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『30分ピザ配達制』、米国では10年前に廃止

ピザハット労組は30分配達制を廃止...「根本的な労働環境改善を」

ユン・ジヨン記者 2011.02.08 16:08

昨年の12月12日、ピザ配達アルバイトの崔某氏が配達中にタクシーと衝突して 死亡するという事件の後、配達労働者の労働環境改善への声が高まっている。 特に被害者が働いたピザ業者をはじめ、多くの大型ピザ業者が『30分配達制』 などの速度競争に死活をかけており、配達アルバイトの青年が危険に晒されて いる。

これについて、青年ユニオンと労働環境健康研究所、民主労総サービス連盟は 2月8日午前、駅三洞のドミノピザ本社前で記者会見を行い、30分配達制の廃止 と配達労働者の安全指針作りを要求した。

10年前に米国で廃止された『30分配達制』、韓国では相変らず

30分以内に配達できなければ、お金で賠償するドミノピザの『30分配達制』は、 最初に本社がある米国で施行された。現在、韓国では『30分配達制』が運営さ れているが、米国ではすでに1993年にこの制度を廃止した。『30分配達制』を 運営することで配達員が事故に遭う事件が発生し、制度が廃止されたのだ。

だが韓国ではまだ『30分配達制』は有効だ。多くの配達労働者が危険にさらさ れても、企業は売り上げを延すために『サービス』という名で競争的な『30分 配達制』を守っている。雇用労働部によれば、最近5年間のバイク事故労働災害 は7081人にのぼるという。その上、すこし前まで『30分配達制』を施行してき たピザハットは、昨年だけで3人の配達労働者が事故で命を失った。崔某氏も、 該当会社支店のアルバイトだった。

これに対して民主労働党のホン・ヒドク議員は「配達労働者のほとんどが20歳 以下の予備労働者で、彼らは配達制の危険に裸で晒されている」として「特に、 米国で廃止された制度を韓国をはじめインド、ブラジルなどの国で施行してい るが、これが李明博政権が語る国格なのか疑わしい」と批判した。青年ユニオ ンのキム・ヨンギョン委員長も「雇用労働部は対国民キャンペーンだけで問題 を解決しようとしているが、何よりも青年配達労働者への根本的な勤労環境を 改善しなければならない」と強調した。

『30分配達制』や『チェムスチェック』のような配達速度競争をあおる企業の サービス政策は、すでにその危険性を十分に警告されていた。2006年、EU労働 安全保健庁は『青年労働者のための安全な出発』という報告書でバイク事故を 減らす多様な指針を作った。該当指針には「注文が遅れても絶対に速度を上げ るな」と要請、「会社の安全保健担当者から安全装具を受け取り、正しく着用 する権利」を明示している。

労働環境健康研究所のイム・サンヒョク所長は「30分配達制は、すでに危険が あらわれたが、会社の欲とこれを規制できない政府の政策が、若い青年たちを 死に率いている」とし「今こそ政府の規制と、企業が自己規制をする踏み台を 作らなければならない」と声を高めた。

ピザハット労組、『30分配達制』を廃止

国内の大型ピザ企業の競争的な速度競争が社会的な問題として認識され、実際 に『30分配達制』が廃止されたケースもある。ピザハット労組は1月24日に開か れた労使協議会で『30分配達制』の廃棄を案件に上程した。

ピザハット労組のキム・ヨンウォン委員長は「労組は労使協議会を通じ、もし 該当制度を廃棄しなければ、記者会見をはじめとする大々的な外部宣伝作業を すると使用者側を圧迫した」と明らかにした。結局、顧客評価制度の『チェム ス制度』の項目だった『30分配達制』は廃止され、ピザハットは2月1日からこ れを施行している。キム・ヨンウォン委員長は「ピザハットは労組があったの で解決できたが、ドミノ、ミスターピザは労組が組織されていないので、彼ら 労働者の組織と連帯の力が重要だ」と強調した。

だが『30分配達制』の廃止だけで、配達労働者の安全と労働環境が保障される わけではない。キム・ヨンウォン委員長は「同じ労働、過度な業務を引き受け ながら、配達労働者は非正規職で労働者として認められていない」と指摘した。

また彼らの労働環境について「店舗に適正な人員が配置されず、少数の労働者 が配達、皿洗い、清掃まで担当し、忙しく過度な業務で事故の発生率が上がる のも問題」とし「また、安全装置はすべて金のないアルバイトの持分なので、 一日もはやく会社が保護装具を支給し、現実的な安全教育を実施しろ」と強調 した。

参加者は記者会見の直後、ドミノピザ本店に抗議書簡を渡した。抗議書簡には、 △競争的な配達指針削除、△配達員安全確保、△配達員の安全装具支給の要求 事項が含まれている。

書簡を伝達されたドミノピザの総務理事は今後の方針については「何も言えない」 として席を離れた。

記者会見団は、ドミノピザをはじめとするピザハット、ミスターピザ、パパ ジョーンズ、ピザエタンの5つの業者に抗議書簡を渡し、2月22日までに信頼で きる回答がなければ、不買運動などの広範囲な実践運動を展開する方針だ。

『30分配達体廃止運動』には記者会見参加団体だけでなく、FaceBook、 Twitter、ダウム・アゴラ等を通じ、すでに千人近いインターネットユーザーが 参加している。また小説家のコン・ジヨン、ソウル大のチョグク教授、俳優の キム・ヨジンなどがツイッターで応援と賛同の意向を明らかにしている。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2011-02-09 06:08:30 / Last modified on 2011-02-09 06:08:31 Copyright: Default

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