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巨大な発がん性の泡が落ちてきた!〜米軍、沖縄で有毒化学物質を大量放出

ジョセフ・エサティエ 2021年7月4日

米軍は世界で最も多くの化石燃料を消費し、単一の組織としては世界最大の温室効果ガス排出者である。また、1945年にニューメキシコ州で行われた人類初の核実験、トリニティ核実験、そしてその後の2000回以上の核実験により多くの住民に癌を引き起こした。湾岸戦争やイラク戦争「ファルージャの戦闘」では、劣化ウラン弾を使用し、サダム・フセインに化学兵器を提供。国防総省の「国防高等研究計画局(DARPA)」は、生物兵器プログラムに資金提供している疑いがある。また、新たに設立されたアメリカ宇宙軍によって、スペースデブリが撒き散らされるという未来も想像できる。これらは、米軍が世界一の自然破壊者であることを示すほんの一例に過ぎない。

アメリカが歩んできた道のりには、何百万人もの戦死者、そして果てしない動物の屍が連なっている。私たちの生命を育む海、土、植物さえも無惨に破壊した。東西を巨大な海に囲まれ、カナダとメキシコを隣国に持つアメリカは今までもこれからも自国が戦場にはなり得ないという比類ない安心感を盾に、アメリカに君臨する大企業と政府のエリートらは利益追求の殺戮行為を世界中の至る所で繰り返している。戦争を正当化するための大義名分を用意し、マスメディアによりアメリカ国民を戦争へと扇動し、無慈悲に他国を支配する。アメリカは今までに日本、韓国、ドイツ、その他の国々を「半植民地化」した。他国の資源を奪い、その国々の人々の富を搾取して米軍を養う。日本人よ、アメリカという巨大なヒルに血を与えてはいけない。なぜなら、アメリカはあなたの最後の血一滴までも搾り取るからだ。

アメリカは欲に目が眩み、人類が直面している地球の危機的状況には目も暮れない。前大統領のドナルド・トランプに引き続き、現大統領のジョー・バイデンも核をトリガーにセットし、世界の覇権を握ることに躍起になっている。彼らのような金のためには地球の破壊さえも厭わない愚かな行為によって、我々はホモ・サピエンスは絶滅の日を迎えるのだろうか。

人類にとって重要なことは、ワシントンの一部のナルシストが東アジアを支配し続けることでも、世界の覇権を握るのがアメリカか中国かでもない。豊かな地球からの恵みで飢えることなく、我々の子孫が幸せに生きることの方がずっと重要ではないだろうか。

米軍は有機フッ素化合物PFOSという毒性が強く環境に悪影響を及ぼす化学物質を米軍基地内で消火剤として使用している。周辺の土壌や河川は基地内からのPFOS流出による汚染被害が後を絶たない。この化学物質は「永遠の化学物質」と呼ばれ、自然界で分解されることはない。米軍基地の周辺住民は、永遠に自然分解されない毒物に汚染された水で家族の食事を作り、赤ん坊にもPFOSが混入したミルクを与えている。誰がこの危険性を教えてくれるのか。誰が罪もない子供たちに健康な未来を与えてくれるのか。それは米軍ではない。不屈の精神で沖縄に警鐘を鳴らす「World Beyond War」のパット・エルダー氏だ。

再び沖縄

米空軍と米海兵隊は、PFASを大規模に流出させて沖縄の水と魚を汚染してきた。今回は陸軍による流出だ。

パット・エルダー 2021年6月23日

赤い「X」は、「有機フッ素化合物(PFAS)を含む消火水が流れたと考えられている場所」を示す。上の4文字でマークされたスポットは「天願桟橋」。

沖縄通信社の琉球新報によると、2021年6月10日、PFAS(有機フッ素化合物)を含む2,400リットルの「消火液」が、うるま市の米陸軍貯油施設から誤って放出された。沖縄防衛局は、大雨のために有毒物質が基地から流れ出したと言った。陸軍は今回流出したPFASの濃度をあきらかにしていない、消火液は天願川と海に流出したと考えられている。

県が行った過去の調査では、天願川はPFASの濃度が高いことがわかっている。沖縄では、米軍による有毒化学物質の有毒な放出はよくあることだ。

沖縄の報道機関で最新の流出がどのように扱われるかを見てみよう:
「6月11日の夕方、防衛局は、県庁、うるま市、金町、および関係する漁業協同組合に事件を報告し、安全管理を確保し、再発を防ぎ、速やかに報告するよう米国側に要請した。外務省は6月11日、遺憾の意を米国側に伝えた。沖縄防衛局、うるま市、県警察が現場を確認した。琉球新報社は事件の詳細を米軍に問い合わせてきたが、6月10日午後10時の時点で何の反応もない。」

仮に陸軍が反応したとしても、彼らが何を言うか想像できる。「沖縄県民の健康と安全を懸念し、安全管理を確保し、再発防止を確実にするように取り組んでいる」と言うだけだろう。「堪えてくれ、沖縄」と。

沖縄の人々は二級国民扱いである。日本政府は、米軍基地からの有毒な流出が繰り返されても、沖縄の人々の健康と安全についてほとんど気にしていないことを繰り返し実証してきた。沖縄の小さな島は日本の国土のわずか0.6%を占めるにすぎないのに、そこに米軍専用施設の70%が集中している。沖縄はニューヨーク州ロングアイランドのほぼ3分の1の大きさだが、そこに32のアメリカ軍施設がある。

普天間


*沖縄の普天間海兵隊基地近くの住宅街に、巨大な発がん性の泡が落ちてきた

2020年、普天間飛行場の航空機格納庫の消火システムが大量の有毒な泡消火剤を放出しました。泡立った泡が地元の川に注がれ、雲のような泡の塊が地上100フィート以上浮かび、住宅の遊び場や近所に落ちているのが見られた。

海兵隊は、煙と熱が検出されたときに明らかに排出されたオーバーヘッドフォーム抑制システムを備えた巨大な格納庫でバーベキューを楽しんでいた。沖縄県の玉城デニー知事は、バーベキューが流出の原因であることを知り、「本当に言葉がない」と言った。

そして、今、知事にとっての適切な対応は何だろうか?例えば、「アメリカ人は私たちに弊害をもたらしているが、日本政府はエンドレスな米軍駐留のために沖縄の生命を犠牲にしている。1945年以来、長い間、私たちは犠牲者とされている。汚染を浄化して、在日米軍は出て行け」と言ってもおかしくない。

コメントを迫られると、普天間基地デビッド・スティール司令官は、沖縄県民に賢明な言葉を伝えた。彼は県民に「雨が降れば収まる」と言ったのである。どうやら彼は、泡の人々を病気にする性質のことにではなく、泡だけについて語ったようだ。2019年12月にも、同基地で同様の事故が発生し、消火システムが発がん性泡消火剤を誤って排出した。

2021年初頭、沖縄県は海兵隊基地周辺の地下水にPFAS濃度2,000 pptが含まれていると発表した。米国の一部の州では、地下水にPFASが20 ppt以上を含まれてはならないという規制があるが、これが占領下の沖縄の現実である。


*下水道管(赤いx)から泡立った水が流出した普天間飛行場。右側に滑走路が見える。宇地泊川(青色)は東シナ海に面した牧港漁港周辺に毒素を運ぶ。

沖縄防衛局の報告書によると、普天間での泡の放出は「人間にはほとんど影響を及ぼさなかった」という。一方、琉球新報は普天間基地付近の川水をサンプリングし、宇地泊川でPFOS/PFOA、247.2 pptを発見した(青色)。牧港漁港の海水(左上)には、毒素の41.0 ng/lが含まれていた。この川では、軍の水性フィルム形成泡(AFFF)に含まれるPFASの13種類が見つかった。

それでは、水がPFASの1兆分の247.2 pptを有するとはどういう意味だろうか?それは人々が病気にかかるという意味である。ウィスコンシン州天然資源省は、2 pptを超える地表水のレベルは人間の健康に脅威を与えると述べている。泡中のPFOSは、水生生物に広く生物濃縮を起こす。(アメリカでは)人体へ主な侵入経路は、魚およびその他の海産物の摂取である。ウィスコンシン州は最近、トラックス空軍基地の近くにおける魚のデータを発表したが、沖縄で報告された濃度に非常に近いPFASレベルを示している。

これは、人々が魚を食べることによって毒される人間の健康への影響に関するものである。

2013年、嘉手納基地での別の事故では、開いた格納庫から2,270リットルの消火剤が排水管に広がった。酔っ払った海兵隊員がオーバーヘッド抑圧システムを作動させた。最近の陸軍の事故は、有毒な泡の2,400リットルを流出させた。


*2013年、PFASの泡が、沖縄の嘉手納基地を埋め尽くした。この写真の一匙の泡は、都市全体の貯水池を毒する可能性がある

2021年初頭、沖縄県は、基地外の地下水にはPFAS3,000 pptが含まれていると報告した。地下水は表層水に流れ込み、海に流れ込む。この物質はただ消えてなくなるわけではない。それは基地から抜け続けて、魚は毒される。


天願桟橋

うるま市にある陸軍の金武湾石油、油、潤滑油貯蔵施設は、さまざまな種類の武器や弾薬を受け入れるために使用される天願桟橋のすぐ近くにある。在沖縄米国艦隊活動指令によると、「天願桟橋は、兵員に人気の、サーフィンや水泳ができる、基地外の場所である。沖縄の太平洋側の天願湾に位置するこの特別のスポットは、この地域のどこよりも多くの海洋生物が集中しているところの1つである。」

米軍はこの場所の自然を賞賛する一方でその場所を破壊している。米国の軍事活動は、ただでさえ海洋生物の継続的な健全さと海洋生物の生存を脅かす。実際、辺野古の新基地建設は、世界でもっとも絶滅が危惧される生態系、サンゴ礁の生態系を脅かしている。基地が完成すれば、再び辺野古に核兵器が保管される可能性がある。


*在沖縄米国艦隊活動指令 海軍は、NGO団体のMilitary Poisonsが海軍記章を使用していることを訴えると脅している。

金武湾は、アメリカ軍が沖縄で使用するすべての航空燃料、自動車用ガソリン、ディーゼル燃料を受け入れ、貯蔵し、補給する。島の南の方にある普天間海兵隊航空基地から嘉手納基地を通って金湾まで到達する100マイルの石油パイプラインシステムを運営し、維持している。

これは沖縄におけるアメリカ軍の心臓部の大動脈である。

このような米軍の燃料貯蔵所は、1970年代初頭から大量のPFAS化学物質を使用していたことが知られている。商業燃料貯蔵所は、命に係わるこの泡の大部分の使用を停止し、同等の消化能力を持ち環境に優しいフッ素を含有しない泡に切り替えた。

高橋年男氏は普天間海兵隊基地に隣接して暮らす環境活動家だ。基地からの騒音レベルを制御するために闘った彼の経験は、彼の地域に大きな被害をもたらすアメリカ人に抵抗するための必要で貴重な教訓を提供する。

彼は普天間米軍基地爆音訴訟団の幹事を務める。2002年以来、彼は米軍機によって引き起こされる騒音被害を終わらせるために集団訴訟を起こす取組みをしてきた。裁判所は2010年と2020年に、米軍機の運航による騒音は違法であり、法的に許容できると考えられる以上の騒音であり、日本政府もまた、住民に与えた損害に対して責任があり、住民に金銭的に補償しなければならないとの判決を下した。

日本政府は米軍機の運用を規制する権限を持たないため、高橋氏らの「飛行差止」の訴えは却下され、航空機騒音による被害は衰えることなく続いている。現在、那覇地方裁判所で3度目の訴訟が係争中である。これは、5,000人以上の原告が飛行差止と損害賠償を主張する大規模な集団訴訟だ。

「2020年4月の普天間泡消火剤流出事件の後」、日本政府(および地方自治体と住民)は米軍基地内で起きた事件の原因調査ができなかったと高橋氏は説明した。米国 -日本軍の地位協定、またはSOFAは、日本に駐留する米軍を優先し、日本政府がPFAS汚染の現場や事故の状況を調査することを許さない。

最近の陸軍貯油施設の事件でも、日本政府(そして沖縄県)も汚染の原因を調査することができない。

「PFAS汚染ががんを引き起こし、小さな胎児や子供の発達、病気を引き起こす可能性が示されているので、住民の命を守り、将来の世代に対する責任を果たすためには、その原因を調査し、汚染を浄化することが不可欠です」と高橋氏は説明した。

高橋氏は、軍がPFAS汚染を調査し、その浄化責任を負っている米国では、進展が見られると聞いているという。「しかしこれは、海外に駐留する米軍には適用されない」と彼は主張する。「このような二重基準は、ホスト国や米軍が駐留している地域を愚弄する差別的態度であり、容認できない」と言った。

*翻訳、編集:沖縄国際大学法学部教授 佐藤学、平和活動家 照屋勝則、名古屋工業大学准教授、ワールド・ビヨンド・ウォー日本支部長 ジョセフ・エサティエ

原文
https://worldbeyondwar.org/okinawa-again-the-u-s-air-force-and-the-u-s-marines-have-poisoned-okinawas-water-and-fish-with-massive-releases-of-pfas-now-its-the-armys-turn/

https://www.militarypoisons.org/latest-news/okinawa-again


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