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2025/05/22 オンライン被ばく学習会 シミュレーションが生み出した甲状腺被ばくの大幅過小評価

5.22 オンライン被ばく学習会 

シミュレーションが生み出した甲状腺被ばくの大幅過小評価

5月22日(木)午後7時〜10時

講演:黒川眞一さん

(高エネルギー加速器研究機構・名誉教授)

主催:放射線被ばくを学習する会

共催:富山大学科学コミュニケーション研究室

申込み:https://forms.gle/uADTyRX3btgxhQnC7

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 14年前、福島第1原発から放出されたプルームが福島県内外を襲い、多くの人々を被ばくさせました。

事故時18歳以下だった福島県の子どもの甲状腺がんは、現在400人近くに及んでいます。

事故時に福島市を襲ったプルームは2011年3月15〜16日のものが飛び抜けて線量が大きいのですが、

UNSCEAR(国連科学委員会)が依拠しているシミュレーションでは

このプル−ムがほとんど見えないため、被曝線量が大幅に過小評価されていることが、

この間の黒川さん学習会で明らかにされてきました。

今回の学習会では、さらに、その原因が明らかにされます。

UNSCEARが根拠にしたシミュレーションは、空気中のSPM(大気中に浮遊する、

直径が10ミクロン以下の粒子状物質)の大気中濃度を測定する機器(SPM濃度測定器)に

用いられた濾紙に残ったSPMの放射能をゲルマニウム測定器によって測った値を正しいとして

シミュレーションを行っています。ところが、放射性プルームが到来しており、

気温が数度から0度、湿度が90%を超えるような気象条件のときには、

SPM測定器の入口に設置されたサイクロンにおいてプルーム中のSPMが取り除かれるため、

SPMは濾紙まで届かないのです。

その機序は、大気がサイクロンに入ると断熱膨張し、蒸気が過飽和となり、

取り込まれた大気中の放射性物質から放出されたβ線が大気を電離し、できたイオンを核として霧が発生。

それがトリガーとなりSPMを核とした霧がサイクロン内に充満し、

できた霧を構成する水滴の径が10ミクロンを超えるため、SPMが排除されてしまうのです。

この機序を霧箱効果とよびます。福島市などの中通りを3月15-16日に襲ったプルームにおいては、

霧箱効果のためにSPMが濾紙までほとんど届いておらず、わずかに届いたSPMをもとに大気中濃度を測定しているため、Cs-137の大気中濃度を(ひいては、Cs-137濃度に比例するとされているヨウ素131の大気中濃度も)

〜1/100に過小評価してしまうのです。

日本政府はこれまで、高濃度のプル−ムを見逃したシミュレーションに基づいて、

福島における甲状腺がんへの放射能影響を否定し、「過剰診断」などとしてきました。

政府はその誤りを認め責任を自覚し、原発政策を抜本的に見直すべきです。

5.22オンライン被ばく学習会にぜひ、ご参加ください。

申込み:https://forms.gle/uADTyRX3btgxhQnC7 

放射線被ばくを学習する会

  http://anti-hibaku.cocolog-nifty.com/blog/

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