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日本に必要なのは不買運動よりも「国体変革」ではないか

[ワーカーズ]社会主義探求領域

カンフ(社会運動に関心が多い) 2019.07.26 12:54

#1. 「愛国か利敵か」

日本の経済報復事態が解決の兆しも見せず、 日本製品不買運動も高まる雰囲気です。 積極的に不買運動に参加しなくても、 たとえばスーパーやコンビニで日本のビールを買う時に他人の目が気になったりもします。 政府側指向のあるラジオ放送は、最近毎日 不買運動のインタビューを送りだしています。

政府は日本が輸出規制を強化した半導体核心素材を国産化することに総力を傾けるとし、 「非常措置」を出しました。 労働部長官は今の事態が「社会的災難に準じる」と規定して、 該当の素材開発に関する業種では週52時間に制限された労働時間制限を緩和するそうです。 資本家は「規制により、これまで核心素材開発ができなかった」と主張して、 化学物質をはじめとする産業安全関連規制を解いてくれと要求しています。 日本の経済報復の責任を韓国政府のせいにするのに余念がない自由韓国党までが これに応えて 「週52時間例外、化評法(化学物質の登録および評価などに関する法律)改正などの 規制緩和や、必要なさまざまな労働法改正問題などをパッケージにして持ってくれば、 超スピードで処理する」と羅卿ウォン(ナ・ギョンウォン)院内代表が直接話しました。

この状況で、制限ない労働時間と、何だかわからない化学物質露出に反対すれば、 労働者たちは「利敵行為」をすることになるのでしょうか? 韓国で半導体の生産をはじめてから数十年が過ぎました。 これまでなされなかった「核心素材国産化」が突然、 労働者たちを無制限労働に叩き込んだら魔法のように実現できるのでしょうか? 今でも半導体生産工程で労働者たちはあらゆる化学物質に囲まれて働き、 希少病にかかってもサムスンはどんな物質を扱っているのかさえ 「営業秘密」だと言って明らかにしないのに、 ここでさらに規制を緩和しろと言えば いったいどれだけ多くの人をまた死に追いやるのでしょうか?

半導体産業における核心素材の国産化が短時間には決してできないことは、 資本家自身が一番よく知っているでしょう。 この数十年間、国産化の試みがなかったわけでもなく、 今までそれがなできなかったので、 長い間、彼ら自身が核心設備と素材を日本から輸入しました。 結局「愛国か利敵か」のフレームを一番効果的に活用するのは資本家です。 この局面でさえ、彼らはどうすればさらに労働者を使い捨てられるかに没頭するのです。 核心素材の国産化に失敗しても、彼らは無制限労働と化学物質規制緩和という 確実な利益を得るのです。

#2. 不買運動、国産化、「現実外交」…日本は止まるか

明らかに、日本の今回の経済報復は植民支配の罪悪を否定する安倍政権に責任があります。 それに対する怒りが日本製品不買運動としてあらわれるのも、 大衆的反感の一番直接的な表出でしょう。 問題は、この事態を「不買運動と素材国産化」では解決できないという点で、 さらに、たとえ両国政府が「外交的解決法」である種の合意をしたとしても、 これからの韓日間の緊張はさらに高まるしかない構造的な原因が存在するという点です。

たとえば、2018年に韓国が日本から輸入した品目のうち、 消費財比重は6.5%に過ぎないそうです(京郷新聞7月22日付報道)。 対日輸入のほとんどは設備と素材などの生産財と中間材が占有するというのです。 結局、韓国の最終消費者が日本の衣類やビールを不買しても、 その波及力は一定部分、制約的にならざるをえません。 生産財と中間材の場合、その消費者は国内の資本家なので、 彼らが不買運動に参加して生産を中断する可能性は見てもいいでしょう。 反対に、輸出規制品目が増えないことだけを望むのでしょう。

一方、素材国産化の場合、長い期間にわたって相当な費用投下が必要です。 さらには成功するという保障もありません。 その上、すでに日本で良質の素材を生産しているのに、 これを新しく開発するために(企業であれ政府であれ)の金と時間を一度に注ぐというのは、 韓日対立の問題を排除すれば一種の重複投資であり資源の浪費です。 たとえ「限界を超えた努力」の末に特定品目の国産化に成功したとしても、 両国の対立が続けば日本の追加輸出規制であれ、リスクを避けるためであれ、 他の品目の国産化圧力も受けることになるでしょう。 こうなると、簡単に輸入して使えていた素材を直接開発するために、 資源を投入し続けなければなりません。 構成員の生活の質を高めるために使えたはずの社会的な富と資源が浪費されるのです。

さらに大きな問題は、今の体制では韓日間の対立が深刻になるしかないということです。 その構造的な問題の背景には米国があります。 簡単に言えば、米国は東北アジア地域で中国を封鎖するために 日本の再武装を積極的に促してきました。 安倍政権が日本の自衛隊の役割を攻撃的に拡大することを一番歓迎したのも米国でした。 これは日本の右翼支配勢力をあおって韓国と継続に対立を生む状況を作ります。 中国と米国の覇権競争が深化すれば、米国はさらに日本の軍事化を要求するでしょうし、 日本の支配勢力はこれに呼応して膨張と挑発の強度を高めていくでしょう。 ですから米国に「仲裁」を要請すること自体が空しいことこの上ありません。 2015年の慰安婦合意を勧めたのが、まさに米国のオバマ政府でした。

結局、韓国と日本を構成するこの体制を変えなければ、対立は繰り返されるでしょう。 両国の労働者たちは「愛国」を前面に出したそれぞれの資本家から搾取されながら、 逆に互いを憎むようになり、 莫大な社会的資源を浪費したり、軍事費支出に注ぎこむことを見なければならない悪循環が続くでしょう。 「現実外交」という美名で日本右翼の挑発に屈服することもなく、 韓日両国の民衆が本当に敵対と憎しみを清算して、 共に繁栄する新しい秩序、まさに社会主義的な韓日関係を想像してみる時です。

#3. 社会主義的韓日関係

社会主義の日本は何よりも米国の「東北アジア代弁者」の役割を拒否するでしょう。 米国の軍事基地の役割ももう遂行しなくなるでしょう。 帝国主義的覇権競争に飛び込んで莫大な軍事備を支出する一方、 戦争の威嚇を高めさせることは日本の民衆になんら役に立たないからです。 米国との軍事同盟を断絶することにより、 社会主義日本は軍事的な膨張をあおる構造的な問題から抜け出せることになります。 その代わりに、軍事的膨張に注ぎこまれた社会的な資源はすべて日本の民衆の生活の質を高めるために使えるようになるでしょう。

たとえば現在、日本で安倍政権が推進する(戦争可能国家への)改憲よりも関心が高い問題は、 まさに年金問題と消費税値上げです。 日本の金融庁は先月、ある報告書を提出しましたが、 「これから老齢人口の年金が不足して、 各世帯が自主的に2千万円程度の追加資金を用意しなければならない」という内容で、 大きな波紋を呼び起こしました。 安倍政権はこれについてきちんと解明せず、あわててこの報告書を「受け付けない」ことで事態を揉み消そうとしました。 一方、安倍政権は財政赤字を理由に2014年に続いて今年、また消費税を上げる予定です。 すべての国民が負担する消費税は上げるのに、 資本が負担する法人税は減免が続きます。 安倍政権は2014年には34%水準だった法人税を2018年には29%まで下げて、 20%まで負担を下げると明らかにしました。 この渦中で2019年の国防費は史上最高値を記録し、 安倍政権は長期的に国防費を2倍程増額する目標を立てています。 構成員の必要を第1の存在目的とする社会主義政府では、決して放置できないことでしょう。

膨張の根本的な原因を除去した社会主義日本でこそ、 植民支配に対する本当の自己反省と謝罪が可能でしょう。 日本の軍事的膨張を構造的にあおる今の体制では、 過去の日本帝国の時期を絶えず「復活させるべき栄光」と言い続けるしかありません。 ですから今の日本の支配者が、過去に対する反省と謝罪をしないのは、 あるいは当然のことかもしれません。 彼らにとってその過去は単に過ぎ去ったことでなく、 「また実現するべき未来」なのですから。 反面、以前にも日本帝国主義を糾弾して弾圧の中で植民地民衆と共に戦ったのが、 まさに日本の社会主義者たちでした。 社会主義者にとって帝国主義は、日本をはじめとする周辺国の民衆を戦争に押しやった災難です。

膨張の拒否と植民支配に対する謝罪に基づいて、 社会主義日本と韓国は、米国の覇権戦略によって無理に結ばされた「同盟」ではなく、 本当に両国民衆の相互和合と繁栄のための親善関係を結び、完全な友好国になるでしょう。 そしてここから今の貿易紛争を根本的に解決する端緒を見つけることができるようになります。

#4. 社会主義と自由な貿易

資本主義は地球全体に広がり、 国際的な供給鎖を形成して生産力を飛躍的に発展させました。 しかし同時に資本間競争、国家間競争、帝国主義的対立で、 その生産力を効率的に使えないまま数え切れない重複投資と過剰生産、 交易の制限も同時に持ってきました。 今の韓日間の経済的対立の問題も同じです。 物質的に見るだけなら、 それぞれが得意な分野に集中して交易して補完する時、 さらに大きな経済的利益を享受できますが、 交易に制裁措置を取って、 一方では相手が必要とする物品をきちんと供給できず、 他方では供給を受けられない物品を調達したり新しく開発するために資源を投入しなければなりません。 これは金と時間の浪費です。

社会主義では交易は非常に自由になされるでしょう。 一国家の構成員が必要とするすべての財貨を自主的に生産することは極めて非効率的であるばかりでなく、貧しくなるのが常です。 資本主義において、いわゆる「自由貿易」が問題になるのは、 それが構成員の多様な必要を豊かに満足させるのではなく、 国際的な資本が最大限の利益を奪うようにすることにその目的があるためです。 それで、たとえば公共部門に「自由な」資本投入を強制するために民営化を要求したり、 環境や安全などの問題で規制を加えれば「投資家に損害を与えた」と言って 無茶苦茶な損害賠償訴訟をするような不条理が一度や二度ではありません。 また一方では、無制限の市場競争が行われて、 相対的に脆弱な相手国の産業基盤を破壊し、 それにより大量解雇や構造調整を引き起こしたりもします。

しかし社会主義での自由な交易は、地球的生産の物質的豊かさを全て享受しつつ、 労働者が被害をうける事態を防ぐことがいくらでも可能です。 社会主義でのすべての経済活動は、資本の利益蓄積ではなく、 構成員の必要の充足でしょう。 これは交易にも同じように適用されます。 たとえば、社会主義日本と韓国が交易をすれば、 両国の国民が必要とする財貨とサービスが何なのかをまず確認するでしょう。 すでに膨大な経済統計を電子システムで処理する現代で、 そして国際的な企業がすべて需要による生産計画を樹立する今日、 これはそれほど難しいことではありません。

そのようにして構成員の欲求を把握すれば、 韓日両国の生産能力を確かめてみることになるでしょう。 もちろんすべての品目の生産能力をいちいち確認する必要はありません。 既に一定に根を張った生産分業体系がありますから。 国内生産より輸入の方が効率的なら、いくらでも輸入して使えます。 そのようにして節約した資源は構成員のために、 他の分野に投入できるので、決して損害とは見られません。 ただ、国内で同じ品目を生産する労働者の場合は、 韓国が生産を集中する他の分野で雇用を提供したり、 十分な報酬を支給して職業訓練期間を持てるように保障しなければなりません。 何よりも、韓日両国ともに労働者と市民が直接選出した代表が交易条件を共に議論して、 両国の選出された代表機構で確認されることになるでしょう。 交易の結果、誰かに一方的な被害が発生しないようにするためにです。

平等な関係の上で、一方的に被害を受けて生存権を剥奪されることなく、 誰もが豊かな生産力の結果を享受する自由で開放された交易。 しかし資本主義はこの平和な交易条件を絶えず自ら破壊します。 最近、多くの経済界の人たちが「自由貿易回復」のために日本との「外交的交渉」に出ることを注文しています。 しかし韓国と日本を縛っている国際秩序と権力構造が変わらなければ、 経済を武器にした挑発と対立はいつまた出てくるかわかりません。 そのたびにまた不買運動や国産化運動、 あるいは「現実外交」を繰り返すのでしょうか? 1925年、日帝は今の国家保安法の母胎になった「治安維持法」を制定します。 これで朝鮮と日本の社会主義者を「国体を変革しようとする者」と規定して 苛酷な弾圧を加えました。 90余年経った今、私たちに不買運動よりさらに必要なことは、まさにこれではないかと思います。 日本と韓国の「国体を変革しようとする者たち」がまた手を取ることです。[ワーカーズ57号]

原文(ワーカーズ/チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2019-07-26 16:43:28 / Last modified on 2019-07-26 23:23:06 Copyright: Default

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