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LNJ Logo 根津公子の都教委傍聴記(8月24日)〜知事ファースト 都民はラスト
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●根津公子の都教委傍聴記(2017年8月24日)

知事ファースト 都民はラスト

 都教委定例会の議事が終わったところで、次回定例会の日時が告げられる。前回の定例会では、「次回は8月24日10時」と告げられていた。しかし、それが変えられていた。午前に知事が招集する総合教育会議を入れ、定例会は午後に。後から設定した総合教育会議を午後にすればいいだけのことなのに、これを最優先する。前回もそうだった。ここでも知事ファースト。定例会傍聴のために午前を空けていた都民は傍聴の権利を奪われた。毎回傍聴している、私の友人たち4人も今日は傍聴できなかった。

 総合教育会議傍聴のためエスカレーターに乗ると秋山教育委員が乗っており、同じ階で降りたので、私は秋山教育委員に教科書採択の件で質問したいと思い、「お聞きしたいことが」と声をかけた。すると、秋山教育委員に同行していた背の高い都職員がSPよろしく私の前に立ちはだかり、私を追い払うようにし、秋山教育委員を包むようにして遠のいていった。なぜ、都職員はここまでするのか。そして、秋山教育委員も「聞きますよ」と対応できないのか。情けのないことだ。

●何のための総合教育会議だったのか?!

 総合教育会議の議題は「小学校教育の現状と今後の在り方〜山積する教育課題への対応〜」。
 冒頭、中井教育長が「小学校教育の現状」について次に上げるような報告をした。
ゞ軌の勤務実態全国調査2016年は11時間45分/日
⇒菁度からの新学習指導要領(3年生からの英外国語活動、5年生からの英語等)実施で「労働時間が長くなる」と考える教員は6割に上る。
6戯狃猗の時間が十分に取れないと思う教員が90.5%、作成しなければならない事務書類が多いと思う教員が84.9%。
ぞ学校1年生問題(学校生活への不適応状態)が発生した学校は2008年度が23.9%、2014年度は21.1パーセント。2010年から教員加配をしているが状況は回復していない(「家庭の貧困と関係するか」と教育委員からの質問も出たが議論にならず)。   等々。

 その後、3名の小学校教員(採用4年目の20代教員、50代に入ったかに見える主幹教諭、校長)の発言に移った。
・子どもが帰った後の2時間、教員は家庭への連絡で学校の電話はフル回転。授業の用意はそれ以降になる。また、電話は夜にしてほしいという家庭もあり、教員にとっては負担になる。
・若い教員は夜8〜10時まで仕事をしている。
・新学習指導要領実施・外国語活動導入によりALT(外国語指導助手)との授業の打ち合わせ等が生じ、仕事量が増えることは必至。
・教科授業の他に、人権教育など○○教育を常に10種ほどやっていて、それに時間を取られる(とは言うが、オリンピック・パラリンピック教育に時間が取られる、とは言わない)。
・小学校1年生問題では、地域の人の手を借りている。 等々。

 教育委員からの質問に対する教員の発言は次の通り。
・教科指導を担任ではなく、音楽のようにすべての教科を専科(教科担任制)にするのはどうか。
 →1、2年生では無理。全体指導は担任が行い、もう一人が手のかかる子どもの補助に当たる2人制がいい。
・地域の人の支援に問題はないか。
  →有効。

 学校に12時間近くいて、子育てしながら働くことは不可能と言っていいだろうに、そうした発言は教員からも教育委員からもなかった。事務書類の作成を指示するのは都教委であり、そのことが長時間労働の一因であるのに、その見直しを提起した人もいなかった。この程度の交流で長時間労働が解決に向かうとは考えられない。
 少人数クラス編成や複数担任制(ともに正規職)を採れば長時間労働は解決するのに、都教委・文科省がそれを示さないのは、解決する気がまったくないということだ。8時間労働にしなければという雇用の当事者としての問題意識がないのだ。
 何のための総合教育会議だったのか。

 教育委員の発言で最も気になったのが、次の発言。
 「年齢で輪切りにするのが諸悪の根源。異年齢で学年を作っているヨーロッパに学び、日本も横並びを止めるのがいい。入学も、633制も。」
 要するに、飛び級の推奨だ。競争主義の日本で飛び級を導入したら、さらに競争やそれによる差別がひどくなるのは明らかではないか。エリート育成にしか関心のない教育委員はいらない。

 付記:校長職で発言したのは種村氏。2005年当時、都教委統括指導主事をしており、「君が代」不起立「服務事故再発防止研修」を担当した人物で、私は怒りがこみ上げてきた。

●論議のない定例会

 公開議題は2つ、「都立高校における進学重点校等の指定について」と「来年度使用の高校教科書採択について」。非公開議題は3件の懲戒処分ほか。

 崚堽高校における進学重点校等の指定について」
 進学指導重点校、進学指導特別推進校、進学指導推進校を指定してから今年度末で5年になるということで、来年度から5年間の指定校を決めるとの議題。エリート育成を目的とする。その詳細は割愛するが、日比谷高校などの進学指導重点校7校には年間180万円を支給し、2名の教員加配をする。進学指導特別推進校7校には50万円を、進学指導推進校13校には30万円を支給する。
 ほかに、中高一貫校にも180万円を支給しているという。
 どの学校にも学校予算は等しく分配すればいいものを、敢えてこうしたことをする政策に、教育委員は何の疑問を持たない(ようだ)。議論がなければ、組織は腐るのみ。

◆嵳菁度使用の高校教科書採択について」
 2013年以来、「日の丸・君が代」について「一部自治体で公務員への強制の動きがある」と記述した実教出版の「高校日本史A」「高校日本史B」について、都教委は「都教委の考え方と異なる」と各学校に「通知」し、この選定を事実上禁止してきた。しかし、来年度使用のこの2冊がその記述を変えたので、今回都教委は学校が選定した教科書をその通り採択した。
 実教出版「高校日本史A 新訂版」を選定した学校は7校、「高校日本史B 新訂版」を選定した学校は4校だった。


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