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全労連など25000人が大集会〜青年組合員インタビュー〜

 2001年10月23日、全労連・全商連・農民連など各種団体でつくる国民大運動実行委員会の呼びかけで、全国から東京明治公園に25000人が結集し、企業リストラ・小泉改革・医療改悪・アフガン軍事報復に反対する大集会をおこなった。明治公園から出発したデモ隊は、宮下公園・代々木公園・青葉公園へと3派に分かれ、長蛇の列が夜の都心をねり歩いた。
 集会に来ていた若いユニオンメンバー6人に、いろいろと話を聞くことができた。突然の申し出に当惑しながらも、快くインタビューを受けてくれた若い人たちの誠意に、心から感謝したい。


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▼自治体職員(広島・27歳・女性)


Q 労働組合へはなぜ入ったのですか?

A 学生の時は全然知らなかったんです。別に拒否感はなかったけど、自分からは遠い存在だなって。3年前同じ職場の、公民館なんですけど、先輩に誘われて話を聞いたら、普通にいいことやってるって思って、それで。

Q 職場で問題はありますか?

A 私の所の公民館は、財団化されたんです。職員は私の職場では、半分は市から公務員が派遣されてきて、残りの半分は財団の職員で、私は後者です。財団は今、広島市の100%出資でやっている公共的なものですけど。今後どうなるか分からないし、教育委員会が運営していた頃と比べて、教育という視点が稀薄になってくかもとは感じてます。

Q 突然ですが、アフガン軍事報復について意見を聞かせて下さい。

A 暴力に対して暴力って、同じレベルだと思うから反対です。絶対に、新しいテロを生むと思うし。それに考えてみると、ベトナムとか歴史をみてみると、アメリカが本当に被害者なのかって、私には疑問があるんです。なんか経済のつけをまわしてきたような。だから、そもそも制裁って話じゃないんじゃないかと思うところはあります。

Q 同世代の友人のことを教えて下さい。

A 労組については、入っている人は少ないです。パートとかバイトとかの人は特に、そういう機会がないんじゃないかと思います。でも仕事の話をすることがあって、仕事が苦しいとかいろいろ聞くんですが、労組の話が出るとクビになるからって言うんです。戦争については、ニュースでテロ対策法案の話を女性の友人と聞いてたとき、「なんか小泉さんこわーい」ってみんな言ってました。私の友人に限っていえば、そういう感覚なので賛成とかじゃないと思います。



▼保母(東京・26歳・女性)


Q 労組に入ったきっかけは?

A 無認可保育所に勤めていて、5年前から組合に入ってます。短大にいるとき、アルバイトでその保育所に来てたとき、初めてそういうものを知ったんですが、そのときは何も分からなかったし関心もなかった。就職したら、自然に入ってました。私の知合いは、労組には関心を持ってないです。不安ですか?・・・都と市から出ている補助金が不安定だと聞くので、どうなっちゃうんだろうっていうのはあります。

Q アフガン軍事報復については?

A 正直言って、中東とか国際政治とかあまり関心がなかったです。でもあのビル突入はすごい衝撃的でした。ああゆうテロもアメリカの戦争も、私にとってはどっちも恐い、なんでそんなことするんだろうって感じですね。でも戦争が問題だっていうのは、組合を通していろいろ分かりました。



▼印刷労働者(東京・23歳・男性)


Q アフガン軍事報復についてどう考えますか?

A 18歳から印刷工場で働き始めた。労組にはすぐに入った。戦争反対。アメリカの外交政策が背景になっているから、あれでは問題は解決しない。国連などでテロの背景をどうするか考えるべきだ。同世代の友人については、自分と関わりがあると考えない限り、視野に入ってこない。



▼土木技師(沖縄・29歳・男性)


Q 労組に入ったきっかけは?

A 先輩だね。最初は何もわからんからね。同世代の友人でも、労組に入った人はいますよ。

Q アフガン軍事報復については?

A まあ気持ちは分かるな。自分の子供が殺されたら、普通犯人を許せるって思わないでしょ。でも戦争は反対。なにも戦争しなくても、犯人を捕まえれば済むことだからね。あと、難民支援をもっとやるべきだよ。



▼組合嘱託職員(福岡・26歳・女性)


Q あなたにとって労働組合で働くってのはどういうことですか?

A 実は何も知らなくて、3年前知人の紹介で、公務員の一般組合(個人加盟制労組)の嘱託になりました。労組って外からじゃなにやってるか分からないじゃない。民間企業に勤めてる友達なんか、朝8時から夜12時まで働いていてボーナスも出るかどうか分からないような状態なのに、労組のことが分からないから入ってないんです。そういう人は多いと思うよ。私については、いろいろと分かるようになった、ニュースで言われていることとか(笑)。それに、いろいろ要求があるところで、交渉して勝ったとき、やっぱりうれしいですね。でもまだ今は、日々の仕事に追われているというのが正直なところで、この仕事に対する自分の気持ちはまだちゃんと整理がついてないかな。

Q アフガン軍事報復についてどう思いますか?

A 無意味。



▼パート事務員(東京・28歳・男性)


Q 労組に入ったきっかけは?

A 医療事務のパートをしています。僕の入ってる労組は、かつてパートの雇用に関わる重大な問題が生じたとき、今でもそれは続いているんだけど、パート職員の労組として結成されました。医療の世界でも、財政再建とか競争政策の結果、リストラが進んでいて、パートとか非正規の僕らのような立場はすごく不安定になっています。今後、仕事が減ったり減収したりするのは、僕にとっては本当に致命的になります。ダブルワークをしないといけなくなると思います。それに、非正規の仕事は、やりがいというか技能訓練の場になってないというか、そういう点で不満を感じます。労組では、そういった悩みをみんなで話し合ったり交渉したりできるので、そういう場が必要だと思い、入りました。

Q 同世代の友人の話を聞いたことは?

A IT産業に就職した女性の友人の話なんですけど、彼女は大学で学んだことと実際に今やってることがほとんど無縁で、転職したがっています。でも実際には仕事はないようです。しかも彼女の拘束時間は、朝7時から夜11時までで、仕事以外何もできない状況にあります。とくに彼氏ができないっていうあせりはそうとうあるみたいです。これは仕事の問題でもあるので、かなり真剣な話なんです。

Q アフガン軍事報復への意見を聞かせてください。

A 労組でみんなといろいろ話し合いました。アフガニスタンという国は、内戦で疲弊し、国連世界食糧計画でも国民の3分の1が飢餓ラインを下回っているとされる国で、報復戦争前からすでに悲惨な状態にあった国です。米軍などのやっていることはそういう国に行って、「無限の正義」とか「不朽の自由」とか言いながら、空飛ぶ重戦車で村を消滅させたり、病院を破壊したり、確実に一般人に被害を及ぼす地雷を散布しながら地雷撤去を担う国連事務所や国際赤十字を「誤爆」したり、発電所を破壊してさらに救命活動をできなくしたりと、これはまさに国家テロです。数百万人のアフガンの人々が、生存を脅かされています。アラブの反米感情には、こういうことを平気でやる米国の傲慢さへの怒りが皮膚感覚としてあるからだと思います。例えばスーダンでは、何の根拠もないのに、救命治療に欠かせない医薬品を製造していた工場を米軍は破壊したんです。これによって数十万人のスーダンの人々が犠牲になったと言われます。根本的には、そうした大衆的不満を産み出しているのは貧困だと思います。テロを正当化はしないが、第三世界の民衆のレベルで、世界経済を支配している企業や国が憎悪の対象になっているという事実を、しっかりと考えないといけないと思います。

Q では、どうしたらいいと思いますか?

A 軍事的制裁は、米軍がやろうと国連がやろうと、必ず非人道的になるので反対です。そもそもテロ犯罪に対して国家に報復するということが国際法違反です。日本政府が自衛隊を外に出そうとしているのは、憲法違反であり、そうした米国の国家テロへの加担以外の何ものでもありません。経済制裁も絶対にやってはいけないと思います。イラクへの経済制裁で、100万人以上の人たち・子供たちが餓死したり病死したりしてきて、今もそれが続けられています。それでフセイン政権は倒れたんでしょうか。痛みが全部下にまわる、民衆・子供につけがまわされる、これがあらゆる制裁が認められない理由です。国連もテロの被害者であっても、そんなことをする権利はありません。今するべきことは、アフガンの民衆が貧困と荒廃から抜け出せるように世界の人々が連帯して支援することです。経済的社会的回復の道を、潰すのではなく作れるよう援助するために、考えることがたくさんあるんじゃないでしょうか。僕の入っている組合でも、何か行動を始めようと思っています。



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reported by JNK


Created byStaff. Created on 2001-10-24 02:09:45 / Last modified on 2005-09-05 02:58:29 Copyright: Default

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