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新刊紹介『ケーテ・コルヴィッツの肖像』 | ||||||
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松原です。
1867年に生まれ1945年に亡くなったケーテが描いたのは、ドイツの貧しい労働者の姿であり、革命であり、戦争であり、死である。その絵は深い悲しみに満ちている。しかし、それが悲しみだけに終わらず後世まで感動を呼び起こすのは、事柄と時代の本質が刻みこめられているからではないか。この本を読むことで、それがよくわかる。彼女が30歳で描いた連作版画「織工たちの蜂起」の6葉の版画に示された労働者の姿は強烈だった。これは実際に1844年に起きた織工たちのたたかいをもとにしたものだ。ケーテはこう述べている。「わたしがプロレタリアートの生活を描くことへ向かったのは、同情や共感といったものではなく、わたしがそれを理屈抜きで美しいと思ったからだ」と。
そうした状況のなかで、芸術でたたかったケーテはこう語っている。「わたしはこの時代のなかで人びとに働きかけたい」。なにはともあれ、絵もたくさん載っている本書でケーテ・コルヴィッツに触れていただきたい。 →『ケーテ・コルヴィッツの肖像』(2500円+税・績文堂・TEL03-3260-2431 FAX03-3268-7202・mail@dwell-info.com) Created by staff01 and Staff. Last modified on 2006-06-27 20:16:02 Copyright: Default | ||||||