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悪法復活の信号弾、人的事項申告を拒否したハン・サンニョル牧師緊急逮捕

扉を開けるために消防隊員まで呼んだ警察、「公安政局造成ための過度な執行」

ムン・ジュヒョン記者 2014.08.26 14:26

▲ハン・サンニョル牧師[出処:チャムソリ]

国際人権団体と国家人権委員会などから人権侵害の可能性が数回提起され、 国家保安法と共に反人権悪法と指摘されている保安観察法がまた水面に浮上した。

全州完山警察署は8月25日、 国家保安法違反容疑で昨年、3年の刑を満期出所した統一運動家ハン・サンニョル牧師(全州コベク教会)を緊急逮捕した。 理由は人的事項を管轄署に申告しなかったため、保安観察法に違反したという。

▲完山警察署は25日保安観察法による人的事項申告を拒否したハン・サンニョル牧師を逮捕した。[出処:チャムソリ]

保安観察法によれば、国家保安法で3年以上の刑を受けた場合、 出所以前または出所後7日以内に家族関係、入所前職業と学歴、居住予定地などを所轄の警察署に申告することになっている。 これについて3月24日、国際人権団体のアジア人権委員会は 「異なる考えや理念を持った人に対する無制限の処罰」とし、法の廃止を要求した。 国家人権委員会も国家人権政策基本計画勧告案で、保安観察法廃止または緩和計画を樹立するよう法務部に要求した。

そして保安観察法は国家保安法による処罰を受けた人が対象になるという点で、 二重処罰の議論も続いている。

車のドアを開けるために消防隊員も呼んだ過度な公権力執行

ハン・サンニョル牧師に対する逮捕作戦は緊急に行われた。 複数の意見を総合すれば、警察はこの日、逮捕することを決めてハン牧師がいるコベク教会の前に陣を敷いて待っていた。 続いて夜9時にハン牧師夫婦がコベク教会を出て移動すると、 約2Km尾行して全州の黒石谷交差点全州漢方病院前で車を止め、逮捕を試みた。

夜10時頃、この知らせを聞いて駆け付けた市民団体の関係者らは 「夜中にこんなことをするのか?」として「26日午前に調査を受ける」という意思を伝えた。 しかしこれは受け入れられず、完山から警察兵力1中隊を動員するなど強硬に出てきた。

この過程で車の中にいたハン牧師は抵抗をしなかったにもかかわらず、 警察は消防まで呼んだ。 これについて警察の関係者はハン牧師が怪我をするかもしれず、 救急の意味で呼んだと釈明したが、救助隊が持っていたのはハンマーだった。

▲警察はハン・サンニョル牧師が乗った車のドアを開けるために消防隊員を呼んだ。[出処:チャムソリ]

当時、現場にいた人権活動家は 「セウォル号以後、安全に対する国民の要求が高い状況で、 ドアを開けるために、市民の安全のために動くべき消防隊員も呼んだのは深刻な問題」とし 「セウォル号惨事にまともに対応できない政府が1人を逮捕するために消防人員を動員するのはひどい。 現場にいた市民もこの点を当時強く叱責した」と指摘した。

状況が長くなり、ハン牧師は弁護士と一緒に逮捕に応じた。 ハン牧師は逮捕の直前、 「統一なくして民主はなく、自主なくして統一と民主はないということをまた確認した」とし 「厳酷な現実を知った。国民とともに楽観して闘争する」と心情を伝えた。

ハン・サンニョル牧師、悪法には応じられないとし、陳述拒否権行使

8月25日午後11時に逮捕されたハン牧師に対する調査は、1時間近く完山警察署で行われた。 ハン牧師は陳述拒否権を行使したという。 ハン牧師の担当弁護士は 「すでに国家保安法事件の服役はすべて終えており、 特別な活動をせずに暮らしている」とし 「保安観察法のために人的事項を申告するのは良心に反し、不当だと思うので陳述拒否権を行使した」と話した。

▲警察は逮捕されたハン・サンニョル牧師を調査する間、兵力を配置して完山警察署を封鎖した。[出処:チャムソリ]

検察は拘束の有無を8月26日午後現在、決めておらず、 ハン牧師は徳津警察署留置場に拘禁されている。 ハン牧師は留置場で不当な悪法に抗議してハンストを始めた。

複数の関係者によれば、ハン牧師が保安観察法による人的事項申告拒否などの不服従行動が続くものと見られる。 ハン牧師が人的事項を申告したとしても、保安観察処分対象者になれば3か月ごとに行動を申告しなければならないなど、 特別な理由がなければ一生監視を受けなければならないためだ。

「批判の世論を静めるための公安政局造成の試み」

ハン・サンニョル牧師の拘禁の知らせが伝えられると、 全北地域の市民社会団体関係者は8月26日午前、 全州地検の前で緊急記者会見を行い、 保安観察法廃止と共にハン牧師の釈放を要求した。

▲全北地域の市民社会団体はハン・サンニョル牧師逮捕を糾弾する記者会見を26日午前全州検察庁の前で開いた。[出処:チャムソリ]

彼らは「逮捕令状の有効期間(29日まで)が残っている状態で、 最低の人道的な考慮もなく逮捕したのは過度な公権力執行」とし 「ハン・サンニョル牧師の逮捕は最近の朴槿恵政権に対する批判世論を静めるための公安政局を造成しようとする試み」と話した。

彼らが従北追い込みだと強く指摘する理由は、 ハン牧師の逮捕が大検察庁の指揮を受けているという現場警官の話が出てきたことから始まった。 当時現場にいたハン牧師の関係者は 「これまでこれと類似の事例から見ると、 ハン牧師の申告拒否は約80万ウォン程度の罰金刑程度」とし 「罰金刑に過ぎない違法行為にこうして対応するのは公安政局を造成する試みだと言うしか思えない」と考えを伝えた。

また、記者会見の参加者たちは 「保安観察法は居住移転の自由と表現の自由などの基本権を深刻に損なう」とし 「人権を侵害するこの法は司法的な手続きなく、 単に法務部の判断で保安観察期間が無期限に延ばされるなど、明らかに悪法」と話した。

彼らは「セウォル号遺族について、国家情報院が故郷にまで行って身上を問い質すなど、 大統領選挙介入の時のような荒々しい工作を試みているのではないかという疑惑が提起されているだけに、 公安弾圧の嵐に対抗してハン・サンニョル牧師と連帯する」と意志を明らかにした。

付記
ムン・ジュヒョン記者はチャムソリの記者です。この記事はチャムソリにも掲載されます。チャムセサンは筆者が直接書いた文に限り同時掲載を許容します。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2014-08-27 08:28:01 / Last modified on 2014-08-27 08:28:01 Copyright: Default

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