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「われわれは建物でなく人ですから」

〈竜山、椅子〉と会った遺族たち

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イ・コンマム記者 iliberty@jinbo.net / 2009年09月07日18時10分

「われわれは忘れられない。われわれは建物ではなく人だから」

真っ暗な櫓の中。人々の記憶から消えた8か月の前その場所。竜山4区域ナミル ダン・ビルの屋上だ。そこに椅子が置かれる。そして会いたかった人々を招く。

演劇を見てきた故イ・サンニム氏の夫人チョン・ジェスク氏の目には涙がその まま残っていた。

「監獄に閉じ込められている息子を思い出しました。お父さん遺影の前に一度 も来られず、お父さんを殺した罪をかぶっている息子です。どんなに悔しいで しょう。死んだお父さんの代わりにいろいろ話をしたいでしょう」

▲〈竜山、椅子〉より

舞台の上の椅子には、櫓の中の人々が会いたがっていた人たちが座る。世の中 をもてあそぶ財閥総師で江南に12軒のビルを持つ奥様、自分の命を奪った警察 総長、自分を都心テロリストと呼んだ朝鮮・中央・東亜記者、8か月経っても 瞬き一つしない大統領も呼ぶ。

「私が表現力が足りないので。すぐ報道担当者がくるでしょう。報道担当者が くれば立場を発表します」

そして血だらけの喪服を着た報道担当者が到着する。だが報道担当者は...

チョン・ジェスク氏は話す。「どんなに言いたいことが多いことか。心にわだ かまっている話がどんなに多いことか」

〈竜山、椅子〉だ。〈観客の冒涜〉で知られた演出家キ・グクソ氏の演出で、 『劇団76』が作った竜山の話が9月4日からソウル市大学路の創造アートセンター 2館で開かれている。6日には龍山惨事の遺族が招待された。

▲劇場を訪ねた遺族たち

演劇を見た遺族たちは「ありがとう」と演出家や俳優の手を握りしめた。

「まだ解決もしていない事件を舞台にするのは容易なことではないでしょう。 皆忘れ去ったと思っていたのに、覚えてくれて、話してくれて、ありがとう」

同席したペク・キワン統一問題研究所所長が言葉を続ける。

「腹立たしい現実を記憶という名で遠くに葬ろうとする陰謀があります。腹立 たしい現実を芸術で作りなおすことは、葬ることではなく、新しい歴史を創造 することです。現実を劇的に飾り立てて、あい昧に飾り立ててはいけません。 演劇は観念ではなく、歴史的な現実を舞台にすることです。だからこの演劇は 芸術家のものなのです」

舞台に上がった櫓の中の人が話す。

「人々は記憶するでしょう。冷凍室を記憶するでしょう」

恵化駅1番出口の前の劇場。そこで櫓の中の人々があなたを待っている。

原文(チャムセサン)

翻訳/文責:安田(ゆ)
著作物の利用は、原著作物の規定により情報共有ライセンスバージョン2:営利利用不可仮訳 )に従います。


Created byStaff. Created on 2009-09-13 14:51:16 / Last modified on 2009-10-03 13:02:50 Copyright: Default

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