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女性の日を『記念』できない理由

[3・8 100周年] 100年たっても変わらない女性の生

チョン・ジヨン(社会進歩連帯女性委員長)/ 2008年03月03日18時39分

「賃金を上げろ!」、「10時間だけ働こう!」、「労働組合結成の自由を保証しろ!」

3・8国際女性デーの由来になった米国の紡織工場女性労働者の蜂起のときの要 求だ。それから100年過ぎたが、女性の人生は相変らず貧困、低賃金、非正規職 という言葉を除いて説明することはできない。

昨年の3月8日、まさに女性の日にただ仕事を続けさせてくれと要求し、市庁を 占拠して無惨に強制解散させられた光州市庁清掃用役労働者は、1年過ぎた今も 仕事場に戻れず闘争を続けている。やっと最低賃金を越す低賃金と、常に強行 される解雇に対し、2005年8月にストライキを始めたキリュン電子労働者は、今 も工場の前で座り込みを続けている。非正規法案施行令を前にして、会社のア ウトソーシングの試みに反対し、ストライキを始めたイーランド、ニューコア 労働者も200日以上闘争を続けている。

しかしこれはいくつかの事業場だけの状況ではない。「最低賃金を現実化しろ! 生活賃金を勝ち取ろう!」、「アウトソーシングを阻止して正規職化勝ち取ろ う!」、「労働者性を認め、労組結成を保証しろ!」、「貧困と不安定労働を量 産する非正規悪法を撤回しろ!」。今日、ほとんどの女性労働者が叫ぶこうした 要求とスローガンは、女性労働者全般の現実を明確に物語る。非正規職と戦う 女性労働者、清掃、看病、保育など社会の維持に欠かせない労働でありながら、 女性なら誰でも当然できる簡単な仕事だという不当な低評価の中で低賃金と解 雇の威嚇に苦しむ女性労働者、労働者としての権利も奪われて労働組合を結成 することも難しい状況で、低賃金、長時間、不安定な労働で搾取される女性労 働者たちが、まさに今日の女性の自画像だ。

3・8国際女性デー100周年闘争企画団(闘争企画団)は、大多数の女性たちが処し ている貧困、低賃金、非正規職という現実を提起したい。

女性の社会参加の機会を拡大して雇用を拡充するという政府の政策が続いてい るが、イーランド-ニューコア、キリュン電子の女性労働者は自分の職場に戻れ ず、さらに多くの女性労働者が非正規職に追いやられたり、職務給制度と分離 職群制などの『永遠の非正規職』が主な雇用形態になるだろう。

仕事と家庭を両立できるようにしてやるという政策が続いているが、多くの女 性労働者は出産の義務と、労働者としての搾取の両方に耐えられなければなら ない境遇に置かれたり、家事手伝い、看病、老人ケア、保育など既に家庭で自 分たちがしていた仕事を低賃金、長時間労働に苦しみながら、職場でしなけれ ばならない境遇に置かれた。結局政府が語る女性雇用拡充や仕事-家庭の両立は 資本の利益のために女性の労働力を最大限に活用し、これを支えられるように 女性が自身の再生産労働の負担を他の女性労働者の低賃金労働で減らせという 言葉でしかない。

こうした状況で、3・8女性デー100周年は祝ったり記念する日にはできない。政 府と資本の要求が女性政策という名で包まれ、仕事と家庭の両方で女性労働者 の負担と搾取を深めている現実だ。こうした女性政策がある程度落ち着いたと いうが、また、全体ではなくても一部の女性には確かに進行しているというこ とが果たして祝うことなのか。

結局、女性政策の成果とは、アルファガール、ゴールドミス、増加する女性専 門職、高位職といったように、成功した女性の神話が非正規職女性労働者の現 実と最低賃金にも満たない賃金で、他の家のケア労働を一手に引き受ける貧困 女性の状況を圧倒して隠すこと、それが資本と支配勢力の成果だ。女性たちが こうした成果を奉る脇役になることはできない。むしろ新自由主義が要求する 低賃金、不安定な労働で活用され、再生産労働の負担を担う選択肢が女性の働 く権利に化けている現実を暴露して批判しなければならない。

したがって今日の3・8女性デーは、女性の闘争の日にしなければならない。

自分の権利と現実の要求まで、資本と支配勢力の必要により活用され、奪われ てしまった女性たちが、また自分自身の要求と権利を勝ち取る闘争に立ち上が るのだ。光州市庁、イーランド-ニューコア、キリュン電子、看病、保育、清掃 用役、学校非正規職、露天商、それぞれの具体的な状況と要求は違っても、女 性だという理由で、労働者だという理由で抑圧され、差別される共通の現実に 対する闘争をしようと思う。女性労働者自らが闘争の主体となり、互いに連帯 して、自分たちの不当な現実と戦うことこそ、女性の解放のために戦ってきた 3・8女性デーの意味と精神に最も符合するのだ。

闘争企画団は、「女性低賃金、非正規労働撤廃!女性労働権争奪!再生産労働の 社会的責任強化!」という要求を中心に、今この瞬間も闘争しながら、労働する 女性労働者の権利争奪闘争を全社会的に拡大していく。3・8女性デーを女性労 働者だけでなく、全労働者民衆の人間らしい権利を実現する社会のための闘争 の日にすること、女性/男性、非正規職/正規職労働者が女性労働者の要求と声 を媒介として連帯する日にすることは、闘争企画団を含む全体運動の課題だと いうことを繰り返し強調したい。

女性低賃金、非正規労働撤廃!女性労働権争奪!再生産労働の社会的責任強化!

3・8国際女性デー100周年闘争企画団

闘争基調

  • 女性の低賃金不安定労働と貧困の現実を暴露してそれに対抗した闘争を組織する。
  • 女性労働者の連帯、女性/男性、正規職/非正規職労働者の間の連帯を形成する。

主な要求

  • 女性非正規職を深化する非正規悪法廃棄!
  • 外注委託化阻止、正規職化争奪!
  • 女性非正規労働を固定する無期契約制、分離職群制反対!
  • 社会サービス労働者の労働権確保!社会サービス公共性争奪!
  • 最低賃金現実化、生活賃金争奪!
  • 移住女性の労働権、市民権保障!
  • 女性の貧困、不安定労働を拡大するFTA反対!
  • 女性の暮らしを悪化させる米国の対テロ戦争反対、韓国軍派兵反対!

参加単位

公共労組ソウル本部、金属労組ソウル支部南部地域支会キリュン電子分会、 労働者の力、労働者の力女性活動家集い、ニューコア労働組合、タハムケ(All Together)、民主労総ソウル本部、貧困社会連帯、社会サービス市場化阻止の ための共同対策委員会、社会進歩連帯、女性文化理論研究所、イーランド一般 労働組合、人権運動サランバン、全国公共サービス労組医療連帯ソウル地域支 部介護人分会、全国不安定労働撤廃連帯、全国貧民連合、全国学生行進、学生 行動連帯、100周年3・8女性デー学生企画団

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳)に従います。


Created byStaff. Created on 2008-03-05 04:10:28 / Last modified on 2008-03-05 04:10:29 Copyright: Default

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