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名古屋コラム

郵政首切り20年・名古屋哲一の月刊エッセイ

 「国を愛する心」のウソッパチ

   「国を愛する心」というのが解らない。何故、「世界を愛する心」や「人類を愛する心」や「人を愛する心」ではないのだろう?

 「愛国心」というのは、他国よりも自国を優先して愛するという心、他国が不幸になろうと自国さえ安泰なら良いという心。庶民や住民よりも国家を優先して愛するという心、人間や人権が否定されようと国家利益さえ守られれば良いという心。

人権を優先させている教育基本法を変えたいのだ、「国を愛する心」を植え付けたいのだと小泉総理は言う。

「愛」を強要するというのが、これまた解らない。それは「愛」の本質に反する。「愛」は強要できるものではなく、「愛」を強要することはストーカー行為と呼ばれている。小泉はストーカー禁止法で罰せられねばならない(ちなみに、ストーカーは相手を愛してはいない。「愛」は相手の人格を尊重する上に成り立つものだからだ。相手を自分の思い通りに従わせようと欲するストーカーが愛しているのは、自己チューの自分自身だ。この意味においても、小泉は立派にストーカーの条件に当てはまる)。

「愛」を得たいときには愛されるように努力するものだ。「大東亜戦争」と名うった侵略戦争において、自国民の生活と命ばかりか、「焼き尽くし奪い尽くし殺し尽くす」残虐さで2千万人ものアジアの人々の命を犠牲にしておきながらまともな謝罪一つしない、こういう国は愛されるに値しない。平和憲法を駆使して世界中から戦火を一掃するといった「愛される努力」とは反対に、国際法に違反しているイラク侵略戦争へ憲法違反の自衛隊をイラク特措法にさえ違反して派兵するといった「嫌われる努力」ばかりをしている。戦争で大儲けする支配層が庶民を戦争へ駆り立てる。

 つまり、こういうことだろう。嫌われることを今後もっともっとやる予定なので、嫌われることをしながら嫌われないようにする為に、もしくは、お国のためとあらば嫌われることを平気で出来る人間を作る為に、「愛」の本質に反する「愛の強要」を必要としているということだ。こういうのをヒッチャカメッチャカという。

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 述べている事は何か、と同じくらい、述べているのは誰か、も重要だ。都教委は昨年10月、入学式や卒業式で「国旗は会場の舞台壇上の正面に掲揚」「司会が国歌斉唱と発声し起立を促す」など細部まで定めた通達を出した。全国の学校で、教職員への締め付けや処分が横行している。こういう「内心の自由」を奪う「命令と服従」が好きな人たち、本当の「愛」を知らない人たちが、「国を愛する心」の推進者なのだ。

 戦前・戦中、「天皇のために喜んで死ぬ」教育=洗脳が子供達になされ、非国民とされた者へはフツーの民大衆が差別・イジメ・村八分を行った。「国を愛する心」は「差別・イジメの心」を育んだ。またナチスにおいても党員の最大勢力は教師だった。

 現在、日教組の連合路線屈服で防波堤を失った子供達には、教育の新自由主義グローバル化が襲っている。大阪の中学校で3年生に数学の能力別コースについてアンケートをしたところ、三分の二が賛成と答えたという。差別・競争・能力主義が子供達の心へも浸透してきた。

 「国を愛する心」教育の最大の被害者は子供達だ。子供は、本来、本当の「愛」に包まれ埋まれ占拠されてしまうのが仕事であり、人を信頼したり人生を楽しいと実感したりするのが仕事なのだ。それなのにそれなのに、それどころか、憲法改悪=教育基本法改悪による「戦争を行う国家作り」の道具にされようとしている。

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教育基本法改悪案は公明党のお家の事情で今国会提出は見送った。敵の足並みが揃いきらないこういう時期こそが、反対運動にとってチャンスだ。国民保護法制とか労基法・労組法改悪策動等々一つ一つにきっちり反対していくことも重要だ。

 4・28処分は「差別を許さない」越年闘争への報復処分だった。「差別を怒る心」は「人を愛する心」であり、「国を愛する心」の対極にある。官僚の中でも、文部官僚と郵政官僚が最もワカラズ屋で反動体質を持っていると言われてきた。両者を串刺しにイテコマシテやることを4・28闘争はめざす。

名古屋哲一(郵政4・28免職者)

郵政九州労組・郵政近畿労組吹田千里支部「機関紙1月末号」掲載

*タイトルはレイバーネット編集部


Created byStaff. Created on 2005-09-04 20:41:05 / Last modified on 2005-09-29 06:44:52 Copyright: Default

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