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LNJ Logo 米国労働運動 : ジェーン・スローター「レイバーノーツをつくってよかった!安心して死ねる」
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【解説】最近、紙のレイバーノーツ誌1月号が郵送されてきた。その中にレイバーノーツ創設者の一人であるジェーン・スローターの下の短信が掲載されていた。元GM社の自動車工でUAW組合員でもあったジェーン・スローターが昨年のビッグスリーでのUAWストライキの歴史的な勝利をどのよう見ているか、読み取れる良い記事である。半世紀にわたる彼女の活動の歴史だけではなく、レイバーノーツの45年にわたる歩みを感じることができる。最新ニュースでもないし、レイバーノーツのウェブサイトにも掲載されていないが、貴重な情報なので、翻訳した。(レイバーネット国際部 山崎精一)*毎月1日前後に「レイバーノーツ」誌の最新記事を紹介します。
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「これでもう安心して死ねる」

ジェーン・スローター(レイバーノーツ創設者)

*2014年のレイバーノーツ大会でのジェーン・スローター

 「ジェーン、もう安心して死ねますね!」と全米自動車労組UAWの変革を目にしたレイバーノーツの若手スタッフが私に言いました。

 そのとおりです。私はUAWを変えるために一組合員として、また1975年からはレイバーノーツの記者としてUAWを報道することにより、私なりに貢献してきました。UAW組合員が組合に誇りを持ち、自動車労働者として誇りを持てる日は私が生きている内にはやってこないだろう、何度も思いました。しかし、頑張り続ければ、どんなことが実現できるか、2023年ビッグスリーでのストライキで目の当たりにすることができました。

 1979年にレイバーノーツを作った時には労働運動が44年後にどうなっているか知りませんでした。私たちが見ていたのは闘うことを忘れ、労働協約交渉でのわずかな成果に満足してしまっている大労組官僚の姿でした。

 その年の内にUAWはクライスラー社と譲歩交渉を始め、譲歩交渉は現在まで続いている流れです。しかし、その時レイバーノーツを作って良かった、と思いました。レイバーノーツはその記事や大会を通じて、譲歩交渉を解明し、どう闘えば良いか、怒り惑う自動車労組組合員に説明したのでした。レイバーノーツ以外にはUAW本部はもちろん、誰も説明できませんでした。

 自動車会社が「労使協調」を推進し始めた時も同じでした。労働組合の中は労使協調を巡って混乱し、一部の労働者は労使協調を受け入れました。レイバーノーツは労使協調路線が組織労働者を分断し骨抜きにする策略であることを示すことができました。それは主に故マイク・パーカーの非凡な才能のおかげです。

正しい路線を守る

 レイバーノーツを作った時に44年後のことを考えていたわけではありません。しかし、労働運動を取り戻すには一般組合員のリーダーたちによる職場での組織化活動の積み重ねが必要なことは分かっていました。正しい労働運動の原則だけではなく、時間と忍耐が必要なことも自覚していました。

 レイバーノーツの現状は素晴らしいものです。スタッフは最初2名でしたが、今では13人います。大会参加者は400人から4000人に増えました。その出版物はベストセラーになっています。いくつもの産業別の労働者のネットワークを支えています。これもすべて私たちの理念と私たちが築いた繋がりが切実に求められているからです。

 私の愛するUAWでの素晴らしい変革にもかかわらず、まだまだ目的達成にはほど遠い状況です。時として変化は突然やってきます、2021年にスターバックスでの組織化が広がったように。時として新しい反乱の起源が過去に遡ることができることもあります。

 しかし、どんな新しい運動も昔から活動しているオーガナイザーと組織によってもたらされているのです。

立ち止まるのは止めよう

 「レイバーノーツがなければここまで来れなかった」とスコット・ホールディソンが私に言いました。彼はUAW内の改革運動である「民主主義を目指すUAW」UAWDの議長です。

 レイバーノーツは長年にわたり様々な組合改革派コーカスに寄り添い、異なる組合の活動家同士をつないできました。うれしいことに2023年にも二つの新しい組合改革派組織が立ち上がりました。

 レイバーノーツは職場の力関係を変えようと勇敢に闘っている組合員たちと共に、さらに44年活動し続けなければならないでしょう。そのためには皆さんの助けが必要です。レイバーノーツへのカンパをお願いします。

 4月19日から21日にわたりシカゴで開催されるレイバーノーツ大会でお会いしましょう。

【訳注: ジェーン・スローターの2017年11月に来日してトラブルメーカーズ・スクールJAPANの講師を務めた。】


Created by staff01. Last modified on 2024-03-01 01:53:09 Copyright: Default

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