レイバーフェスタ2013開かれる〜映画「標的の村』ではすすり泣きも | |||||||
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12月21日、東京・港区の田町交通ビル内ホールで「レイバーフェスタ2013」が開かれた。主催は実行委員会。真っ青な冬空が広がる朝。参加者は足早に会場をめざした。サブタイトルは「崖っぷちのニッポン〜いま文化の力を!」。宣伝チラシは「ニッポンがとんでもないことになっている」と警告を発し、「安倍自民党にストップをかけるのは私たち」だと打ち出す。 最初に上映された映画は、「標的の村」。沖縄県東村・高江での、米軍機オスプレイ着陸帯建設に反対する人々の闘いを記録した渾身のドキュメンタリーだ。その内容はすさまじい。豊かな自然のなかでのびのびと暮らす家族。だが配備に反対し身体を張って立ちあ がった時、そこに待ち構えていたのは、「通行妨害」という名の、国家による訴訟攻撃だった。当事者の大人たちだけでなく、現場にいなかった少女まで訴えるという暴挙だ。本土では知られることのない壮絶な実態が、次々と明かされていく。 普天間基地のすべてのゲートが、住民たちの決起によって22時間も封鎖されたこと。ベトナム戦争時、演習場内に造られた「ベトナム村」。そこでは高江村民をベトナム人に見立てて射撃訓練に駆り出していたことなど、衝撃的なシーンがスクリーンに浮かび上がる。家族ぐるみ、島ぐるみの非暴力の闘いに米兵は冷笑を浴びせ、同じ県民であるはずの警察は、住民の座り込みを根こそぎ排除していく。新聞社のカメラマンにも容赦はしない。 のびやかな歌声としなやかな子どもたちの踊りが、物語終盤を飾ると、会場のあちこちからすすり泣きが聞こえてくる。素晴らしい作品だ。 「スラップ訴訟」の標的にされた木工職人の伊佐真次さん(写真)。上映後ステージに上がると「裁判に負けても次があるよ。お金と暇、年金生活をしている人は、ぜひ沖縄に来てください。観光気分でもいい。現場を見てほしい」と明るく呼びかけた。 主催者を代表して河添誠さんがあいさつ。「沖縄の闘いと国会前の闘いが重なっている。生保法も改悪された。そんなさまざまな抵抗を思い出して大きくする時代に入った。今日一日、笑って泣いて、闘いの文化を楽しみましょう」。 レイバーネット川柳班の面々は、「原発川柳句集」の発刊を紹介し、それぞれ一句披露した。句集に寄稿している文芸批評の楜沢健さんは「特定秘密法の成立で街中に批判があふれている。社会が息苦しさを増すほど、川柳が活性化する」と述べた。 レイバーソングは今年も元気だ。経産省テント前で歌う福田良典さんは、イムジン河の福島バージョンを。宇都宮のデイランさんは、ブルース調の2曲を披露した。 恒例の「3分ビデオ」には17本の応募があった。制作者の世代交代を感じさせる作品群は、どれもシリアスなものばかり。笑いが少ないのは残念だが、来日した韓国・民主労総の活動家も選評に加わり、以下、4人の入選者には記念品が贈られた。 ・松元ちえ賞「中国・広州運動研究交流2013」(高幣真公) プログラム最後は、「火炎瓶テツと仲間たち&テツコーズ」による賑やかなパフォーマンス。「戦争という言葉の裏を考えろ、奴らは弾には当たらない」「安倍政権は恥を知れ、石破、麻生、公明党は恥を知れ」「戦争する国絶対反対、もっと自由に生きさせろ」。楽器を持った出演者がバックを務め、軽快なリズムに合わせてステージを盛りあげた。 この会場は、座席がゆったりと設置されており、快適に演目を楽しむことができた。ロビーには書籍など販売ブースや飲食コーナーが並び、短い休憩時間は熱気に包まれていた。とくに高江支援の署名が多数寄せられた。また高江のカレンダーは完売し、この日発売の「でじゃぶーな人たち 風刺漫画2006―2013」も好調な売れ行きだった。 知ることは行動への第一歩だ。師走の一日、仲間たちによる手作りの文化に触れた来場者は、激しい逆風が吹き荒れるであろう新年に向け、闘いの英気を養うべく交流会へと流れていった。参加者は全体で220人だった。(Y) ↓60名が集まった大交流会は、異業種・運動交流の場になった。伊佐真次さんの歌も飛び出した。 ↓好評だった壱花花さんのデビュー作『でじゃぶーな人たち 風刺漫画2006―2013』 Created by staff01. Last modified on 2013-12-26 19:27:44 Copyright: Default |