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2025/09/20 鄭周河(チョン・ジュハ)写真展|パラ-ダイス(9/20〜10/3 栃木・益子町)9/20:オープニングセレモニー(鄭周河さん挨拶)(13:00〜)

案内→https://x.gd/J1jQ0P
   https://x.gd/7Gl67

 牛と自然と人間
 放射能に汚染され、殺処分にされる運命だった牛たちの「物語」から、失ったものが見えてくる。

 福島原発事故直後から現地を訪れ、写真を撮り続けた韓国の写真家鄭周河(チョン・ジュハ)さんの初めての写真展が開かれてから12年の歳月がたちます。
 写真展「奪われた野にも春はくるか」は日本の植民地となり、大地を奪われた朝鮮人の悲哀を歌った李相和(イ・サンファ)の詩と重ね福島の悲しみを表現したものでした。
 写真展は全国を巡回して大きな反響を呼んだのはご存じの方も多いと思います。
 人々を不安のどん底に陥れた原発事故の記憶の「風化」がささやかれる今日、その後も福島を撮り続けてきた鄭周河さんを日本に再びお迎えすることになりました。
 テーマは「人間と牛と自然」。
 原発の存在を根源から問う作品20点です。
 記憶にとどめ過去から学ぶ当美術館としては公開10周年にあたって、このうえない企画展となりました。
 朝露館館主 関谷興仁

 メッセージ「パラ-ダイス(Para-Dies)」写真展へようこそ
 鄭周河(チョン・ジュハ)

 今回の作品集パラ-ダイスは福島県浪江町にある「希望の牧場」とその周辺で撮影したものです。
 ご存じのように浪江は福島第一原発から14キロ、放射能による被害が非常に大きかった場所として知られています。
 この牧場には、今も約170頭余りの牛たちが飼育されています。
 牛たちは大量の放射能を浴びて国から殺処分命令を受けました。
 しかし、牧場経営主の吉沢正巳さんは命令を拒否し、今日まで牛たちと共にそこで生活しています。
 牛たちは、人間の犯した過ちをその身で受けとめ生き続けています。
 人間によって「殺されることを免れ、死ぬことができず、死ぬことができないために生き続け、苦痛を全身に刻み込んでいる」のです。 従って原発事故の最も「鮮明な証言者」が、まさにこの牛たちではないのかと私は考えています。
 私はこれまで、写真家としてこの牛たちの間に入り、彼らの仕草や何気ない優しさを感じながら撮影してきました。
 牛たちは私に怒りの表情も苦痛の表情も向けませんでした。
 ただ、与えられた運命を全身で受け入れ、世の中に向けて自分たちの証言を黙々と果たしているだけでした。
 私は一人の人間として、非常に辛い気持ちで牛たちと向き合い、彼らが「私/人間」に「どんな話をしたいのだろうか?」という思いを抱きながら、長い時間を牛とともに過ごしました。
 牛とともに展示した木の写真は、牧場近くの裏山で撮影したものです。
 この葛(くず)のような蔓(つる)は、かなり古くから自生していたようで、絡み合ったり、他の木に寄生したりしています。
 蔓は他者に依存して生きている点で、希望の牧場の牛たちと同じだと感じました。
 牛の写真とこの蔓を一緒に展示する理由です。
 私鄭周河とともに、彼らの表象と心の内なる世界を訪ねて見ませんか。

鄭周河(チョン・ジュハ)写真展|パラ-ダイス(Para-Dies)
日 時:9月20日(土)〜10月3日(金)12時〜17時
場 所:関谷興仁(せきや・こうじん)陶板彫刻美術館 朝露館(ちょうろかん)
 〒321-4217 栃木県芳賀郡(はがぐん)益子町(ましこまち)益子4117-3
 真岡鐵道「益子駅」からタクシー約5分、徒歩35分
 バス:益子駅東口バスターミナルから東野バス「益子駅 → JR宇都宮駅 延生経由」乗車→バス停「道祖土下(さやどした)」下車徒歩10分
 アクセス→https://x.gd/kwh4u
 地図→https://x.gd/vNswM
入場料:500円(高・大学生200円)、朝露館会員無料
主 催:関谷興仁陶板彫刻美術館・朝露館
後 援:毎日新聞社宇都宮支局・下野新聞社
連絡先:0285-72-3899
問合せ:
小原 pico-h@grand.nir.jp
石川 ituko2019@outlook.jp

イベント
オープニングセレモニー
日時:9月20日(土)午後1時
内容:鄭周河さん挨拶

鄭周河(チョン・ジュハ)さん
 1958年生まれ。
 ドイツケルン大学写真科卒。
 百済芸術大教授(定年)退職。
 『奪われた野にも春は来るか』写真展記録集。『パラダイス』(2025)写真集。
 国内外で写真展開催。
 NHK「心の時代」出演(2013年8月)。
 韓国全北完州在住。
 写真家。農業。

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