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労組には60ウォン、脱退すれば2千万ウォン

[寄稿] LG財閥の特異な算法

イリュ・ハンスン(公共運輸労組ソウル地域公共サービス支部組織部長) 2021.04.20 11:14

「非正規職もうやめろ1100万非正規職共同闘争(以下非正規職もうやめろ)」は 地域と業種を越えて、非正規職当事者らの直接行動を下からの建設するために作った自発的な共同行動の会です。 △すべての解雇禁止! すべての労働者に四大保険適用! △すべての労働者の労組する権利保障(労組法第2条改正) △『つぎはぎ』重大災害処罰法改正! △非正規職撤廃! など 働くすべての人々が「働いて死なないように、差別されないように」 闘争して実践しています。

「非正規職もうやめろ」は毎月発行するオンライン ニュースレターの記事から 「非正規職の叫び」と「闘争ニュース」を2月号から 非正規職もうやめろ公式ブログと民衆言論チャムセサンに同時掲載します。

[出処:公共運輸労組ソウル支部LGツインタワー分会]

現金2千万ウォン。 清掃労働者がLGからもらう金額です。 労働組合から脱退さえすればいいのです。

2019年、LGツインタワーの清掃労働者が労組に加入して生活賃金を要求すると、 LG使用者側が出した引上げ案は10ウォンでした。 1年の交渉と闘争の末に最終的に60ウォンが出てきました。 60ウォンなら1か月1万2500ウォン、1年で15万ウォンに該当する金額です。 それまで清掃労働者はほぼ最低賃金でした。 手当てもなく賞与もないのに「賃金切り捨て」はある最低賃金でした。 税抜き2千万ウォンはそのように清掃労働者が受け取る税抜き最低賃金で 1年分の賃金に該当する金額です。

2020年11月、用役業者を変えるという通知でLG側はまったく雇用継承はないと釘を打ち込みました。 個別面談で数百万ウォンの慰労金を提示して、辞表にサインするよう懐柔しました。 その後も着実に携帯メールで、知人を通して、組合員たちを揺さぶり、 個別に買収して労組を脱退させようとしてきました。

3月30日に交渉をしましたが、4月4日と5日に2千万ウォンで買収し、 組合員を脱退させました。 表で元請のSNIが文書で交渉を要請している間、 用役業者の「叔母さんの会社」ジスINCは裏で札束をつかって脱退工作をしたのです。 それこそ「幻想のコンビ」で、 LG側の元下請がどのように共謀して不当労働行為を実行してきたのかを よく示す事例です。

「不当労働行為は隠密に形成される傾向があり、 情況はあっても直接証拠を見付けるのが難しい場合が多く、 状況証拠だけで行為者を処罰するのには限界がある。 したがって迅速に捜査をして押収捜索などの方法で 客観的な証拠を収集確保することが重要だ。」

労働部の不当労働行為捜査マニュアルにはこう書かれていますが、 遠慮なく行うLG側の不当労働行為は3か月止まりません。 自分たちは絶対に捜査も処罰も受けないという確信があるようです。

50年前、裁断師の全泰壹(チョン・テイル)は自らのからだを燃料にして 勤労基準法を燃やしました。 惨憺たる労働条件を変えるために鼻血を流しながら夜中に勉強をした勤労基準法、 しかし平和市場ではひとつの条項、一文字も守られない勤労基準法、 実態調査をして監督官を訪ねて陳情書をだしても何も変わらない、 虚偽と欺瞞で綴られた法にたいして彼ができるのは 法典を抱いて火をつけることしかなかったのです。

[出処:公共運輸労組ソウル支部]

今日、清掃労働者はLGツインタワーの前で 労働組合法火あぶり式をしなければならないのでしょうか?

「勤労者が労働組合に加入したことを理由にその勤労者を解雇する行為」は 不当労働行為ですが、 なぜ3か月も清掃労働者たちは集団解雇された状態で 道端で暮さなければならないのでしょうか?

「勤労者が労働組合を組織または運営することに支配したりこれに介入する行為」は 不当労働行為ですが 一番困窮している労働者に巨額の札束を渡して労組から脱退させることが 白昼真昼に堂々と行われても、なぜ何の捜査も制裁もないのですか?

非正規職労働者が最低の権利を探すと労働組合を作れば 権利どころか職場に追い出されることがなぜ数十年も繰り返されるのですか?

なぜ不当労働行為の起訴率は10%に過ぎず、 21世紀にもブラックリストが闊歩し、 財閥の労組破壊ブローカーは堂々と歩き回るのでしょうか?

それで追い出され剥奪された労働者が抵抗を始めれば、 その時に初めて労働者の手足を縛るために作動する法、 そんな法をいったいどういう者が作り執行しているのですか?

1年間労働組合と交渉しても60ウォン以上は絶対に上げてやることができないが、 労組を脱退すればひとり2千万ウォンも払うという財閥が 何の制裁もなく横行しています。 一方では年をとった労働者が1年分の賃金を払うという提案も拒否して 関節が痛んでも動揺せずストライキ座り込みを守っています。 2021年の韓国はこのように分れています。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2021-05-01 17:05:20 / Last modified on 2021-05-01 17:05:22 Copyright: Default

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