<二言三言>に下記の文章を掲載しました。


<二言三言>2014年9月号

日本軍「慰安婦」問題をどう考えるか

 先月、朝日新聞は日本軍「慰安婦」問題について、故吉田清治氏による強制連行の証言
は虚偽として記事を取り消すとともに、「慰安婦」と「女子挺身隊」を混同した誤用を認めた。
 これに対する右翼勢力と週刊誌などのネガティブ・キャンペーンはすさまじく、常軌を
逸している。
 たとえば週刊新潮は「全国民をはずかしめた朝日新聞七つの大罪」、週刊ポストは「慰安
婦の大虚報朝日新聞の重罪」といい、橋下徹大阪市長にいたっては、「国家をあげて強制連
行をやった事実がなかったことがほぼ確定した」などと話した。彼らの主張は「『慰安婦』
問題は朝日新聞の誤報・捏造によって作られたもの」で、そのような歴史的事実はなかっ
たということにつきる。
 果たしてそうなのか。
 そもそも慰安婦問題とは、かつての日本の朝鮮などへの植民地支配、中国などへの侵略
戦争の間に、旧日本軍の直接あるいは間接の関与によって、長期に、かつ広範な地域にわ
たって、慰安所が設置され、日本を別にすれば、朝鮮人をはじめ数多くの女性が甘言、強
圧など本人たちの意思に反して、「慰安婦」を強制され、痛ましい生活を強要された事実を
さす(1993年河野洋平官房長官談話)。
 これらの歴史的事実は、安倍や橋下がすがりつく「強制連行はなかった」ことを含め、
多くの被害者による損害賠償裁判での事実認定やオランダ人女性を強制連行して慰安婦と
したスマラン事件、中国桂林での強制連行を認定した東京裁判判決でも立証されている。
 菅官房長官は先日の記者会見でまたも、「強制連行を示す客観資料はない」と強調してい
る。それに対しては、だから何なんだと答えたい。強制連行の証拠がないことを主張する
ことで、慰安婦問題がすべて免罪されるとでも言うのであろうか。そんなことはあり得な
い。
 「問題の本質は、女性たちが戦地で日本軍将兵に性的行為を強要されたことにある。慰
安をしたのではなく性暴力を受けた。兵士の性病まん延防止と性欲処理の道具にされた。
その制度づくりから管理運営に軍が関与していた。それは日本の植民地支配、侵略戦争と
いう大きな枠組みの中で行われたものであった」(神奈川新聞8月10日社説)。
 私たちは目をそむけず、問題を直視しなければならない。(石)


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