シカゴ : 世界最大の外食企業・ダーデン経営の「The Capital Grill」前で社前行動 | |||||||
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団体行動権、団体交渉権は労働組合の重要な権利だと言われている。そのどちらも持ちえない人たちが、レストランの前で輪になり、プラカードを掲げながら、未払い賃金は犯罪行為だ!有給休暇を与えろ!とシュプレヒコールをあげる。警察も呼ばれない。会社の中から職員も出てこない。追い払われない。――こんな光景が、アメリカ・シカゴでのレストランでの社前行動だ。
アメリカでは、「表現の自由」の権利として、だれでも公共の場でこうしてアピールすることができる。憲法で守られている権利だ。 日本からの活動家一行は、5月2日午後、世界最大の外食企業であるダーデンが経営する「The Capital Grill」の前での社前行動に参加した。 レストランで働く労働者のほとんどが、ラテン系の移民労働者である外食産業では、彼らの仕事は、厨房での裏方仕事に限られることが多いというのは、レストラン・オポチュニティー・センター(ROC)のスタッフ。裏方の労働者は、日々上司から怒鳴られ、食事をする暇もコーヒーを飲む暇も与えられず、タイムカードは終業時間15分前にパンチされる。パートタイムの契約しか提示されない労働者たちは、仕事を二つも三つも掛け持ちすることが多い。職場でのハラスメントや多忙な毎日で、多くがアルコールや薬物(コカイン)依存症に陥るという。 もう我慢ならない、と立ち上がった労働者たちが駆け込むのは、9.11以後にワールド・トレード・センターの最上階にあったレストラン労働者を支援するために結成されたROC(非営利団体)。 団体行動権も団交権も保証されていないが、3年間で700名を組織し、全米9都市で活動を展開している。立場の弱い労働者にとっての駆け込み寺的存在となっている。 職場の過半数からの賛成を得るなど、労働組合結成の条件が難しく、特に弱い立場の労働者の組織化に困難をきたすアメリカでは、ワーカーズ・センターと呼ばれるROCのような団体の存在が重要となっている。 シカゴでは高級レストランの一つと考えられている「The Capital Grill」で仲間とともにがんばって声をあげたアルフレド・ゴンザレスさんは、「私たちの闘いへの支援が海を越えてやってくる。国際的な支援を得るのは大切なことで、これによって私も仲間も勇気づけられる」と日本の代表団に話した。 チップを受け取る仕事の最低賃金はイリノイ州で時給$4.95、全米基準は$2.13となっている。一方、賃金だけに限られる仕事の時給は$8.25に設定されている。(シカゴにて・松元ちえ) Created by staff01. Last modified on 2012-05-03 23:17:38 Copyright: Default |