マンセー! ブラボー! 祝福の洪水
4・28処分は撤回された。マンセー! ブラボー! 皆さん、どうもありがとうございましたー!
2月13日、最高裁は郵政公社の上訴を却下した。「重大且つ明白に」違法な首切りを、28年間も強いてきた郵政当局は、とてもとてもとてもとてもとても、悪い人たちだと決定した。
「マンセー! ブラボー!」みたいなことを、2年7ヶ月ほど前にも口走ったことがある。79年4月28日の免職処分に関して「2ヶ月もの反マル生全国闘争を指導した組合役員には軽く、指導された一般組合員には重い首切り」は「(処分)裁量権の逸脱」だから「原告7人全員の職場復帰!」と、東京高裁が判決した時だった。こんなに喜ばしいことは、短い人生の中、そうそうあるものではないと思った。
で、とてもとてもとてもとてもとても、悪い人たちでも、ホンのチョッピリだけはよいことをした。判決を覆す理屈なんてこれっぽちも思いつかないのに、高額の弁護士・裁判費用も出し惜しみせず、さらに免職者・家族らの苦しみが長引くことさえ気にもせず、つまり良心や羞恥心がチョッピリでも残っている普通レベルの悪人にはとても真似のできない、ヒチャメチャ上訴をわざわざおやりになってまで、短い人生の中、そうそうあるものではない「マンセー! ブラボー!」の喜びに、またまた巡り合わせてくれたのだった。
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ある免職者は「伝送便(3月号)」に書いた(ある免職者とは誰かというと、ベッカムやヨン様とよく間違えられるあの免職者だ)。
「一つにはお礼。年金保証もされるので(正直ホットした)、バックペイ等を膨大に奪い返して膨大な人々へ返金したい、軍資金的に活用してもらえれば尚ありがたい。二つには、教訓化。何せ誰もの予測を超えた勝利であり、それなりの総括と未来への展望の一助にできたらと思う。世のため人のための運動に活かしてもらえればありがたい。この二つは、義理と人情、一宿一飯ではなく28年宿28年飯の恩義の問題だと思う。そして三つには、体力と相談しながらだが、復帰したマル生職場での皆からもらった優しさ暖かさの還元だ」。
郵政当局という国家機関と全逓(現JPU)という大労組がつるんでの免職者イジメ、常識的には「金と力は無かりけり」のボクなんぞが、生き延びられるはずがない。だが、労戦再編(全逓ツブシ〜国労ツブシ〜総評ツブシ)の思惑での4・28政治処分に対して、この思惑を食い破った、郵政ユニオンなどの現場の仲間や全労協など地域の仲間、国鉄闘争・東京総行動・弁護団等々の人々の優しさと暖かさが、4・28闘争を続けさせ勝利させた。
多様な支え、例えばビデオプレスなんてのは、ベッカム&ヨン様にモデル料も払わずにだが撮影し、1時間ビデオ「郵政クビ切り物語」を作ってもくれた。
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もんのすごく多くの人から祝福の洪水。東京南部の郵便局では、仕事中に朗報が伝えられ、職場の皆の前で涙を流して喜んでくれた人もいた。
最高裁決定から4日後の2月17日、郵政ユニオン九州の中島さんと鈴木さんがわざわざ長崎から、「オメデトー!」のためだけに上京してくれた。懐かしい名前がいっぱい載っている職場の寄せ書き色紙を届けてくれた。これにはもうビックリだ。免職者の池田さんとボク、それに東貯シルバーユニオン4・28事務局の横山さんと5人で飲み交わした美酒に、ボクは酔いつぶれた。
4・28反処分闘争はすごく恵まれた争議だ。他の争議団に悪いような気さえする。争議は楽しくもある。
名古屋哲一(郵政4・28免職者)
「郵政ユニオン九州地本機関紙」及び「大阪・吹田千里支部機関紙」にも掲載
*タイトルはレイバーネット編集部