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現地レポート:万博工事費未払い問題・被害者の会結成 | ||||||
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かわすみかずみ 5月30日(金)、万博のパビリオン建設工事費未払いによって倒産の危機に瀕する業者のAさんが、大阪府庁で記者会見を行った。Aさんとともに名を連ねた業者は3社。急遽行われた会見にも関わらず、記者クラブから20社以上が参加した。 Aさんはアンゴラ館の建設を請け負った5次下請け業者で、4次下請け業者からの未払いで、倒産寸前の状態に追い込まれた。Aさんの下にも電気工事の業者や塗装業者が下請け業者として入っており、連鎖倒産の可能性や資金繰りが悪化して自殺する業者も出かねない。 アンゴラ館の建設は(株)NOEJAPAN,吉拓株式会社、株式会社大鵬、一六八建設、Aさんという多重下請け構造になっている。実際に工事を行ったのはAさんらで、他の業者は時々見に来て指示を出すだけだったという。Aさんは一六八建設からの未払いで工事を中断し、現在アンゴラ館は開館できない状態になっている。
当日14時、Aさんから電話が来た。「急なんですけど、大阪府で記者会見やろうと思うんです」。Aさんの切羽詰まった声が聞こえた。未払いの張本人である一六八建設は、これまで未払いの理由を借金返済に充てたとか、会計責任者が持ち逃げしたなどと言っていた。 Aさんのもとには工事で使った機器のリース代金の催促や、Aさんの下で働いた職人から「妻が泣いている」「家賃が払えない」「子どもが生まれたばかりなのに家を追い出されそうだ」などと相談や苦情が舞い込んでくるという。職人たちの言葉を聞き、とにかく何か動きを出さなければならないと感じたAさんは、被害者の会を結成することにした。カンパを集め、少しでも職人たちにお金を回したいと、会見に臨んだ。 会見前、Aさんは「緊張しています」と言った。初めて会見を行うため、表情は硬かった。大阪·関西万博の工事の実態を公表することにも迷いがあった。周辺の業者からの批判や、今後受注が減ることも考えられた。だが、Aさんは会見を行うことが今は最善だと考えた。 違法なパビリオン建設工事Aさんは会見の中で、パビリオン建設工事の違法性について訴えた。通常、建設工事の際は「グリーンファイル」というものを元請け業者に下請け業者が渡すことになっている。これは、下請け業者の安全管理や作業日程などを明確にし、作業が安全に行われているかを元請け業者が確認するためのものだ。必要があれば、発注者や行政にも提出できる状態にしておかねばならない。しかし、Aさんは、この工事で「グリーンファイル」は作成されていないという。 5月28日の大阪府知事の定例会見を見たAさんは、「『支払いが履行されるよう寄り添う』と言っているが、実際は何もしていないと思います。『寄り添う』というなら下請け業者の声を聞いて、対処すべきだと思います」と批判した。
Aさんらが持っている請求書には、昼夜を問わず働いた記録が残っている。2024年10月にはすべてのパビリオンが完成すると述べた万博協会の石毛事務総長。万博協会の建設計画は無謀ではなかったか? 日本政府は、パビリオン建設工事を渋る建設業者に対して、「万博貿易保険」による補償を提案。建設国が政情不安など不測の事態で支払いができなくなった場合に保険から支払うというものだった。任意加入で工事前に契約が必要だが、加入国がどの程度あるのかは非公表だ。貿易保険の加入を必須にすれば助かった下請け業者もあったのではないか? 5月23日、れいわ新選組の佐原わかこ議員は経済産業委員会でパビリオン建設工事の未払い問題について訴えた。現在工事費の未払いで困っている中小建設業者に対応を行うようにという内容だった。 6月2日、アンゴラの政府代表は記者会見を行い、「早く開館することを願う」と発言。閉館の状態と未払いは関係ないと述べた。 国、万博協会、大阪府とも「民間同士の契約に介入できないが、できるだけ支払ってもらえるように支援する」姿勢を変えていない。だが、市民感情としては、「これまで突貫工事をさせておいて、それはないだろう」という声は大きい。国、万博協会、大阪府市は、万博の今後や参議院選挙を視野に対応を模索しているという見方もある。今後の対応によっては支持率を大きく下げるかもしれない維新の会や自民党は、頭が痛いところだ。 万博建設工事未払い被害者の会は、未払いで苦しむ中小建設業者へのカンパを募っている。ご協力いただける方は下記まで。 ●被害者の会代表口座 Created by staff01. Last modified on 2025-06-04 18:23:26 Copyright: Default |