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LNJ Logo 報告 : 一人から始まる〜辻井さんを励ます会
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松原明@JRウォッチです。

きのう6日「JR東日本に人権を! 辻井さんを励ます会」が、JRウォッチ主催でSKプラザ地下ホールで開かれました。私も事務局をやっていますが、「せいぜい50人集まればいい」と思っていましたが、雨にもかかわらずどんどん人がやってきて、会場いっぱいの110名になりました。年齢の高い男性が多かったですが、なかには20台の男性もいたし、女性もこの種の集まりでは多いほうでした。男性の多くはOBを含めた国労組合員で、辻井さんのいる神奈川の仲間が多数集まりました。また上京闘争中の国労闘争団も20人近く参加しました。レイバーネットのメンバーは10人以上いました。二次会で、国労高崎の人が「こんなに多彩な集まりはめずらしい。貴重だ。これからは組合だけなくいろんな人と一緒にやっていくことが大事だ」と言っていましたが、JRウォッチの狙いもまさにそこにありました。

佐高信さんの講演でも「かんぽの宿と同じでJRの私物化(民営化)の実態を暴露し、乗客をこちら側に獲得しないと勝てない」と強調していましたが、派遣村の例のごとく、世論に大胆にうったえ、世論を変えていくたたかいがとても重要だと思います。佐高さんの講演はあいかわらずジョークの連続で面白かったですが、冒頭でこんなエピソードを語りました。「私が教員のとき、ある問題のある会議があって、私は一人出席を拒否していた。そしたら、校長より早くやってきたのは組合委員長だった。一緒にたたかおうというのでなく、かれは『欠席しないで出席して形骸化させたほうがいい』と出席するよう説得しにきたのだ。そのとき『組合って何なんだ』と思った」という話でした。

この日、初上映されたビデオ「国労バッジははずせない!」(20分・湯本雅典作品)は、1年以上の取材をまとめたもので、感動的でした。とくに辻井さんの三人息子の一人が、父への率直な思いを語るところがいいです。辻井さんも「息子の言葉がうれしかった。普段は何も話してくれないが、湯本さんが引き出してくれた」と感激していました。ぜひ、活用してほしい作品です。

この日、根津公子さんはじめ10人近くの人が、発言してくれました。根津さんは、辻井さんのたたかいと自分のたたかいがうり二つであることに大変驚いたようです。なにかもが一緒だったのです。日教組の「日の丸・君が代」闘争、国労のバッジ闘争で最後に残った人たちの置かれた状況が一緒。それは普遍的問題だということですし、また逆に考えれば、ここから反転攻勢の可能性もあるということでしょう。

会場発言ではふたつが印象に残りました。ひとつは学習雑誌「まなぶ友の会」の人です。かれはこう語っていました。「辻井さんは労働者魂を体現しているひと。“たった一人じゃ大衆路線じゃない”と批判する人がいる。でもたたかいは一人からはじまるものではないか。私は国労組合員ではないが、いまでも国労バッジを付けている。そのバッジは、分割・民営化のときに自殺した友人の国労組合員の形見なのだ。鉄道の安全を本当に守るのは、労働者。抵抗なくして安全なし、をしっかり胸に刻みたい」

もうひとりは、下山房雄さん(九州大学名誉教授・現在JR株主会会長)でした。下山さんはバッジ事件の2つの裁判所の判例を紹介しました。「裁判所も見方が分かれている、ひとつは労働者には“職務専念義務”があり、いっさいを会社に従わなくてはならない、従ってバッジ処分を有効とするもの。もうひとつは、労働者は労働力を提供する義務を負うが、思想など全人格的従属の必要はない、とするもの。従ってバッジ処分は不当とするものだ。後者の考え方が、いまの労働法・憲法で保障しているものだが、労働組合が弱体化するなかで、前者の考えが力を増して、バッジ処分・君が代不起立処分などが横行し、職場で労働者がモノが言えなくなっている。そもそも労働組合は、一人では弱いから団結するという発想だった。しかし、労組が弱体化したいまの時点では、一人でも闘える人が憲法をたよりにまず頑張る、という発想も必要かもしれない」

(なお以上二人の発言は、メモで起こしているので、不正確なところがあるかもしれません)

二次会でおもしろい話がありました。国労バッジがヤフーオークションに出ていて、すごく人気が高いとのこと。デザインがいいこともあるが、数が稀少になっているようです。げんに、最近の国労大会などでは、「国労バッジ」の販売をしておらず製造中止になっています。ますます価値の出てくる国労バッジ、私もほしくなりました。


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