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名古屋コラム

郵政首切り25年・名古屋哲一の月刊エッセイ

 「郵政首切り物語」ができた

 「郵政クビ切り物語〜4・28処分と郵政職場<郵政版:人らしく生きよう>」の上映試写会を1月25日に東京しごとセンターで行ない、参加者50人のアンケートによれば「Goodの出来映え!」だった。2月13日関西で、3月12日新潟でも、「郵政民営化(現在の官営にも)反対」と合わせ上映。4月28日反処分26周年一日行動の日には、例年18時半からの「総決起集会」を「大上映会」へ切り替える。

 「ビデオプレス」と言えば、国鉄1047人首切りのビデオ「人らしく生きよう〜国労冬物語」を全国200カ所以上で上映成功させてフランスや韓国へも遠征、有名なナントカ賞等も受賞するなど、「最優秀のスタッフを揃えている」ことで名高い。こう書くと、決して間違ったことは一言も書いてはいないのだが、だがしかしスタッフがたくさんいると間違えてしまう人もいるだろう。もしもこのスタッフ中たった一人でも「最優秀」でない人がいると、「最優秀のスタッフで半数を固めている」と書き直さねばならない程の人数なのだった。

 ビデオプレスの佐々木有美さんと松原明さんとは、00年の国労4党合意問題(全逓本部という背信者による4・28免職者切り捨ての国鉄版)発生の時に知り合った。「郵政クビ切り物語」はこの二人だけで、企画・制作のみならず、シナリオ、「ボク」の名を語るナレーション、撮影、インタビュー、4年間近くの4・28以外も含む取材、チラシ作り、協力者への連絡、古い事務所の修繕と掃除、そして60時間の撮り溜めたテープの1時間余への編集等々、「好き放題」をおやりになったのだった。

 共通の視点をもつ気のおけない映像「監督」との遭遇、ラッキー!

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 最初にこのビデオを見て自分のことがいきなり映し出された時は、頭の中は半分パニクった。恥ずかしいやらこそばゆいやら、「全国上映運動」は、非常勤労働者とか胸章裁判原告とか「準主役」の面々が良い味を出している事も含め是非成功させてほしいが、ボク自身は出来るだけ上映の場に立ち会いたくはない(池田実さんの免職者アピールがお薦めだ)。

 「面白くなくっちゃ映画じゃない」。言うは易く行うは難しだが、「言うは易く」なので、ボクは思いつくままを口にした。客観的には、劇的でドラマチックな事件の連続であり・・・「18万人もの郵便局員が2ヶ月間もブツダメをして年賀も配られず世の中は騒然、職場は解放区」「モラルハザードの先駆け、全逓本部の裏切りは社会的なカルチャーショックだったし最高裁での彼らの敗北は珍無類だった」等々・・・他方主体的には、当該は脳天気の平々凡々、このアンバランスをコミカルストーリー仕立てにしたら面白いかも。

 例えば最後の映像は、「涙・涙・涙(当該があまり泣きもしないのに)」か「笑顔・笑顔・笑顔」で余韻を醸し出すとか、または滅茶苦茶「大衆的に」且つ「勧善懲悪劇」的にスカッとした気分=やったぜベイビー!で締めくくるとか、または「人の優しさ・暖かさ・ありがたさ」が胸にジーンと迫るなり、古い労働運動が何故変質し新しい運動の内的論理はどうなのか等の疑問がストンとクリアーされるなり、といった心地よさのクライマックス映像にしたら面白いかも。

 4・28闘争自体がこれら心地よい映像を提供しない限り「行うは難し」だし、ハリウッド映画のようにそんな都合の良いクライマックスを産出できるわけもない。視聴者自身が、各場面場面での諸要素を主体的にどう感じ取ってくれるのか、これが一つの「勝負所」だと思うが、それが当該のボクにはテンデ見当がつかない。何せ映し出された映像はボクにとっては「新鮮な驚き」とは逆の旧知の事実だし、映っていない部分も頭の中で勝手に補ってしまう。おまけに、「御世話になったアノ人々の映像も」とか「障がい者運動からの自己形成」とか「東京総行動や地方全国の運動等々の場面も」とか、26年近くも争議をやっていると様々な思いや配慮やらが頭をよぎる。

 とにかく、4・28闘争や郵政運動をよく知っているとか知らないとかの立場の違いによって、感想はかなり違ってくるだろう。26年間の実に多くの人々の喜怒哀楽を部分的にでも共有してもらえるならば、特に若い人々の心に何かが届けられるなら、「郵政クビ切り物語」は幸せな運命を得たことになると思う。    

名古屋哲一(郵政4・28免職者)

*タイトルはレイバーネット編集部


Created byStaff. Created on 2005-09-04 20:41:10 / Last modified on 2005-09-29 06:44:53 Copyright: Default

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