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LNJ Logo 報告:セクハラで労災認定を!集会
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セクハラで労災認定を!

5月22日(日)、東京の千代田区麹町の弘済会館で「セクハラで労災認定を!〜被害実態にそくした認定基準見直しを求めて〜」の集会がありました。

セクハラ被害によって退職に追い込まれ、その後も精神科への通院を余儀なくされた被害者から訴えがありました。再就職もままならない状況が続き、労基署に労災の申請をしても不認定となり、労働局に求めた審査請求も棄却。労働保険審査会への再審査請求も棄却。2010年1月に行政訴訟を起こし、11月10日、判決を前に国側は「上司のセクハラが主要な原因で発症した」として、業務に起因した労災と認めました。被害当事者のSさんは、「どれほど多くの女性が声を出せずにきたか」「セクハラに対しての理解が必要」と訴えました。

働く女性の全国センター運営委員の小山洋子さんは「セクハラが労災だという認識が以前はなかった。60数件の労災申請に対して20数件が認定されるようになった。その後仕事が続けられるかの就労環境が問題だ」と話しました。

パネルディスカッションでは、セクハラが女性の働く権利の侵害であることが話されました。元朝日新聞編集委員の竹信三恵子さんは「セクハラは、権力や強みを利用して、立場の弱い労働者の弱みにつけ込んでくる。被害者は働けなくなり、貧困の温床となる」と話しました。

現在、厚生労働省の分科会で、セクハラ労災についての認定基準や運用についての見直しが検討されています。セクハラ被害の実態にそくして、広く労災認定がなされるような基準や運用指針を求めて、集会アピールが採択されました。(尾澤邦子)

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セクハラで労災認定を!〜被害実態にそくした認定基準見直しを求めて〜 5.22集会アピール

1 男女雇用機会均等法が改正され、使用者の職場におけるセクシュアルハラスメント防止義務が明確に定められてから、5年が経ちます。しかし、未だに、多くの女性が、職場でのセクハラに苦しみ続けています。大部分の女性が声も挙げられず、被害の回復もないまま、セクハラ被害から逃れるために職場を去っています。

  職場におけるセクハラは、被害者の人格権や名誉、性的な自由を傷つけるだけではなく、労働環境を破壊するものです。職場における対等なパートナーとしてではなく、性的対象として扱われたという強い屈辱感は、就労意欲や自尊心を奪います。使用者に被害事実を申告しても真摯に対応してもらえず、職場で孤立してしまうこともあります。PTSDなどの深刻な精神疾患にかかってしまい、別の職場に再就職するのも困難な場合も少なくありません。セクハラによって、労働者として働く権利も、生きる権利も害されてしまうのです。

2 しかし、このようなセクハラの深刻な被害に対する救済手段は、きわめて限られています。使用者や加害者に対する民事裁判は、費用や時間がかかり、セクハラ被害者にはきわめてハードルが高いものです。しかし、無料かつ非公開で行える行政の救済制度である労働災害給付申請については、特にセクハラによる精神疾患に関しては、ほとんど認められていないというのが実情です。

3 精神疾患による労災の認定基準には、当該疾病の発症前おおむね6ヶ月以内の出来事に限定してストレス強度が評価されるなど、様々な問題がありますが、特にセクハラについては、「心理的負荷」の強度が原則として「供廚箸気譴討い訃紂強度が修正される基準も明らかではない、事後の職場の対応によって強度が低くなることもあり得るなど、きわめて問題がある基準となっています。

  現在、厚生労働省の分科会で、セクハラ労災についての認定基準や運用についての見直しが検討されています。今こそ、厚生労働省は、セクハラ被害の実態にそくして、広く労災認定がなされるような基準や運用指針を出すべきです。

4 また、労災申請を受ける労基署の体制や事実調査の方法についても問題があります。実際に労基署に相談に行ったセクハラ被害者からは、女性の担当者がいなかった、プライバシーに配慮してもらえなかった、セクハラ労災は難しいからと申請書さえ渡してもらえなかった、過去の男性経験などセクハラとは無関係のことを聞かれた、被害事実を何度も話すのは辛い、などという声が多く寄せられています。

  認定基準の改善と共に、このようなセクハラ労災申請の相談・受入体制についても至急、改善すべきです。

5 すべてのセクハラ被害者が、労災により適切かつ迅速な被害救済がなされるよう訴えるとともに、セクハラ被害をなくし、すべての労働者が良好な環境で生き生きと働くことができる社会を目指して、さらにこの運動を広めていくことを宣言して、集会のアピールとします。

「セクハラで労災認定を!」 5.22集会参加者一同


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