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LNJ Logo プレカリアートユニオン : 日本ロードサービスのコールセンターで長時間過重労働が常態化
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プレカリアートユニオンの清水直子です。

 会員向け車両サービスなどを提供する日本ロードサービス(株)(有泉丈代表取締役/
東京都足立区千住1丁目4番1号東京芸術センター4階)のコールセンターでは、長時間
過重労働が常態化しています。2019年10月にSV候補として入社し、会員の生活の
困りごとの相談(トイレが詰まった、給湯器が壊れたなど)を担当するオペレーターとし
て勤務し、その後、オペレーターの電話対応の教育を担当、2021年5月頃から、オペ
レーターのリーダーとなったAさんが、同年11月、会社に対して、うつで倒れた仲間へ
の安全配慮を求めたところ、翌12月、追い出し部屋ともいえる、「協力会社であるライ
フネットワーク社内で、インターネットで水道業者を検索してリストアップする」「営業
企画推進室」への不当配転を命じられました。
 Aさんと会社との雇用契約は、雇用契約書で職種をコールセンター業務と特定して合意
しています。追い出し部屋への配転は、雇用契約による合意に反するものです。2022
年1月、Aさんは、プレカリアートユニオンに加入し、会社に対し、追い出し部屋への不
当配転を撤回すること、未払い残業代を支払うことなどを求めて団体交渉を行いました。
会社側が不誠実な交渉を繰り返したため、同年4月12日付で、配転無効の確認と、コー
ルセンターのリーダーから外されたことで減額されたリーダー手当の支払いなどを求めて
、東京地方裁判所に提訴しました。6月24日に行われた配転無効確認訴訟の第1回期日
で、原告のAさんは、コールセンターの労働環境を改善したい、やりがいをもって働いて
きたコールセンター業務に戻りたいと、次のように意見陳述しました。

Youtubr動画はこちら→https://youtu.be/PCLYdT1Wc2I

ブログ記事はこちら→https://precariatunion.hateblo.jp/entry/2022/06/24/162918

日本ロードサービス(株)に対する追い出し部屋配転無効確認訴訟で、原告が意見陳述

雇用契約書で職種をコールセンター業務と特定するも
同僚の安全配慮を求めたら1日中ネット検索命じられ
「まるで懲戒処分」「コールセンターに戻りたい」

 意見陳述

1、私は、被告日本ロードサービス株式会社に2019年10月1日にコールセンターの
SV(スーパーバイザー)候補として入社しました。入社してからは、生活のお困りごと
サポートを行うコールセンターにてまずは3カ月間の試用期間を経て、2020年1月1
日より正式に正社員として働くこととなりました。しかし現在は、2021年12月6日
より突然の異動を業務命令として会社より命じられ、法人営業部に勤務しております。
 この度、本命令が無効であることを確認し、私が入社したく契約を取り交わした本来の
コールセンターに早急に戻すことを強く会社に求めたいとともに、コールセンター業界に
て働く人たちの深刻な状況をなんとかしたいという思いで提訴しました。

2、私は2005年より約15年間電話応対、コールセンター業界に携わってきました(
添付の職務経歴書参照)。2008年、コールセンターに特化したコンタクトセンター事
業を行う会社に入社した時までは、電話応対に対してあまり興味はなかったのですが、実
際に電話応対を行い、電話の向こうのお客様と会話をして良いコミュニケーションを図る
ことで不安なお客様から「ありがとう、助かった」などの温かい言葉をかけていただいた
り、非常に怒ったお客様から電話がかかってきても、お客様の話、言うことを遮ったり否
定することなく、しっかり聴くことでお客様が落ち着かれ、最後にはお客様から「あなた
に言っても仕方ないのにごめんね。聞いてくれてありがとう」と声をかけてくださり、電
話応対の良さ、楽しさを知ることができました。
 さらに電話応対のスキルを身につけたく、電話応対技能検定2級、秘書技能検定準1級
を取得し、電話応対の技術を身に着けるためない時間を積極的に作り、電話応対スキル向
上のため資格取得にも取り組んできました。

3、2019年、勤めていたカスタマーサポートに特化したコールセンターで私はSVを
任されていたのですが、東京のコールセンターを閉め、他県にコールセンターを移すと決
定されたと勤めていた会社より通達がきました。
 私は子育てをしており、転勤はできない状況であったため、家の近くで、どこかに自分
を成長させることができる良い会社はないか、求人を探しておりました。
 そんな時に、自分の最寄り駅より2駅と通いやすい場所にある、被告の求人をインター
ネットの求人広告にて見つけました。困った方をサポートしたい方」「コールセンター経
験者優遇」「正社員スーパーバイザー候補」「バリエーション豊かなカスタマーサービス
業務」「研修により少しずつ対応範囲を増やしていく」「対応回線は70回線」と、惹か
れる内容ばかりの求人広告でした。
 求人票には私がこれからやっていきたいことばかり記載されており、なんとしても入社
したいと思いました。中でも、対応回線が70回線、このようなセンターは経験がなかっ
たため、自分の成長のための絶好のチャンスと思いました。

4、面接を受けて数日経ったころ、被告より採用内定の連絡が入りました。
 約束した初出勤日に個別契約書を総務担当者より読み上げられ確認するも、業務内容に
はしっかり「コールセンター業務」と記載があり、業務都合により他部署に異動の可能性
があるとの記載も、説明も一切なかったので、何の疑いも持たずコールセンターの仕事の
みと思い個別の雇用契約書にサインしました。
 契約書にサインをする際、私としては経験を積みたいと考えているコールセンターにて
、SV候補で採用してもらえたこともあり一生懸命会社の成長、自分の成長のためまずは
研修を学び早く即戦力になりたいと思ったことを今でも忘れません。

5、被告に入社してからすぐに研修にはなりませんでした。配属されたコールセンターは
人手不足のため、研修をする余裕がなかったのです。なんとか合間をみてやっと研修をし
てくれるといったスタイルでした。
 研修を進められないため、空いた時間で皆が応対した音声を確認する時間が非常に長か
ったです。それでもようやくまず1回線の研修が終わったのが入社約半年くらいの頃でし
た。ただそこからも私はどんどん研修を行い、様々な回線を覚えていけると思っていたの
ですが、聞いていたスケジュールより非常に遅れ、2021年1月(2019年10月採
用より)までは1回線しか受電対応できない状況が続きました。
 また、どのようなスケジュールで私はSVになっていけるのか上席に聞いても、特に決
まりがなく、ただ上の判断になるとの回答ばかりでしっかり説明をしてもらえない状況で
した。

6、2021年5月、リーダーとして頑張ってもらいたいと会社より話がありました。
「コールセンターの中でもトップで成績が良いので期待している」と言われたことを非常
にうれしく思いました。この時から、残業はさらに増えてきましたが、会社の力になりた
く、仲間の力になりたく、努力を惜しまず働いてきました。

7、しかし被告のコールセンターは非常に労働環境が悪く、人手不足のため、休憩を本来
は1時間取らなければならないのに30分しか取らない人がいる、休憩時間がずれにずれ
、勤務時間の終了1時間前に休憩を取ることとなるなど、全く管理ができていませんでし
た。精神的に体調を崩し休まれる方も多く居ました。そうするとその日に出社している人
に残業を依頼し、出社している人たちに負担が行くという苦しい環境でした。
 2021年11月、非常に休みがちで、来ていても表情が優れない、また業務にも影響
が出ていた同僚のことをコールセンター長、本部長に相談しました。

8、しかしその相談をきっかけに突然「コールセンターの応答率が悪い。コールセンター
の雰囲気が悪い、だから異動するように」と2021年11月29日に本部長より言われ
たのです。私はなぜ突然異動となるのか全く理解できませんでした。
毎年この季節(12月から3月頃)の、電話応答数が格段に増えるこの時期になぜ異動な
のか、さらに新しい部署が立ち上がったため、ある回線の応対報告書を2021年9月、
10月に研修をして覚えたばかりなのに、私が居なくなったら誰が対応するのかと疑問し
かありませんでした。
 しかもその報告書を覚えるため、研修を行ってくれる方がどうしても18時30分以降
しか手を開けられないため、私は一生懸命家庭の調整も行い、残業までして覚えた内容だ
ったので余計に不自然としか思えませんでした。
 また、異動先を聞いても「これから検討する」との回答であり、全てが意味のわからな
い状況でした。そして会社の協議の結果、「今いるコールセンターとは別のコールセンタ
ーに行ってもらいます」とまずは会社より回答がきました。
 しかしその20分後くらいに「先ほど言ったことは忘れてほしい。まだどこの部署に行
くかは決まっていない。検討するように」と言われました。「検討するようにと言われて
もどこに行くのかわからない中検討はできないため決まったら教えて欲しい」と伝えまし
た。結果、「法人営業部に行き、新規ネット開拓を行ってほしい」と言われたのです。
 取締役からは具体的な業務説明を求めてもそれ以外のことは一切教えてくれませんでし
た。ただ、給与、その他の待遇面については何も変わらないと話はありました。業務命令
ということなので異動せざるをえず、身は動きました。

9、そこからは地獄の日々です。コールセンターとは別の小部屋(当時はライフネットワ
ーク株式会社)にほぼ一人で勤務する日々でした。監視カメラで常時なぜか監視もされて
いました。上席もなぜかライフネットワーク株式会社の人、被告の社員全員が閲覧できる
フォルダも見えなくなり、与えられたメールアドレスも他社(ライフネットワーク株式会
社)のものでした。
 コールセンターの部屋からは自分で荷物整理もさせてもらえず追い出され、別の部屋で
同じ業務をする人がいなくなったため、日々孤独でした。精神的にも非常に追い詰められ
ました。任された業務というのも今まで誰かが対応していた業務ではなく、新しく力を入
れて取り組み始めるというものだったので、なぜ営業経験のない私が選ばれたのかも不明
でした。
 2021年12月14日、異動させられた後ではありましたが、私はこの突然の異動は
おかしいのではないか、ほとんど会社にいることのなかった社長に勇気を振り絞り手紙に
て相談しました。初めて二人で話した際、私は社長(現在は会長)を心から尊敬している
と手紙でも対面でもお伝えしました。これは本当のことです。
 しかし社長からの配転に関する回答は、「ライフネットワーク株式会社で新規ネット開
拓をする業務につくことを私からも命ずる」とのことでした。そして極めつけに、「本当
に会社が好きであって、私を尊敬しているのか? だってコールセンターじゃないと働け
ないというんだもん。甘いよ」と言われた
時の社長の言葉は胸に突き刺さり、この傷は一生消えないと思います。
 そしてこれで辞めるだろうと思ったかのように、給与面は一切変わらないと言っていた
取締役から、「今回の異動に伴いリーダーの任を解く」と記載された通知を平然と廊下で
一方的に渡されたのです。
 私は給与が下がるというよりも、全てがなぜこんなことまでされなければならないのか
、私が頑張ってやっとなれたリーダーの任をなぜ解かれなければならないのか、コールセ
ンターとは全く関係のない業務を、私の経験、技術、希望を無視して会社は命じていいの
か、胸が張り裂けそうでした。

10、そこで私は精神的な病になり約1カ月間お休みをいただくこととなりました。こん
な会社の対応はおかしいと、他に同じような目に遭う人を出したくないと復職を決め、2
月28日に復職し、結果現在に至るまでは基本的には放置状態であり、水道業者をインタ
ーネットで検索しリスト化したり、整備工場の住所、電話番号を検索しリスト化するとい
う、誰でもできる業務を日々行っています。
 何度か団体交渉を行い、取締役からは「懲戒ではない」との回答でしたが、当の私とし
ては、まるで懲戒処分を受け、会社から干されてしまった人、何も期待されていない人と
しか思えないまま辛く日々働いています。
 他の人は忙しくしているのに自分は単純な業務しか任せてもらえず、そのなかで突然、
「他の人が手があけられないから」と、新規ネット開拓とは全く関係のない葉書への切手
貼り、宛名ラベル貼りを業務命令でさせれるという、結果何でも屋、雑用担当状態です。

11、もし求人票に「総合職(コールセンター、営業、事務)」「業務の都合により他部
署への異動の可能性あり」と記載されていたら、個別の雇用契約書に「業務の都合により
異動や転勤の可能性がある」と記載されていたら、面接の際にそういった話があれば、私
は絶対に被告に入社はしませんでした。

12、裁判での請求は配転の無効確認と元のコールセンターに早急に戻せということです
。本内容は、決して私だけの問題ではありません。求人票にコールセンターから異動する
可能性があると記載もない、面接の場でもコールセンターから別部署に異動することがあ
ると説明がない、挙句の果てには個別に取り交わす個別雇用契約書にもそのような大事な
ことが記載されていない詐欺のような状態をこのままにしておくのは問題であると思って
います。
 私がどのくらいコールセンターで勤めることに誇りを持ち、電話応対のスキルを身に着
けたく、成長したく求人を探し応募したか、その求人を出し、採用した会社には人の人生
を動かす大きな責任があることを 知って欲しいです。
 他に私のような気持ちの方が迷い込んできて、もし同じ目に遭うと思ったら心苦しくて
なりません。私の2年を返してほしいし、求人条件を信じて応募し入社し、私のように上
司に意見をしたら今まで慣れ親しんだことから突然追い出されてしまう人を黙って見てい
られません。
 そして、何より、「会社を良くしていきたいと思う人はいつの間にかいなくなってしま
う」と働く皆さんが思ってしまっている被告の労働環境を改善する機会だと強く思います
。私を含めコールセンター業界にて生涯をかけて働き続けていきたい、さらにスキルを磨
いていきたいと思っている方たちの再建に貢献できることを願っています。

【労働相談は】
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