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政府が提出した派遣法改正案に反対し、抜本改正の実現を求める集会を12月4日夜、日比谷野外音楽堂で開きます。呼びかけ人は、貧困と格差について発言してきた作家、ジャーナリスト、学者のみなさん。多くの方々に知らせて下さい。チラシ(左)ができました。(小谷野)

以下は、呼びかけ人らの声明

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みせかけではない 抜本的な法改正を求める!  派遣法改正法案の閣議決定にあたって

日本はどうしてこうまで働くことに希望を見出せないような国になったのだろうか。長時間、サービス残業にあけくれる正社員の一方で、雇用労働者の3分の1は非正規雇用となり、自立した生活を営むのに最低でも必要と考えられる年収200万円以下で働く民間労働者は1000万人を超えたという。格差社会の到来である。 私たちはその大きな原因の一つに1999年に原則自由化された労働者派遣の拡大をみる。1986年に専門的業務に限定してスタートした労働者派遣は、もともとの立法構想時には想定されていなかった登録型派遣が急拡大し、その究極ともいうべき日雇い派遣を生み出した。日雇い派遣で蔓延する数々の違法、「データ装備費」とかいうわけのわからない名目での賃金ピンはねや、ネットカフェで寝泊りするワーキングプアは衝撃的でさえあった。 その衝撃に押されて厚生労働省の研究会が設置され、報告書をもとにした派遣法「改正」法案が策定され、昨日(4日)、麻生内閣により閣議決定された。しかし、野党各党が改正法案試案を公表し、報告書に批判を浴びせる中で行われた労働政策審議会での法見直し審議は2か月にも満たず、拙速ともみられる国会上程への動きには、日雇い派遣「原則」禁止の美辞麗句の影に抜本的改正を先送りしようとする与党の筋書きが見え隠れする。

本日閣議決定された派遣法改正法案には重大な欠陥がある。第1に、日雇い派遣禁止をうたいながら30日以内の雇用契約を禁止するにすぎず、「日々派遣の契約」を禁止するものにはなっていない。逆に18業務で日雇い派遣を公認し、今後拡大する可能性さえはらんでいる。第2に、細切れでいつ切られるかわからない不安定な雇用が大きな問題となっている登録型派遣の見直しは先送りされ、常用型派遣への転換も努力義務ばかりの実効性のないものとなっている。第3に、市場競争の影響をもろに受けて賃金切り下げにさらされてきた派遣労働者の労働条件改善についても、派遣先労働者との均等待遇や派遣会社のマージン率規制とは程遠い内容となっている。第4に、派遣拡大の最大の要因になってきた「違法派遣を受け入れても責任が問われない派遣先」に対する「みなし雇用責任制」の導入を回避して、相変わらず行政勧告制度にとどめている。第5に、「期間の定めのない」派遣労働者に対しては事前面接という実質的な派遣先の労働者選抜を容認するなど、労働者派遣制度の変質につながる規制緩和さえ行おうとしている。

アメリカの金融危機に始まった日本経済の先行き不安で、この間、日本を代表する自動車、電機など大企業の製造工場で派遣労働者の大量首切りが相次いでいる。正社員の代替として活用してきた派遣労働者は無情に切り捨てられ今や寮からも追い払われようとしているが、いったいどんな対応がとられていると言えるのか。今こそ労働者派遣法の抜本的総括、見直しが必要なときである。 私たちは、臨時国会に上程されようとしている派遣法改正法案の不十分さを指摘し、「みせかけでない、抜本的な法改正を求める」声を強く上げていくことを呼びかける。

2008年11月5日 雨宮処凛(作家)/石坂啓(漫画家)/宇都宮健児(弁護士・反貧困ネットワーク代表)/鎌田慧(ルポライター)/神田香織(講談師)/小島周一(日本労働弁護団幹事長)/斎藤貴男(ジャーナリスト)/堤未果(ジャーナリスト)/中野麻美(弁護士/派遣労働ネットワーク代表)/本田由紀(東京大学大学院准教授)/森ます美(昭和女子大学教授)/湯浅誠(自立生活サポートセンターもやい事務局長)      =11月8日現在=                          


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