渡部通信（6/2、6/5）：教員免許とるのに「憲法」は学ばなくていい？／都教委への再質問

渡部通信（6/2） : 
明けない夜はない（312）＜若者を再び戦場に送るな！（62）教
員免許とるのに「憲法」は学ばなくていい？＞

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5月30日の「東京新聞デジタル版」に、
＜教員免許とるのに「憲法」は学ばなくていい？＞という記事が出た。
その最初の方には次のようなことが書かれている。
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文部科学省の諮問機関、中教審の部会で、教員免許取得に必要な大学の科目のうち、
「憲法」を含む一般教育科目の廃止を求める意見が出ている。
教員志願者の増加のため、免許取得に必要な単位数を減らすという意図のようだが、
志願者から憲法を遠ざけていいのかという懸念の声が上がる。
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この報道を知り、私は2000年頃から本格化した「教育基本法」改悪の動きの中で
中曽根元首相が、「教育基本法と憲法は不可分に結びついている」
「憲法に先駆けて改正しなければならない」といっていたことを思い浮かべた。
そして、当時「教育基本法」改悪反対の全国的な闘いが行われた。
しかし、2006年12月「教育基本法」は改悪された。
改悪前の「教育基本法」の前文は以下のようなものだった。
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われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、
世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。
この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。
われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、
普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。
ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい日本の教育の
基本を確立するため、この法律を制定する。
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極めて格調高く、見識があり、かつ簡潔な前文であった。

それが、2006年の「教育基本法」の前文では、以下のようになった。
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我々日本国民は、たゆまぬ努力によって築いてきた民主的で文化的な国家を
更に発展させるとともに、世界の平和と人類の福祉の向上に貢献することを願うものであ
る。
我々は、この理想を実現するため、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、
公共の精神を尊び、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を期するとともに、
伝統を継承し、新しい文化の創造を目指す教育を推進する。
ここに、我々は、日本国憲法の精神にのっとり、我が国の未来を切り拓く
教育の基本を確立し、 その振興を図るため 、この法律を制定する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ここではいくつかの事が変えられている。基本的なことだけ指摘する。
１、「われらは」が「我々日本国民は」となり、「日本国民」が強調されている。
２、新たに「たゆまぬ努力によって築いてきた」が入れられている。
３、「普遍的にして」という言葉が消え、新たに「公共の精神を尊び」という言葉が入っ
た。
４、新たに「伝統を継承し」という言葉が入った。
５、新たに「その振興を図るため 」という言葉が入った。

ここに見られるのは、「国民」や「公共」「伝統」などが重視され、
「普遍的」なものが後退していることである。
そして、2006年基本法第２条には、「我が国と郷土を愛する」という言葉が入れられた。
また、こうした教育を「振興」させるため、第17条に「教育振興基本計画」が入れられ、
これにより全国の教育体制と内容が統制されるようになった。
一言で言うなら、普遍的な「民主教育」から「国家主義教育」への転換である。

あれから約20年、「日の丸・君が代」は100％実施になり、
卒業式は戦前と同じ形式で行われるようになった。
また、職階性が徹底され、業績評価も取り入れられトップダウンの職場になった。
さらに、「学習指導要領」の法的拘束力も強まり教育内容の統制が進んだ。
「学力テスト」も実施されるようになり、全国の学校の序列化も進んだ。
その結果起きてきたのが、生徒の「不登校」の増大と、
教員の休職・中途退職・超過勤務の増大と教員不足である。
（昨年1月には『崩壊する日本の公教育』（鈴木大裕著）が出版されるまでに至っている
。）

ところで、今回の＜教員免許とるのに「憲法」は学ばなくていい？＞については、
「教員志願者の増加のため、免許取得に必要な単位数を減らすという意図」のようだ。
が、記事にもあるように、現在、「教員免の許所持者自体は減っておらず、免許取得はし
ても
採用試験を受けない若者や、教員になっても早期退職者が目立つのが現状だ」ということ
である。
つまり、教員不足の原因は免許取得の困難に有るのではまったくない。
原因はこの20年間に行われてきたトップダウンの「国家主義教育」にあるといえる。

にもかかわらず、私たちが去る5月19日に行った文科省交渉
（「明けない夜はない」（309）5月19日、参照）
では、そうしたことに一切をつぐみ、改めようとしない。
改めようとしないどころか、
今度は＜教員免許とるのに「憲法」は学ばなくていい＞
というようになってきた。

私は最初の方で、中曽根康弘元首相の言葉を紹介したが、
「憲法改正（改悪）」のためには、もはや現「憲法」のことを学ぶような教員はいらない
と
いうことだ。とくに、「国民投票」になれば、学校で教員が現憲法に触れることになるの
で、
「それはまずい」と言うことだろう。

教育基本法が改正されて約20年、
現在日本は再び戦前の道をひたすら歩み続けている。
そして教育は再び大きな役割を果たすように仕向けられている。
しかし、私たちは「若者を再び戦場に送らない」ためにも、
闘いを続けて行く。

来る7月20日（日）10：30～17：00少し早く終了するかも）、
東京の日比谷図書文化館コンベンションホール（地下一階）で、
『第15回「日の丸・君が代」問題等全国学習・交流集会』を開きます。
テーマ：迫る戦争の危機、改めて問う！平和と人権の教育を！
講 師：辻野けんまさん（大阪公立大学准教授）
演題：「＜国際化＞を謳い＜国家化＞する公教育
～教職専門性受難の時代の提言～」
現場からの発言：大阪、東京他、市民からも
資料代：800円
終了後、銀座デモ（約30分）

チラシを添付します。お集まりください。

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都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
 http://houinet.blogspot.jp/
千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
       http://hinokimitcb.web.fc2.com/
「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト
       http://hinokimi.web.fc2.com/


●渡部通信（6/5） : 明けない夜はない（313）＜若者を再び戦場に送るな！（63）都教委
への再質問、天皇「提灯奉迎」のチラシ＞

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昨日（6月4日）「都教委包囲首都圏ネットワーク」は、
東京都教育委員会に対する「2025年3月17日の回答に対する再質問」（12項目）を出しま
した。
長文ですが以下に貼り付けます。添付もしておきます。

なお、天皇「提灯奉迎」チラシも添付しますが、
根津公子さんが以下のように述べています。
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天皇夫妻が広島県・広島市の要請を受けて6月1９日に広島に行くとのこと。
それを受けて添付しましたチラシにあるように奉迎の金集めをするそうです。
チラシに記載されている連絡先は日本会議広島。
それを広島県、広島市、そしてあろうことか両教育委員会が後援しています。
「天皇皇后両陛下ようこそ広島へ」で検索したら、広島テレビのユーチューブが最初に出
てきて、
そこで「高校生も（提灯を持って）集会に参加する」と報道しています。
また、平和公園近くの小学校はこの日の午後、
同じ目的で平和公園のどこかで同趣旨の計画がされているとのことです。
「新たな戦前」どころかすでに「新たな戦中」となっている、そう思わざるを得ません。
広島の方には、情報を発信していただきたいです。
お知らせまで。 根津公子
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昨日（6月4日）は、天皇一家が戦後80年目の節目ということで沖縄を訪問しました。
ニュースでは、現在急ピッチで進む沖縄・南西諸島の軍拡には殆ど触れず、
子どもたちが「日の丸」の旗をふって迎えている映像などが流れていました。
1988年には沖縄・読谷高校の女子生徒が、
日の丸を引き下ろし道路に投げすてた事件もあったのに。

戦前同様、教育とマスコミは同じような役割を果たしつつあります。
結局それは破綻したというのに。

へーゲルは、「「歴史から学ぶことができるただ一つのことは、
人間は歴史から何も学ばないことだ」と述べているようですが、
マルクスは、『ヘーゲル法哲学批判序説』のなかで、
「歴史上の大事件は二度起こるといわれる。ただし、一度目は悲劇として、
二度目は喜劇として」と述べています。
そして、次のように続けています。
「なぜ歴史はこのように進行するのか？
それは人類が明るく朗らかにその過去と決別するためである。」

お互い、闘いを堅持して行きましょう。

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東京都教育委員会・坂本雅彦教育長                         2025年６月４日

要請団体：都教委包囲首都圏ネットワーク

２０２５年３月１７日の回答に対する再質問

私たち「都教委包囲首都圏ネットワーク」が2025年2月26
日に提出しました＜「日の丸・君が代」強制・職階制度・業績評価・学力テスト・英語ス
ピーキングテストをやめてください＞という要請に対して、都教育委員会は3月
17日付けで「回答」を送付してきました。しかし、私たちはその「回答」が納得いきませ
んので、ここに「再質問」を行います。

①    「10・23通達」を撤回すること

②    それによりなされた処分をすべて取り消すこと

に対しては、「これまでに出された裁判所の判断において・・・不当な支配には該当しな
い」として、撤回も、取り消しもしないと回答されました。

しかし、1999年の「君が代」法制化のとき、政府は「強制するものではない」「取り扱い
はこれまでと変わらない」と述べています。にもかかわらず、都教委は
2003年石原都知事の下で「10・23
通達」を出し、学校現場に強制し、特に教職員に対しては厳しい処分を繰り返してきまし
た。また、多くの子どもたちはその意味も知らないまま歌わされています。

そもそも「君が代」の歌詞の意味は、1942
年国定修身教科書には『この歌は、「天皇陛下のお治めになる御代は、千年も萬年もつづ
いて、おさかえになりますやうに。」
といふ意味で、國民が、心からおいはひ申しあげる歌であります』と書かれています。つ
まり「君が代」は天皇主権の歌で、それが千年も万年も続くようにという

歌です。しかし現在は国民主権で、天皇については憲法第一条で、「この地位は、主権の
存する国民の総意に基く」と述べてあります。そうした歌を主権者に強制し従わなければ
処分するなどということは、あってはならないことです。そこで質問です。

*
１、都教委は「君が代」は天皇主権の歌ではないと考えているのですか。戦前教えられた
歌詞の意味に忠実に沿ってお答えください。なぜなら、歌詞は戦前と変わってはいないか
らです。*

次に、③教職員の職階制を廃止し、主任制より前の職場に戻すこと

に対しては、以下のような回答でした。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

主任教諭はミドルリーダーとして、主幹教諭への補佐、教諭への助言・支援

という双方向のコミュニケーションの要となり、組織内のコミュニケーションを

活性化する役割を担っています。

また、東京都では公立学校においても、教職員が安心できて働きやすい

職場環境の構築を推進しています。（所管 人事部職員課）

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

しかし、実際の学校現場では、職員会議での挙手採決は禁止され、トップダウンで仕事が
行われているのが実態です。校長の下の役職は「単なる伝達機関」です。ですから「リー
ダー」の名に値せず、「組織内のコミュニケーション」は機能していないのが実態です。
ただただ、上から言われたことを下に伝えているだけです。このようなトップダウンの職
場では教職員の自主性・創造性はまったく生かされず、「超過勤務の下でただ働きさせら
れている」と考えるようになるだけです。その結果、昨年度の新任教員が
1年内退職が5.7％で過去10年で最高になっています。そこで質問です。

*２、都教委はわたしたちへの回答で、主任教諭の役割を「組織内コミュニケーションを
活性化する」といって*

*いっていますが、この場合の組織とは、どんな組織を指しているのですか具体的に回答
してください。*

* ３、都教委は現在の学校において、コミュニケーションが不十分、不活発と理解してい
るのですか？そうであ*

*るなら、その原因はどこにあると考えているのですか？具体的に答えてください。*

* ４、「主幹教諭への補佐」とは何を補佐するのですか？どんな補佐を都教委は要求して
いるのですか？具体的に答えてください。*

* ５、都教委は、現在の主幹教諭には、補佐が必要というふうに認識しているのですか？
*

* ６、主任教諭の昇任の条件は何ですか？賃金・処遇はどのようにしているのですか？定
数定員は決まっていま*

* すか？*

* ７、都教委は一般教諭の学校教育における役割をどのように認識しているのですか？特
に小学校において。*

８、*職階制度が導入されて以降の職場環境は、私たちが指摘した通り極めて悪化し。休
職や中途退職、初任で*

*の退職が後をたちません。その大きな原因の一つが風通しが悪く、ものも自由に言えな
くさせているトッ*

*プダウンの職階制度です。それでもなお職階制度を改める考えはないのですか。*

次に、④業績評価を廃止すること

に対しては、以下のような回答でした。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

人事評価の実施は地方公務員法第23条の2で任命権者が行うべきものと規定され

ており、また、人事評価を任用、給与、分限その他の人事管理の基礎として

活用することが同法第23条で規定されています。都教育委員会においても

同法に基づき、職員の資質能力の向上及び学校組織の活性化を図ることを目的として

人事考課制度を実施しています。（所管 人事部勤労課）

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ここでは、「地方公務員法第23条」の規定を前面に出し、それに基づいてやっている

と述べていますが、教育を行政機関の下におき、それにもとづいて人事評価をするという
。

まさに国家主義教育であることをみずから述べているのです。

また、それに基づき「職員の資質能力の向上及び学校組織の活性化を図る」

と述べていますが、職階制度の下では、（トップダウンで降りてきた教育政策のための）

ということばがその前に付くのです。そのため、実際にはそうはなっていないと思います
。

実際にはこの業績評価に縛られて、教員たちは絶えず上司の目にさらされ、自由にものも

言えず、生徒の方に目がいく余裕がなくなっているのが実情です。

参考までに、1947年教育基本法第6条には「教員」については、以下のように述べられて
い

ました。～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～
～～～

法律に定める学校の教員は、全体の奉仕者であって、自己の使命を自覚し、

その職務の遂行に努めなければならない。このためには、教員の身分は、尊重され、

その待遇の適正が、期せられなければならない。

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

しかし、2006年に安倍首相の下で改悪された教育基本法の第９条では、以下のように述べ
られました。

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

（1項）法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、

絶えず研修と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。（2項割愛）

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

ここでは「全体の奉仕者であって」という文言は消されました。そして、「自己の使命を
自覚し」は、「自己の崇高な使命を自覚し」となり、「絶えず研修と修養に励み」が追加
されています。つまり、教員はもはや「全体の奉仕者」ではなく、国家が要求する「崇高
な使命」のために「絶えず研修と修養に励」むことが要求されるようになったのです。そ
して、これが教員に対する人事評価の基準となったのです。これはまさに戦前の教育への
逆戻りです。そこで、都教委に再質問です。

*９*、*都教委はこうした戦前のような「国家主義教育」が当然であると考えているので
すか。*

* 10**、これでもなお、業績評価を改める考えはないのですか。*

次に、⑤学力テストに参加しないこと

に対しては、以下のような回答でした。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

・・調査の趣旨・目的を鑑み、都教育委員会、

区市町村教育委員会等の判断において実施しています。

（所管 指導部義務教育指導課）

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しかし、「学力テスト」はかつて（1956～1966年）、弊害が大きいとして廃止されました
。にもかかわらず、教育基本法が改悪された2006年の翌年（
2007
年）に復活し、これまで行われています。しかしこれは、点数や学歴で人間を評価するよ
うな偏った社会を作り出します。その結果、貧富の格差が拡大し、現在の行き詰まりつつ
ある日本社会を作り出してきました。また絶えず「学力テスト対策」に追われるような学
校を作り出し、数多くの「不登校」を作り出す一因となっているとも言えます。にもかか
わらず、都教委はあくまでやり続けるつもりです。犠牲になるのは子どもたち、教員たち
保護者たちです。そこで再質問です。

11*、都教委はそれでも考え直す気はないのですか。*

次に、⑥英語スピーキングテストをやめること

に対しては、以下のような回答でした。

――――――――――――――――――――――――――――――――――――

中学校の英語の授業においては、少人数・習熟度別の指導や、ペア・ワークや

グループ・ワークなどの英語でコミュニケーションを図る工夫しているほか、

英語が堪能な地域人材や他校の生徒等と英語を用いた交流をするなど、

効果的な指導を主体的に行っています。

これらの指導の充実と、その学習効果を確認するスピーキングテストの双方を

実施することが生徒の英語力を伸ばすことにつながることから、

引き続きスピーキングテストの実施に取り組んでまいります。

（所管 グローバル人材育成部国際教育企画課）

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ここでは、前半に英語教育にいろいろ取り組んでいることが書かれています。しかしたし
か7
年前には、小池都知事肝いりで「英語村」などというのも作ったようですが、そのことは
書かれていません。あまりうまくいっていないのでしょう。後半に、前半の指導と「スピ
ーキングテストの双方を実施することが生徒の英語力を伸ばすことにつながる」などと書
いてあります。しかし、このスピーキングテストについては大内裕和・武蔵大学教授らが
多くの問題点を指摘し、廃止すべきであるとして反対運動が展開されています。
2022年7月には都議42名で「英語スピーキング議連」も発足しました。そして私たちへの
「回答」（3月17日付け）の前、3月14
日には共産党の斎藤真理子都議が都議会で、その運営のお粗末さを都教委に質しています
。また大内教授たちは住民訴訟も起こしています。さらに2025年3月17
日には、「産経新聞」に「事業者ブリティッシュ・カウンシル財政危機 波乱続く都の英
語スピーキングテスト」という記事も載っています。また、4月18
日に都議会議事堂会議室で開かれた英語ピーキングングテストに反対する集会では、「都
立高校入試へのスピーキングテスト導入の中止を求める会」から、＜3回目の
ESAT-J 教員への負担増、矛盾を抱えながらの実施に現場は疲労～東京教育連絡会 東京都
公立中学校教員170
人の声から～＞が報告されました。それによると、「１．スピーキングテストの業務で、
困ったこと・負担を感じたことはどんな事ですか」という問いに対し、「申し込み作業（
確認作業含む）」（
94.1％）、「不登校生徒への対応」（52.9％）、「不受験者・欠席者への対応」（50.0％
）でした。そしてある教員は次のように述べていました。

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～
～～～～～

電話対応とウェブ上で対応するものがわからない。サイトが非常に見づらく、分かりにく
い。

サイト、受験票、申し込みにトラブルやエラーが多い。

具体的にはYEAR２（二年生のテスト）と連携した際に番号や学校の表記が

おかしくなる点や、その後どう変更すればいいか不明。

並び替え機能や絞り込みの機能が不便。

窓口で対応している人が何もわかっていない。

当日機械トラブルで受験できなかった生徒への対応がひどい。

登録にあたり、保護者対応やわからないことをといあわせましたが、

担当の方が分からないことが多く、待たされるなど時間をかなり割かれました。

（中略）

総じて、かなりの労力と時間を奪われた。現場丸投げの作業をなくしてほしい。

これ以上、英語科だけの負担が増えることへ、断固として反対します！！

来年以降もこの負担は耐えられません！！

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～～～～～～

もはや、このお粗末な、しかも事業者がベネッセからブリティッシュ・カウンシルに代わ
り、かえってトラブルが多発（前年度の4
倍以上）しており、かつ代った事業者が財政危機に陥っていると報道されているESAT-Jは
中止すべきだと思います。そこで、質問です。

12、*これだけ問題点の多い、英語スピーキングテストを、都教委はまだ続けるつもりで
すか。*

以上です。

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都教委包囲首都圏ネットワーク」のブログのアドレス
 http://houinet.blogspot.jp/
千葉高教組『日の丸・君が代』対策委員会」のホームページ
       http://hinokimitcb.web.fc2.com/
「ひのきみ全国ネット」のウェブサイト
       http://hinokimi.web.fc2.com/