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LNJ Logo 最高裁が河原井・根津「君が代」裁判の弁論を開く
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11月28日最高裁は、河原井・根津「君が代」裁判の弁論を開いた。原告の河原井純子さんは、2006年1月の記念式典、根津公子さんは3月の卒業式で「君が代」不起立をしたことに対する処分(河原井さん停職1ヶ月、根津さん停職3ヶ月)の取消を求めていたが、一審、二審とも敗訴していた。弁論は二審の判決を見直す場合に開くのが通例となっており、今回は停職処分の取消の最高裁判決が出る可能性が大きくなった。判決は来年の1月16日に出される予定。

弁論後の報告会で河原井さん(写真上)は、「あまりにも不当判決が続いたので、弁論が開かれたことは大きな喜び。原発も君が代も根っこは同じ。原点にたちかえるべき」と語り、根津さん(写真下)は「教育現場ではものが言えない状態だ。おかしいことはおかしいと言えるようにこの判決が役立ってほしい」と語った。

最高裁は今回の弁論を、思想・良心の自由や教育の自由など、憲法にかかわる争点ではなく、もっぱら東京都の裁量権濫用にしぼって指定した。しかし、原告側代理人は、教師には一定の教育の自由が保障されており、処分は教育の営み(教員と子どもの人格的関係)を破壊するものだとして教育の自由論に大きく踏み込む気迫のこもった弁論を行った。また、3回の職務命令違反で分限免職という大阪の教育基本条例案にもふれ、今回の最高裁判決がこれに歯止めをかけるよう期待すると述べた。被告東京都側は、陳述書の提出のみで法廷での弁論は行わなかった。

12月には、二件の「君が代」訴訟の最高裁弁論が予定されている。二件とも高裁で戒告・減給処分取消の判決が出ている。今回の弁論とあわせると、戒告・減給処分までは認めるが、それより重い停職処分は認めないという最高裁の線引き判決となる可能性もある。原告代理人の萱野弁護士は「すべての処分を違法とする最高裁判決を勝ち取りたい」と語った。(佐々木有美)


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