本文の先頭へ
LNJ Logo 韓国:[イシュー(4)]公共医大を出れば本当に薮医者になるか
Home 検索
 




User Guest
ログイン
情報提供
News Item 202010004
Status: published
View


「医師公務員、看護師公務員をもっと増やさなければなりません」

[イシュー(4)]公共医大を出れば本当に薮医者になるか、医療無知者は気になる

チョン・ウニ記者 2020.10.02 08:03

なぜか白いガウンを着たその人たちの前に座るだけで、 慎ましい子供になったような気がする。 従順に座って、アーしろと言われればアーして、オーしろと言われればオーする所に座っているあの人たち。 それでも机の向こう側の鷲打法が時々眼に付くことはあった。 しかし突然、舞台に頭をくっつけていた医師代表という人が鉢巻きまで巻いて 「全面ストライキ」を叫んだ。 医者たちは政府の医師定員拡大計画にただ反対するだけでなく、行動を起こした。 医師ストライキは専門医ストライキから始まり、 開業医と医科大学生のストライキ休業に広がり、 一瞬のうちに全国が大騷ぎになった。 その上、各種のフェイク・ニュースも飛び交った。 果たして誰の話が正しいのだろうか? 「ワーカーズ」は専門家たちに直接尋ねた。

医師ストライキを見る心情は? そしてなぜ反対したのですか?

2種類の感情がわきます。 一つはコロナ19がまた拡散している時点で、医者が自分の利益のためだけにストライキしたという点が惨憺とします。 一方では町内の病院の倒産率が増加し続けていて 医者の不満がストライキとして現れたのではないかという気がしました。 それでも名分のないストライキでした。

それでストライキには参加しませんでした。 それでもわれわれ地域の医者は70-80%も参加したそうです。 医師-患者の間には診療関係が重要ですが、 今回のストライキでそれが破壊されるのではないだろうかと心配になります。 今度は力で押し通しましたが、これから医者が孤立しそうです。
アン・ジョンホ(内科開業医)

韓国社会に小さからぬ波紋を呼び、 乖離感や衝撃も大きかった。 政府が4日で降伏したましたが、初めてのことです。 政府に反対した時、こんなに早く妥結したことはないようです。 この威力は労働者民衆の健康と生命を担保にしたから可能で、 それだけ悲しいことでした。
チョン・ヒョンジュン(健康権実現のための保健医療団体連合)

政府と市民社会団体は医師数が足りないと言いますが医師協は政治的主張に過ぎないと言い張っています。いったいどちらが正しいのですか?

医師集団は増加率が多く接近性が良い医療機関が少なく、 医師は不足していないと主張しています。 それぞれを見れば妥当性がなくはないのですが、すべて誤った主張です。 増加率は基本的に計算がおかしいのです。フェイク・ニュースです。 そもそも医師数が少なくて分母が少ないので増加率が高いのです。 韓国の医師数は10万人当り7.3人で、OECD平均にも至りません。 接近性が良いのは事実ですが、過剰診療でその条件そのものが壊れている点を認めると、 その結果は変わります。 韓国では医師1人が1日に患者150人を診療します。 診療時間が何分かで終わってしまうからでしょう。 他の国のようにこの時間を10分、20分と増やせば、 診療を受ける所が不足します。 医療機関がなくて医師数が多いというのも短見です。 医師人材を養成するには最低12〜13年かかりますね。 軍服務を入れればさらに長くなります。

絶対的な医師数は決まっていません。 医療は資本と労働の間の再生産体制の一部ですね。 それで医療人員が多ければ民衆には良いことでしょう。 ところが費用(教育、施設など)がかかるので、 どの水準の質を担保するのかをまず話さなければなりません。 キューバと比較すると理解しやすいです。 医師数を増やして普遍的な健康権向上を追求するのがキューバ式モデルで、 韓国は技術医学の面では多様なものを供給して良い面がありますが、 医師数は不足して格差が大きいのです。 重要なことは韓国で医師数をどの程度保有することが社会的に意味があるのかを語ることです。

今回、医師集団が強く反発しているのは、集団利己主義で根拠は殆どありません。 唯一医師需要創出理論というものがあるのですが、 市場化されている環境で医師数を増やせば需要も増えるということを説明する理論です。 これを医療に適用すれば、医療が過剰供給されれば病気ではない病気を創り出すという調子で、 市民や消費者団体が批判的に主張することはできますが、 これは医療供給者が言うことではありません。 医師集団がこれを主張するようになれば、 市場化された土台で自分の処遇を向上しようとするものですからとても危険な見解になりますね。
チョン・ヒョンジュン(保健医療団体連合)

公共医大を出ればヤブ医者になるというのですか? 医師協傘下の医療政策研究所は 「毎年全校一等になるため学生時代勉強に邁進した医師」と 「成績はとても悪いがそれでも医者になりたくて推薦制で入学した公共医大医師」のうち どちらを選ぶかというカード ニュースも出しました。

全く事実無根でしょう。 ソウル大医大も無償ではありませんか、国公立大ですね。 最近問題になった西南大医大も不正だらけの私立財団が運営したから廃校になったのです。 否定的なイメージ メーキングです。 公共に対する敵対感、優勝劣敗神話から出たことでしょう。 内部序列も付けて。 韓国の医師集団が海外とは違って自営業者マインドが多いのですが、 数字が増えるのが嫌で、公共が入ることも嫌いだからです。

選抜方式にも議論がありましたが、 長(チョ・グク)事態の時の公正議論が再演されました。 だがフレーム自体が既得権の公正というのは問題でしょう。 これをインターネットカフェや保守言論が同調して議論が拡大しました。

また推薦制で選抜するというフェイク・ニュースが広がって問題になりましたね? しかし、それでも推薦制が公正ではないというのは既得権層の観点でしょう。 結局、成績だけで選ばなければならないという話ですが、 地域で働く医師を選抜するには、社会的献身がさらに重要ですが、 これを無視しています。 競争過多の局面で試験に代表される能力主義モデルが標準化されたのは悲しいことです。 問題になったカード ニュースが公式的な医療集団から出たとことも、 彼らがいかに社会一般から分離した既得権になっているのかを確認できます。 重ね重ね深刻な問題になるだろうと思います。
チョン・ヒョンジュン(保健医療団体連合)

医師ストライキで政府がひどい目にあいましたが、地域格差を考慮すれば間違いとも言えないのではありませんか? どうすればきちんとした医師の需給を保障できますか?

開業医は不足していません。 問題は専門医と中小病院です。 開業医は自営業で、中小病院は誰かが設立しますが、 公共が設立しなければ難しいのです。

地域の医師数が少ない理由としては、供給が不足しているのか、月給が低いからか、 でなければ働きたい環境ではないのかなど、いろいろ理由があります。 医師も地方よりソウルを好みます。 複合的に作用しています。 では政府が案を発表して、現象を診断して中小病院級の人員需給がなぜ不足しているのか、 そしてどのように解くのかをきちんと説明しなければならなかったのですが、 それができませんでした。 韓国はどの地域でどんな診療が必要なのかについて推計を出したことは一度もありません。 総量が不足している状況で市場の論理について行っているのです。 その役割を国家が責任持って引き受けて配分するべきなのに、 単に人員を増やして地域ごとに10年の義務服務をすると機械的に言ったのです。 医師人材の企画過程を専門担当する公的な組織がなければなりません。
パク・ヒョングン(済州大医学専門大学院)

資本主義社会で医師が点数の高い皮膚科や整形外科を好むと非難することができますか?

社会がそうなんですから、非難できません。 しかしその渦中にも忌避地域や診療科で働こうとする医者たちがいます。 医療報酬点数というのは工場で生産する商品の価格と全く同じです。 医師の診療時間が短くて労働が大変だという話は、点数が全般的に低い問題もありますが、 (商品のように)生産プロセスをはやく回せば利益をあげられるからでしょう。 点数は市場の論理です。 しかし医療は公共性を考慮しなければなりません。 点数以上の違う方式が必要です。 公益的に接近するには相当な投資が必要で、国民もその責任を分担しなければいけません。
パク・ヒョングン(済州大医学専門大学院)

キューバの医者を「白いガウンの奴隷」と呼ぶマスコミもありました

嘘です。フェイクでしょう。 出処も不充分で、意図的に歪曲されたのです。 社会主義医療をけなすためにです。 コロナ19で海外に派遣に行った医者からキューバの医者は自負心を感じて 満足していると聞きました。

個人的にはキューバの医療システムが好きです。 キューバは予防医療中心に医療サービスが構築されていて、 家庭医療、1次医療システムがよく組まれています。 環境や社会医学的な根拠に基づいて医療サービスを施行しています。 保健医療本来の価値をいちばんよく表わしているモデルなんです。 また誰でも平等に医療サービスを享受できるように健康制度が設計されています。 医師教育が無料で、100%国有化システムでしょう。 医療手術が遅れていて、待機期間が長く、経済封鎖で医薬品供給もうまくできない問題があることはあります。 それでも嬰児死亡率が世界で一番低いのです。 この医療水準を維持するのはすごいことでしょう。
アン・ジョンホ(内科開業医)

崔大集医師協会長のような人は文在寅政府が社会主義政府だと言います

文在寅(ムン・ジェイン)政府が一部医療権を高める政策をそういえばしました。 保障水準を高めることですが、そこまでです。 あとは医療産業化政策でしょう。 韓国型ニューディール政策といいながら、 医療テクノロジーに途方もなく投資したりもしました。 ですから社会主義政策ではなく、徹底して資本主義的に医療民営化を施行しています。

右派は一部を見て社会主義と騒ぎます。 今回も政府の措置が問題はありましたが、 基本的には医師数を拡大すれば自分の利害に反するから社会主義だと批判したのです。 生存権ストライキというよりもイデオロギー的なストライキだったと思います。
アン・ジョンホ(内科開業医)

ところで政府は本当に公共医療を拡充する気はあったのでしょうか? 来年の予算案を見ると公共医療拡充予算はほとんど反映されていません。当初、文在寅政府の公共医療政策に対する期待があったのでしょうか?

文在寅(ムン・ジェイン)政府は保障性拡大はそれなりにがんばったのですが、 地域格差解消や公共病院投資には粗雑でした。 李明博(イ・ミョンバク)や朴槿恵(パク・クネ)政権の時期とあまり違わなかったのですから。 本来あまり期待もしませんでした。 公共医療というものは政治家にとって票にならないのです。 金はかかるのに、見返りは容易でありません。 医師の人材問題に触ってこの事件になったのですが、利害関係は複雑です。 例えば、医療空白解消のために800病床規模の総合病院作るといえば、 その地域の開業医が何と言うでしょう。 地域の政治家、公務員の利害関係がみんな衝突します。 公共医療をきちんとやるということは、政権を投げ出す覚悟をしなければ難しいです。
パク・ヒョングン(済州大医学専門大学院)

政府と医師協がコロナ19安定化以後に協議体を構成して原点からすべての可能性を開いて議論し直すと合意しました。何かきちんと議論するにはどうすればいいでしょうか?

優秀な成績の学生の多くが医科大を志望する例は世界ではあまりありません。 韓国では医大、薬科大、獣医大など、ライセンスがある学科が好まれます。 雇用の安全性が保障されないため、この奇怪な構造ができたのです。 教育の問題のためです。 社会の一員として生きる素養ではなく、点数が重要なのです。 勝利し続けなければならない人生が重要で、 そんな人生のためには自分の勝利だけでなく、 他人の敗北も重要になるのです。 ですからこの風土から変えることが本当に重要です。

代案を考えると、まず公共医療機関から拡大しなければなりません。 機関数を増やせば医療人員の拡大も、低い水準でも可能です。 公共医療機関を増やすことから始めなければ、この局面を打開するのは難しい。 そして人員基準を強化しなければなりません。 韓国は民間資本が運営するので基準というもの自体がありません。 今は市場主導式で人員には投資せず、検査や検診は工場システムで回しています。 最後に公的構造で雇った医師が多くならなければなりません。 公務員医師、公務員看護師が多くならなければならないということです。 ヨーロッパやカナダの医大はみんな無償教育です。 医者が公共マインドを持って公務員や準公務員として、 社会的な役割を果たせるようにしなければなりません。 政府はバイオヘルス産業を主張し続けていますが、 産業化を続ける方向に行くと答はありません。
チョン・ヒョンジュン(保健医療団体連合)

医療人員の公共性をどのように高めるのかについて話さなければなりません。 医師自身が自分の労働過程についてまず案を出さなければならないのです。 前には医師集団が国家と資本から統制されずに自分で決定ができました。 しかし現在は全く違います。 そのために今回は医師集団が医師人材の公共性をどう高めるのかについての案を出すべきだと思います。 国家は養成課程に金を使わなければならず、管理しなければなりません。 うまくいかないだろうと思いますが。
パク・ヒョングン(済州大医学専門大学院)

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2020-10-12 02:41:21 / Last modified on 2020-10-12 05:45:58 Copyright: Default

関連記事キーワード



世界のニュース | 韓国のニュース | 上の階層へ
このページの先頭に戻る

レイバーネット日本 / このサイトに関する連絡は <staff@labornetjp.org> 宛にお願いします。 サイトの記事利用について