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「地域運動が労働運動の展望だ」

[インタビュー]ソウル地域幹部ストライキ準備中のイ・ジェヨン民主労総ソウル本部長

イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2007年11月26日16時28分

ソウル地域初の地域幹部ストライキの準備が行われている。

民主労総ソウル本部は要請文で、「11月27日はソウル地域のすべての連帯単位 とすべての現場単位の幹部が一堂に会してイーランド-ニューコア闘争に代表さ れる懸案非正規闘争事業場勝利と非正規悪法廃棄をする日」と述べた。

民主労総ソウル本部はそのために11月13日から現場を巡回してストライキを組 織してきた。ソウル地域現場を回り、ソウル地域幹部ストライキ組織化に余念 のないイ・ジェヨン民主労総ソウル本部長と会った。

▲イ・ジェヨン民主労総ソウル本部本部長/イ・ジョンウォン記者

「ソウル地域の地域運動の成果を評価する契機に」

彼はソウル地域初の幹部ストライキについて「必ずうまくいく」とし、「ソウ ル地域を中心とする十数年間の地域運動の成果を評価する重要な定規になる」 と説明した。明日(27日)の『ソウル地域幹部ストライキ宣言大会』は、民主労 総ソウル本部が発足して初めて単独で開催する大衆政治集会でもある。

今回のソウル地域幹部ストライキは、韓国社会の核心問題でもある『非正規職』 問題で進められる。ソウル地域には、イーランド-ニューコア労組、コスコム非 正規職支部、KTX列車乗務支部、キリュン電子分会、九老鮮京オフィスホテル分 会、ルネサンスホテル分会、学習誌労組ハンソル分会など多くの非正規職労働 者が闘争を続けている。

イ・ジェヨン本部長は「非正規法の施行以後、多くの非正規職労働者が整理解 雇され、労組を作ったという理由で解雇されるなどで生存権は瀬戸際」とし 「10月末に民主労総全北本部がイーランド問題を掲げて地域ストライキを行い、 2千人も集まった。ソウル地域でも『蟻軍団』と呼ばれる中小零細事業場労働者 たちの力を見せる」と話した。

「私が動いたのだから世の中は変わる」

イ・ジェヨン本部長は「私が一歩動いたのだから世の中は変わる」という言葉 を組合員に伝えた。イ・ジェヨン本部長は「20数年前から今がまで、われわれ は多くの烈士を送った。烈士の闘争を忘れてはいけない」とし「単純に集会に 来たという意味を越え、非正規職労働者の現実を皮膚で感じ、非正規職撤廃の 真心を集める場にすべき」と明らかにした。

またイ・ジェヨン本部長は「地域運動の重要性を骨身に染みて感じている」と 言う。苦しい時に共に戦い、互いを守ってくれるのは、すぐ隣の事業場の労働 者たちだという。イ・ジェヨン本部長は「地域を中心とする運動が労働運動の 展望だ」とし「すぐ隣の仲間たちと喜びを享受し、悲しみを分かちあう地域社 会労働運動が今必要だ」と指摘した。

以下はインタビュー全文。

現場巡回をしているがソウル地域ストライキへの現場の雰囲気はどうか。

▲イ・ジョンウォン記者

労働者大会からあまり経っていないからか、当事者が受け入れようとする感じ はあまり高くはない。非正規法で苦しむ労働者と連帯すべきだという正当性は 認めていても、自分が立ち上がるべきなのかという点では少し差異があるよう だ。残念なことだ。また、11月27日は大統領選挙運動の初日でもあるが、大統 領選挙に対する雰囲気も良くない。以前は労働者出身の国会議員を作れば苦し みが解消されるのではないかという希望があったが、9人の国会議員が生まれて も希望が現実にならなかったことで多くの組合員が無関心になったようだ。

ソウル地域初の地域ストライキだという。その意味はどこにあるのか

非正規法が施行されたが、むしろ非正規労働者は整理解雇や労働組合を作った という理由で解雇されている。特にソウル地域にはこうした闘争事業場が多い。 ニューコア-イーランド、コスコム非正規職などの闘争で、世論の関心を集めて うまくやれるはずなのだが、実際はうまくいかない。また民主労総がイーラン ド-ニューコア非正規職問題で闘争をしたがまだ問題が解決していない。残念な 部分だ。こうしてほとんど一年が過ぎようとしている時点で、また大統領を選 ぶ重要な時期に、非正規悪法をめぐってソウル地域で何ができるのか悩んだ。

いろいろ悩んだ末、組合員の全面ストライキができないのなら、その代りにソ ウル地域の幹部ぐらいは闘争の決意を集めてみようと意見が集まった。一度だ けの決意大会の意味よりも、ストライキという用語を使って非正規法の問題点 を正しく知らせるために決意された。これは民主労総ソウル本部運営委員会で 全員一致で決意された。

ソウル地域という特殊性がある

そうだ。他の地域は、地域本部が民主労総としての役割が確実で、方針があれ ば全員同じように集まって執行する構造になっている。ソウルは総連盟があっ て、産別連盟があるので、これらを無視できない条件がある。それで総連盟と 産別連盟の方針により、組織しなければ難しいというのがソウルの構造だ。

だが、これまで一緒に地域事業をしてきた単位事業場は問題がなかった。すば やく同意が集まったし、単位事業場から今の幹部ストライキが必要だという要 求があった。中小零細事業場のいわゆる『蟻軍団』の部分はうまくいくのだが、 大きな企業単位は少し難しい部分がある。

今回の幹部ストライキがこれまでソウル地域で進められた地域運動を評価する定規だと考えてもいいのか。

そんな部分もありそうだ。慎重な部分だが、もし今回のストライキが失敗すれ ば地域本部の存立の有無をもう一度深刻に考えなければならないのではないか と思う。

こうした部分は現在の民主労総が産別に転換する過程の評価にならざるを得な い。産別転換がほとんど最終段階の今の時点で残念な部分がある。産別転換は 地域産別中心に行かなければならないが、実際に産別転換される部分を見ると 業種中心の産別だ。これでは果たして地域運動になるだろうか。産別に転換す るとしても、性急に進めるのではなく、その方向性を確かめながら行かなけれ ばならないだろう。それでこそ地域事業が活性化される。

▲イ・ジョンウォン記者

今回の幹部ストライキの問題は非正規職だ。また幹部ストライキは大統領選挙運動が始まる日に行われるというが、非正規職闘争における民主労総と民主労働党の動きはどう評価するのか。

結局、民主労総、民主労働党とも、与えられた条件の中で彼らなりに最善を尽 くしたと思う。ただ、一緒に努力できる部分を一緒にできなかった点が残念だ。 誰の間違いだというより、労働者自身がさらに一歩踏み出せば、今より良い状 況になったのではないかという惜しみがあるだけだ。

民主労働党は、非正規職闘争に接近する方式をめぐっていろいろ悩んだが、少 しずつ変わって行った。この変化の部分のために非正規単位との摩擦もあった し... こんな時だからこそ、もっときちんとした原則を持って、もっと真剣に 非正規職単位の組合員と対話しなければならなかったが、それができなかった のは残念だ。

民主労総ソウル本部運営委員会が出した要請文には、97年以後の労働者の闘争に対する評価があるが

私が評価するというのは生意気かもしれないが、とにかく重要なことは個人が 運動する姿勢をどう持つのかだと考える。運動をする人ひとりひとりが現実と 原則の間でこれをきちんと昇華させて行かなければならないが、そうではない 部分があるようだ。今も難しい局面だが、これからでも非正規職労働者の闘争 を見て、学ぶところがあるだろう。今からでも心がけを新たにして新しい運動 を作り出さなければならないだろう。

一緒に幹部ストライキをするソウル地域労組の組合員に一言*

▲イ・ジョンウォン記者

正規職労働者の誰も、非正規法がうまくいっていると言う人はいない。これを 阻止できなければ正規職も非正規職に転落する現実だからだ。私は現場を歩き 回って、労働者たちがこれまで多くの烈士を見送りながら闘争をしてきた歴史 が、今の大韓民国の姿だとよく話す。変化のために多くの烈士を見送り、闘争 をしてきた歴史があったから、今の労働運動があるのだ。

私が一歩動いたのだから、世の中が変わるということを組合員が感じてくれれ ばいい。私が動かないのに世の中が変わることを望むのは二律背反だ。私自身 を変化させながら、同じように変化する力を今回の27日のソウル地域幹部スト ライキで集めてほしい。必ずこの日はうまくいくだろう。党、学生、貧民、各 団体も労働者の闘争に連帯することを決意したので期待以上の行事になると信 じている。単に集会だけではなく非正規職労働者の苦しい現実を共に皮膚で感 じ、非正規法廃棄を共に叫ぼう。

最後に地域運動をしている多くの労働者に望むことは

懸案問題が発生すると、一番最初に解決の糸口を見つけられるのは地域だ。連 盟もあるが、すぐ隣の事業場の仲間たちが最初のアシストをくれる。地域運動 が本当に労働運動に前進する道だ。中で現実的な問題だけで悩むのではなく、 近くの仲間たちと共に喜びを享受して、悲しみを分かちあえれば良い。これが 地域社会労働運動だ。一緒にやろう。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンス:営利利用不可・改変許容仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2007-12-03 13:44:21 / Last modified on 2007-12-03 13:44:22 Copyright: Default

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