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名古屋哲一のコラム

 

郵政首切り20年・名古屋哲一の月刊エッセイ

 郵便局の「ヘンテコな今」

 虫歯によくなる子供、歯医者さんの子供だったならばラッキーだ。

 盗みをよくやる子供、警察官の子供だったならば、今は「ラッキー」だ。昔は親の出世に響くこともあり人一倍親から怒られたりもあったろうが、今は警察組織丸ごとで犯罪をもみ消してくれたりが流行だからだ。時代は変わる。

 お使いをよくやる子供、正確迅速確実にお届けで「ありがとう」と親等に喜ばれるのを喜びとする子供、大きくなって郵便屋さんになったならば、今は「アンラッキー」だ。全国の郵便局に今「集配課」は無く有るのは「集配営業課」だ。

 郵便配達の職人さんは必要とされず(大量強制配転の横行)、営業成績の競争やノルマ達成等といったことが称賛される。誤配や遅配が増え(7ケタ郵便番号制)、不正行為や違法犯罪が増えた。「新集配システム」というデタラメも試行中だ。来年発足の郵政公社はこれらを加速する。「官営」はダメだが「民営」はもっとダメだ。

       *       *       *      *

 郵便局の「ヘンテコな今」を、思いつくまま書き綴ってみる。

 SKYTというのがあるそうな。毎朝、幼稚園生でもあるまいに「交通事故に気をつけよう」といった類のことを職員全員で唱和する。4・28処分の23年前にはむろん無かった。しかも唱和に参加しないと管理者に取り囲まれたりする局もある。しかもしかも、現場管理者の隣接局視察があって、SKYTの実施情況などを管理者同士で相互監視しする密告制度もできている。しかもしかもしかも、交通事故を起こすと、局側の安全衛生法無視や労働強化は不問に、断固として職員個人の責任のみに帰そうとする。岡山の某局内を見たときには驚いた。「(郵便物棄却や盗み等)犯罪に手を染めるのは止めよう・・・あなたの家族も不幸になる」といった標語が、臆面もなくデカデカと張り出されていた。こんなのも皆で唱和するのだろうか?

 「被服の正常着用」にこだわりを持つ几帳面な人もいる。夏の暑い暑い日、重たい郵袋で汗だくだく、しかも郵便局利用者からは見えない現場で、「ちゃんとネクタイをしろ」と怒鳴る管理者だ。効率アップではなく効率低下を目指しているとしか思えない。「暑いね、大変だね」の人間的感覚よりも規律を重んじる珍重なる人物だ。しかし郵便局内では、これがちっとも珍重ではなくそこら中にいるというから困る。こんなイチャモンにはまともに反論する気も失せるのではないか。ボクら旧マル生の時には、弾圧する方もされる方も「何故弾圧するのか」理由が解って攻防していた。今の管理者は、上から言われたことを何にも考えずただ下へ垂れ流し押しつけるか、無気力・事なかれ主義に浸りきるかに二分されているという。

 売れば売るほど赤字になる「イベント小包」。ふるさと名産品とかのカタログが局に置いてあるが、儲けは全て郵政官僚の天下り先会社へ行く仕組みだ。これを「ノルマじゃ。売れ、売れ、売ってこい」と管理者が尻叩きをする。管理者も上からノルマを課せられ局間競争にさらされ、大変なのだ。

 お便りセットとか記念切手シールとか、小包以外にも「商品」はいっぱいある。「自爆」といって職員が自分で買う。年賀ハガキを大量に買い込み金券ショップで換金するのは定番だ。地位を利用して、収納の現金を手持ちの切手と差替えたりする者もいる。ダイレクトメール汚職事件は記憶に新しい。郵便局の持つ情報を(その豊富さは防衛庁リストどころではない。住基ネットと結合したら大変!)、貯金・保険の営利主義に利用した事件もある。詐欺まがいの保険商品もマスコミで指摘された。「夜間再配達」をすると国民的大宣伝しておいて、人減らしのため完全実施できた局など少数で、そのうち見直しが始まった。公共性無視のこんなことばかり。

 非常勤=ゆうメイトさん=日々雇用の国家公務員。二ヵ月ごとの契約更新時に、局側の勝手で雇止め解雇・・・それ故「自爆」を強制されたら拒否が難しい。それ故「自爆」を強制する管理者・・・局側の勝手で労働時間の変更(6時間を4時間にされたら食っていけない)、こんな人権否定の労働条件は民間でも珍しい。

2002年7月27日 名古屋哲一(四・二八免職者)

郵政九州労組・郵政近畿労組大阪北掲載

*タイトルはレイバーネット編集部


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