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木下昌明の映画の部屋・第137回 | ||||||
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震災後1年に問う映画――原発と放射能あれから1年たった。が、原発の大惨事は収束のメドが立たず、福島の人々は帰れずに放り出されたままである。 昨年、惨事の直後に『100,000年後の安全』を公開した東京・渋谷のアップリンクが、震災から1年を機に3本連続で原発・放射能関連映画を公開する。 1本は既に上映中のニコラウス・ゲイハルター監督『プリピャチ』。チェルノブイリ事故(1986年)から12年後の作品だ。プリピャチは4キロ圏にある元原発労働者の居住区で、当時5万人近くが暮らしていた。監督は、無人化した街に住む老夫婦や稼働中の原発の技術者、関連施設で働く人々にインタビューしている。環境研究所の女性は「昔は鳥も飛んでいた。たくさんの鼠もいたが、今はもう空っぽの街よ」と話す。そのSF映画のような街の光景は福島だけでなく、日本の未来を暗示しているようだ。 では今の福島は? 3月17日公開の2本目は、佐藤武光監督『立入禁止区域・双葉〜されど我が故郷』(写真)。映画は寸断され陥没した道路と「これが浜通りの現実です」というショッキングなシーンから始まる。双葉出身の監督は白い防護服で、検問所を問答の末に突破、同郷のよしみを活かして被災者の生々しい証言を聞き出す。地元出身の歌手が津波で流された自宅跡を訪ねる場面は切なく、避難者が二つに引き裂かれていくシーンでは考えさせられる。双葉の有志による手作り感があり、震災後の臨場感が迫ってくる。 3本目は4月7日公開、フランスのマーク・プティジャン監督『核の傷:肥田舜太郎医師と内部被曝』。今問題になっている内部被曝を最初に警告した医師に焦点を当てている。彼が最初に気付いたのは原爆投下時の広島で、被爆していないのに瀕死となった男性の「ピカに遭っとらんけんねー」の一言からだった。 また、占領軍の被爆者用病院(ABCC)は、患者の治療ではなく、原爆の効果を観察するためだったことなど、隠された戦後史もあぶりだしている。(木下昌明/『サンデー毎日』2012年3月25日号) 〔付記〕 最近になって日本のドキュメンタリストによる東日本大震災のドキュメンタリーが何本か公開されるようになりました。わたしは、いまのところ上記で紹介した『立入禁止区域』と森達也ら4人でつくった『311』しかみていませんが、とりあえずこの2本の映画について『月刊東京』4月号に「震災後の現実をどうとらえるか」と題して批評しましたので、関心のある方は『月刊東京』編集部へFAX(03-5976-2573)してください。 また、同誌3月号で「人間はハエや金魚と同じ」と題してかいた批評は話題になり、小冊子『再考再論』33号に再録されました。これも未見の方は、一読され、できれば感想などお寄せくだされば幸いです。『再考再論』は績文堂出版のFAX(03-3293-1123)にお願いします。 Created bystaff01. Created on 2012-03-20 22:54:52 / Last modified on 2012-03-20 22:56:38 Copyright: Default |