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2.9 第二十三回CS神奈川懇話会「リトアニアの原発国民投票」報告

2013年2月9日、川崎市の中原市民館において、市民連帯神奈川懇話会「リトアニアの原発国民投票」を開催しました。ゲストは、「みんなで決めよう<原発>国民投票」リトアニア調査団ら4人の方々で、全体の集会参加者は22人。まず、鹿野隆行さん(神奈川調整委員)が日本の国民投票市民案とリトアニアの国民投票の法制度について、大島ロンさん(「都民投票の会」事務局長)が社民党キルキラス元首相インタビューとイグナリナ原発廃炉事情について、山本雅昭さん(どっきょ君・学生)が街中での調査結果について報告しました。休憩を挟んだ後半では、質疑討論が活発になされ、朴鐘碩さん(日立製作所嘱託所員)が集会アピールを読み上げ全会一致で採択。終了後の懇親会でも議論が尽きず、貴重な交流ができまし た。

昨年10月14日、リトアニアでは新規原発建設の是非を問う国民投票が実施され、反対62%という結果が出ました。ところが報道によれば、当初、社民党ブトケビチュス新首相はこの結果を尊重すると語っていましたが、現在では政府のワーキンググループが今年3月までに代替案をだし、5月までにエネルギー自立戦略を議会へ提示するとしています。他方、労働党は情報開示が不十分だったという理由で2回目の国民投票を主張し、さらにグリバウスカイテ大統領は「国民が騙された」と述べています。また、昨年からリトアニア政府は隣国ベラルーシの反核活動家の入国を阻止。そして、今でも日立はリトアニアへの原発輸出を断念していません。

懇話会では、リトアニアにおける、原発反対意見の内実について論点になりました。2009年の世論調査では73%が原発賛成でしたが、今回の国民投票では62%が新規原発建設に反対。この「逆転」の背景には、フクシマ事故の影響があると推測でき、実際にも取材に応じた全員がそれを知っていたそうです。但し、ビリニュスで行った約500人の調査では、情報開示が不十分なヴィサギナス原発建設に関しては反対だという意見が、比較的多かったとのことです。いずれにせよ、リトアニア市民が投じた反対票の意味が正確に分析されておらず、政治家らが各々の思惑から解釈し利用しているという印象を議論から受けました。そうであれば尚更、フクシマ事故を起こしても原発輸出を官民一体で強行する日本において闘 う私たちが、正確な情報と連帯メッセージを発信する責任を感じます。採択された「集会アピール」(日本語版)は、次の通りです。

リトアニアの大統領・首相・国会議員の皆さん、
そして全ての市民の皆さんへ

昨年10月14日、リトアニアの新たな原子力発電所建設の賛否を問う国民投票において、62%もの人々が反対の意思表明をしたことに対して、日本の私たちは心から敬意を表し強い連帯の気持ちをお伝え致します。

私たちには貴国の政治的状況は分かりません。しかし、大統領と首相および議員の皆さんが、原発建設に反対の意を表した国民の気持ちを、しっかりと受け留めて下さいますようお願い致します。日本のフクシマ事故は津波によって引き起こされたという情報が、世界に伝わっていますが、未だその原因は定かではないのです。そして私たちは、日本の日立製原発が貴国へ輸出されることを望んでいません。

原発と人類は共生できません。原発は一度事故が起こると取り返しのつかない悲劇をもたらし、自然を破壊するのです。人類の英知をもってしても、使用済み核燃料の処理さえできず、何万年も何十万年も、地下深く埋めるしか方法はありません。

どうぞ、未来ある子どもたちへの健康被害が予想される原発を、建設しようなどとは考えないで下さい。それに代わるエネルギー源は他にもあります。経済成長だけを目的にして歩んだ結果、フクシマのような大災害を起こした日本のようにならないこと、その失敗から多くを学び心豊かな生活を送れるように、皆さんが一つになって努力されることを願います。

リトアニア市民と日本の川崎で集会をもった私たちが、連帯して歩むことが出来ますことを祈ります。

2013年2月9日 
「リトアニア原発国民投票」
現地報告集会 参加者一同

報告:佐藤和之(CS神奈川世話人)
【ロシア・CIS・チェチェン】http://blogs.yahoo.co.jp/tocka_jikkoi/64232468.html


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