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LNJ Logo 共同テーブルがシンポジウム : 「マイナ保険証」はいらない!の声、全国に広げよう!
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いのちの安全保障、非正規社会からの脱却をめざして「共同テーブル」
「新しい戦前にさせない」シンポ 第6回
「マイナ保険証」はいらない〜徹底解明マイナンバー(共通番号)制度

「マイナ保険証」はいらない!の声、全国に広げよう

アーカイブ動画(2時間)

 今回のシンポは、岸田政権支持率に大きな影響を与えた「マイナ保険証」をはじめとしたマイナンバー制度の問題噴出を徹底解明する趣旨で企画した。ポイントは、日常生活に大きな影響をもたらす無謀な政策を取った政権のお粗末さを各分野から明らかにすることだ。

 住基ネットの時(1999年〜2003年)は、「自治事務」ということで市区町村長による反対の力が世論を動かすひとつの要因になった。しかし、今回の「番号法」では「法定受託事務」と強引に設定、自治体の独自判断を抑え込んだ。それでも、一連の問題現出について、総務省やデジタル庁は自治体への総点検など、過剰な対応を強行している中で、自治体側の対応を知りたいと、多摩市長(写真)にコメントをお願いした。

 また、健康保険と介護保険分野でどういう受けとめがされているか、その状況の報告を、さらに、市民や議員がどう取り組むかの事例報告をお願いした。会場には120人、YouTubeで200人が視聴した。

<自治体首長として>

 国会での法案審議は短時間であっという間に成立したが、自治体議会だったらそうはいかない。民主主義は時間をかけた議論が必要で、安倍内閣は閣議で決めて、どんどん進める。「自治事務」は自治体が決め、議会に諮り、進める。
 国民皆保険制度ではこれまで大きな問題はなかった。今回のことは、そもそも国自身が精査し、自治体任せにすべきでない。それでも一応点検して問題ないと報告した。ところがその後にデジタル庁から「総点検マニュアルを作成したので、それに沿った対応を」という「通知」が来た。ということはこの後に問題が起こったら、それは自治体の責任というわけだ。でも、総点検をするには莫大な時間と人手を要し、とても出来るものではない。でも、そうせざるを得ない状況に追い込まれている。
 議会には「マイナンバー問題の多くは国の責任」と答弁している。さらに「今ある健康保険証も生かすのも一案」とも答弁し、任意であるマイナ保険証は立ち止まって見直すことだ。

<医療の現場から>

 政府はオンライン資格確認を今年4月から義務化し、従わない医療機関は保険医資格をはく奪という強行政策を取っている。マイナ保険証のメリットを大体的に宣伝しているが、医療現場は大混乱しトラブルが続出している。総点検で既定路線通り進めると言い張っている。
 メリットと言われる中身も精査するとまやかしばかり。診察データがアップされるのは1か月以上先なのに、データベースで的確な診察や処方が出来るというが、医師はその場で患者と向き合い、診察、検査などをしている。
 さらに問題なのは「医療DX(デジタルトランスインフォメーション)」で、これは市民の健康のためというより、医療情報を収集、利活用し、企業をもうけさせる狙いが濃厚だ。国民の健康増進をというなら、むしろ医療DXを中止し、個人情報収集・利用のあり方はどうあるべきかの原点から見直すことが大切だ。

<介護の現場から>

 介護を担うのは、家族と介護事業者、介護労働者だが、マイナ保険証はことごとく現場を無視したものになっている。保険証を管理するのは、本人、同居家族、ケアマネージャ、訪問ヘルパー、後見人。さらに施設での保管、管理は人手不足などからとても無理。
 高齢化率は3人にひとり、うち75歳以上が半数を超え、在宅要介護者の3割以上が独居。認知症有病者が700万人、ピーク時には1千万人を超える。さらに介護サービスは極端な人手不足で「決壊」寸前で、「昭和な人」が政策決定するという現実、現場無視がマイナ保険証だ。

<ではどう取り組むか>

 市民として、積極的に自治体や議会に要請書や陳情を出す取り組みをしよう、ということで、事例を紹介した。
 また、メディアによる全国調査では、マイナンバーカード関連事務の負担感について、89%が「重い」「やや重い」と回答している。保険証廃止については「賛成」が29%、廃止の延期あるいは撤回は43%になっている。また、高齢化率が高い市区町村ほど延期、撤回の声が高くなっている。

 今回のシンポは、岸田政権が市民の日常生活を直撃したことで、政権支持率の激下げに繋がったことを明らかにすることが出来た。そして「マイナ保険証」の強制をさせず、これまでの保険証を残す全国運動が必要であり、野党各党や自治体議員が重要課題として取り組むことを呼びかけたい。(文:発起人・白石孝)


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